カードローンやキャッシングなどローン商品の公式ホームページには、「金利◯%」や「実質借入利率◯%」といった表記が必ずあります。

借入金利とは、「借りた金額に対して必要になる手数料の割合(利息)」のことです。

借入金利の割合は、金融機関やローンの種類(商品)、借りる人の経済状況などで異なります。

金利が低ければ低いほど返済総額が少なくなり、経済的な負担を軽減できます。

そのため、事前にしっかりと情報収集し、最適なローンを選択するのがおすすめです。

しかし、融資商品の利用に慣れていない人にとっては、「金利ってどういう意味?」「金利ってどうやって決まるの?」という疑問を感じてしまうかもしれません。

この記事では、借り入れ金利とは何かと、選ぶポイントをわかりやすく解説していきます。

借入金利とは

借入金利とは、「借りた金額に対して必要になる手数料の割合(利息)」のことです。

借入金利は一律ではなく、金融機関やローンの種類(商品)、借りる人の経済状況などによって大きく異なります。

金利が低いほど返済総額が少なくなるため、自分の返済能力やリスク許容度に合わせて最適なローンを選択することが重要です。

借入金利はどうやって決まるのか

借入金利は、以下のような要素で決定されます。

  • 融資額
  • 発生するリスクの大きさ
  • 利用者に求める条件
  • 審査の条件

それぞれどのような状態になれば借入金利が高くなり、逆にどのような状態になれば借入金利は低くなるのか、簡単にまとめてみましょう。

これらの基準は特定の商品によって異なるものではなく、すべての融資商品に当てはまるポイントになっていますので、ご自身の利用している商品を踏まえて読んでみてください。

融資額

融資額と借入金利の関係性は、「取扱う金額が大きくなればなるほど低金利が設定される」というものです。

なぜこのような関係性になっているのかというと、融資金額が大きくなると、微々たる金利差でも莫大な利息額になってしまうからです。

逆に言えば、融資額の小さい商品は、金利が高めに設定されているケースも多いということです。

例を挙げると、住宅ローンとキャッシング商品の融資額を比較した場合、住宅ローンのほうが融資額は格段に大きいです。

住宅ローンの金利は2018年1月現在、年1.0%台の商品もあるのに対し、消費者金融が取扱うキャッシングは年18.0%前後が相場になっています。
このように、融資額に合わせて借入金利は変動します。

発生するリスクの大きさ

発生するリスクが大きくなればなるほど、設定される借入金利は高くなります。

例えば、目的ローンとキャッシング・カードローンを比較した場合、目的ローンのほうが発生するリスクは小さくなります。

したがって、借入金利においても目的ローンのほうが、低く設定されています。

なぜこのようなことがいえるのかというと、目的ローンは資金使途が限定されているのに対し、キャッシング・カードローンは自由な用途に資金を利用することができるからです。

資金使途の範囲が広くなればなるほど発生するリスクの範囲も大きくなるため、結果として借入金利に反映されることになります。

利用者に求める条件

利用者に求める条件が少なくなればなるほど、設定される借入金利は高くなります。

例えば、同じ銀行カードローン商品の場合でも、対象年齢や申し込み可能職業の幅が広ければ広いほど、設定される金利も高くなります。

逆にいうと、職業や年収の制限などを設けて利用者に求める条件を増やした場合、設定される借入金利は低くなるということです。

当然ながら、利用者に求める条件が多くなればなるほど、審査に落ちてしまう人数も多くなります。

審査の条件

借入金利と審査には、密接な関係があります。
なぜかというと、審査基準をコントロールすることで、借入金利と発生するリスクのバランスを取ることができるからです。

借入金利の低い商品ほど、審査基準は厳しくなる傾向があります。
当然ながら、借入金利の低い商品は収益率が低くなるため、貸付側としても、滞納に陥ってしまうような利用者は避けなければならないからです。

逆に、借入金利が高い商品は収益率が高いため、申し込み条件や審査基準が広くなっているケースも多いです。

もちろん、これらはあくまで全体としての傾向ですので、すべてのケースに該当するわけではありませんが、知識として理解しておくと良いでしょう。

ローン商品別の借入金利の特徴

借入金利を設定しているローン商品について、それぞれの特徴を簡単に説明します。

住宅ローン

住宅ローンとは

  • 住宅購入費やリフォームに関する費用を借入する際に利用する融資商品
  • 借入金利は低い

住宅ローンは、すべての融資商品の中でも取り扱う金額が大きいため、審査も厳重に行われる傾向があります。

銀行が主に取り扱っていますが、なかにはノンバンク系の住宅ローンも存在しています。

取扱い金額が大きいことに加え、資金使途限定や申し込み条件の狭さなどの背景から、設定される借入金利も低い数値になっています。

目的ローン

目的ローンとは

  • あらかじめ定められた資金使途を目的としてパッケージ化された融資商品
  • 資金の目的を定めない商品に比べると借入金利は低い

自動車購入費に利用できる「マイカーローン」、教育関連費用に利用できる「教育ローン」などが目的ローンに該当します。

使い道が限定される分、資金の目的を定めない商品に比べて借入金利は低く設定されています。

フリーローン

フリーローンとは

  • 目的ローンとは逆に、使い道を定めていない融資商品
  • キャッシング・カードローンよりも借入金利は低い

フリーローンは、使い道を定めていないため自由度が高く、さまざまな用途に資金を活用することができます。

ただし注意点として、フリーローンを利用する際は見積書の提出が必要になるケースも多いため、詳細を提出できない生活費等には利用することができません。

また、フリーローンで追加融資を受ける場合は、新たに契約する必要があります。
後から既存契約に付加することはできず、1つの契約を1口として追加で契約する形になります。

したがって、キャッシング・カードローンよりも自由度という点では劣るでしょう。

その反面、キャッシング・カードローンよりも借入金利は低く設定されていますので、資金の使い道がすでに決定しているようなケースに活用できる商品内容になっています。

フリーローンについては「フリーローンの審査基準と落ちたときの対処法|どのくらいの年収なら落ちにくい?」を参考にしてください。

クレジットカードキャッシング

クレジットカードキャッシングとは

  • クレジットカードのショッピング機能とは別に、お金を借りるための専用機能を付加することで、ATM等で現金を借入できるサービス
  • 他の融資手段よりも借入金利は高い

クレジットカードキャッシングは、1枚のクレジットカードで買い物したり借入したりできますが、2つの注意点があります。1つは、他の融資手段よりも借入金利が高めに設定されていることです。

借入金利が高く設定されていることで、長期間ズルズルと利用すると利息がかさんでしまう可能性があります。

2つ目は、他の融資手段よりも限度額が小さいことです。クレジットカードキャッシングの限度額は、50万円以下で設定される場合が多いため、調子に乗って使いすぎてしまうと、限度額を超えてしまいます。

したがって、クレジットカードキャッシングは、臨時的な支払いにのみ活用するのがベストでしょう。

キャッシング・カードローン

キャッシング・カードローンとは

  • 費者金融や銀行が取り扱っている個人向け融資商品
  • 借入金利はフリーローンより少し高い

キャッシング・カードローンには、「限度額の枠内であれば、利用者の意思で繰り返し借入・返済することができる」という独自の特徴があります。

例えば、100万円の限度額を設定された人であれば、100万円の枠内で自由な用途に資金を活用することができます。(※事業資金は対象外になっているケースが多い)

つまり、フリーローンのように借入の都度審査を受ける必要がないということです。

さらに、キャッシング・カードローンを利用する際でも、見積書等を提出する必要はありません。

なお、キャッシング・カードローンの借入金利は、フリーローンより少し高めの水準です。

食費や家賃など、生活費等にも活用できるという特徴は、キャッシング・カードローン独自のものとなっています。

ビジネスローン

ビジネスローンとは

  • 個人事業主や法人代表者を対象とする融資商品
  • 借入金利は他の融資商品よりも高い

ビジネスローンは、事業に関する資金を含め、原則自由な用途に活用することができます。

通常、キャッシング・カードローンの多くは事業資金を資金使途の対象にしていないため、設備投資や運転資金を確保したい場合には、ビジネスローンが適しています。

借入金利としては他の融資商品よりも高めで、法人のみを対象とする大型資金調達専用商品もあるのが特徴です。

ビジネスローンについては「低金利のビジネスローンランキング!即日融資できる?法人・個人事業主におすすめなローンは?」で解説しています。

不動産担保ローン

不動産担保ローンとは

  • 所有している不動産を担保として提供することで、低い借入金利で融資を受けられる商品
  • 借入金利は低い

不動産を担保として設定するに当たり手続きが多いため、提出書類も多いことが特徴です。

融資限度額が大きく、商品によっては1,000万円以上を借入可能としているケースもあります。

借入金利は、カードローンやビジネスローンより低く、「担保を提供してもいいから、低金利でたくさん資金を借入したい」というような場合に適しています。

不動産担保ローンに関する詳細は「【2024年】不動産担保ローンの金利比較おすすめ15選!銀行・ろうきん・ノンバンクそれぞれ紹介」をご覧ください。

個人事業主は借入金利が高い!?

個人事業主の場合、法人や会社員と比較すると借入金利が高くなる傾向があります。

ここでは、法人、会社員それぞれとの借入金利の違いを詳しく解説します。

個人事業主と法人の借入金利の違い

個人事業主と法人の場合の借入金利を比較した場合、法人のほうが借入金利は低くなる傾向があります。

なぜかというと、個人事業主よりも法人のほうが、取扱う融資額が大きいからです。

また、事業規模や事業状況によりますが、個人事業主よりも法人のほうが「安定した収入源を有している」と判断されやすいため、借入金利に関しては法人のほうが有利なのです。

ただし、少額借入のビジネスローンを利用する場合は、個人事業主も法人も同水準の借入金利が適用されるケースも多いです。

あくまで、全体の傾向として法人のほうが借入金利面では有利、と捉えておきましょう。

個人事業主とサラリーマンの借入金利の違い

個人事業主とサラリーマンの借入金利の違いでいえば、サラリーマンのほうが、借入金利は低いケースが多いでしょう。

当然ながら、個人事業主よりもサラリーマンのほうが、安定した収入源を有していると捉えられやすいためです。

加えて個人事業主の場合、経費を積み上げて所得を下げているケースも多いため、年収ベースで見ると、融資限度額は少なくなるでしょう。

先述したように、融資限度額は小さくなればなるほど高い借入金利が適用されますので、借入金利という面では、サラリーマンよりも個人事業主のほうが不利でしょう。

銀行の借入金利

融資商品と聞くと、多くの人が思い浮かぶのが「銀行」でしょう。

銀行が取り扱う以下の商品について、それぞれの借入金利の特徴を解説します。

銀行が取扱う商品

  • 住宅ローン
  • ビジネス用無担保ローン
  • 不動産担保ローン
  • カードローン

銀行の住宅ローンの借入金利

住宅ローンには、「金利タイプ」というものがあります。
金利タイプによって市場金利の影響を受けるものと受けないものが存在しています。

住宅ローンの金利タイプ

  • 全期間固定金利型
  • 変動金利型
  • 固定期間選択型

という3つの種類があり、それぞれ設定される借入金利は異なります。

中でも、市場金利が反映される変動金利型は低金利で利用できますが、その反面価格変動リスクが伴います。

このように、金利タイプは一長一短ですので、選択する際はご自身のライフプランを踏まえつつ判断する必要があります。

借入金利の傾向としては、取扱う銀行によって大きく異なりますので、利用する際は複数の業者と比較する必要があるでしょう。

銀行のビジネス用無担保ローンの借入金利

銀行が取扱うビジネス用無担保ローンの借入金利は、ノンバンク等に比べて低く設定されています。

また、融資限度額も銀行商品のほうが大きく、なかには大型調達にも対応しているような銀行も存在しています。

しかしその反面、審査基準としては厳しめです。加えて、利用者に求められる条件も多いため、審査に自信のある人向きだといえるでしょう。

銀行の不動産担保ローンの借入金利

銀行が取扱う不動産担保ローンの借入金利は、ノンバンク等の業者に比べて低い傾向にあります。

ただし不動産担保ローンにおいても、業者によって借入金利が大きく異なるため、利用する際の他社比較は必須でしょう。

注意点として、銀行によっては不動産担保ローン自体取り扱っていない場合もあります。したがって比較する際は、銀行やノンバンク問わずチェックしたほうが良いでしょう。

銀行のカードローンの借入金利

銀行カードローンの借入金利は、ノンバンク系や消費者金融と比較すると低い数値が設定されています。

また商品によっては、1,000万円程度の融資まで対応可能なものも存在しています。

ノンバンク系や消費者金融が取扱うカードローンとの大きな違いは、「融資までの時間」です

銀行カードローンは金利が低めであるものの、融資までに少し時間を要するケースが多いです。

対してノンバンク系や消費者金融が取扱う商品は融資までの時間が短いという特徴があります。

したがって銀行カードローンは、どちらかといえば、融資を急いでいない人向きの融資商品だといえるでしょう。

ノンバンクの借入金利

ノンバンクが取扱う商品には、下記があります。

ノンバンクが取扱う商品

  • 住宅ローン
  • ビジネス用無担保ローン
  • 不動産担保ローン
  • カードローン

ノンバンクの場合も、それぞれ借入金利は異なるため、各商品の借入金利の傾向を説明します。

ノンバンクの住宅ローンの借入金利

ノンバンクが取扱う住宅ローンの金利は、取り扱っている業者によって大きく変動します。

商品によっては、銀行が取扱う住宅ローンよりも低い金利で提供されているものもあり、取扱い業種による誤差は少ないといえます。

住宅ローンを検討する際は、銀行やノンバンク問わず、商品そのものを比較した上で判断するようにしましょう。

ノンバンクのビジネス用無担保ローンの借入金利

ノンバンクのビジネス用無担保ローンの借入金利は、銀行と比較すると高めに設定されています。

その反面申し込み条件が広く、融資までの時間も短い傾向にあります。

また、消費者金融と比較した場合、借入金利面では同等であるものの、限度額に関してはノンバンク系ビジネス用無担保ローンのほうが大きい場合が多いです。

融資までのスピード感は消費者金融に劣るものの、「大きな資金を素早く調達したい」という際には選択しやすい借入先だといえるでしょう。

ノンバンクの不動産担保ローンの借入金利

ノンバンクの不動産担保ローンの借入金利は、全体的に銀行よりも高めの水準です。

なぜかというと、銀行に比べて申し込み条件が広く、融資までの時間も短い傾向があるからです。

ただし、ノンバンク系の不動産担保ローンは商品によって特徴が大きく異なるため、利用する業者によっては、銀行よりも有利に借入できる場合もあります。

したがって利用する際には、銀行の商品も含めて検討するのが無難でしょう。

ノンバンクのカードローンの借入金利

ノンバンク系のカードローンの借入金利は、消費者金融カードローンに近い水準です。

ノンバンク系カードローンの中にはクレジットカードに付帯する商品もあり、独自の特徴を持っているケースが多いです。

しかしながら、融資スピードの面では消費者金融に敵わないため、融資をお急ぎの人は消費者金融カードローンを優先的に選択したほうが良いでしょう。

消費者金融の借入金利

消費者金融が取扱う商品には、下記があります。

消費者金融が取扱う商品

  • ビジネス用無担保ローン
  • カードローン

それぞれの借入金利の特徴をご説明しましょう。

消費者金融のビジネス用無担保ローンの借入金利

消費者金融が取扱うビジネス用無担保ローンの借入金利は、銀行よりも高く設定されているケースがほとんどです。

その反面融資までのスピードが早く、利用条件も広めに設定されています。

したがって、「すぐに運転資金が必要」というようなケースにピッタリでしょう。

限度額は商品によって異なるものの、銀行融資や日本政策金融公庫に比べると少額になっています。
 

消費者金融のカードローンの借入金利

消費者金融が取扱うカードローンの借入金利は、ノンバンク系カードローンと同等、銀行カードローンよりも低い水準が大まかな相場になっています。

消費者金融が取り扱うカードローンは融資までの時間が早く、緊急時の資金ニーズにも十分対応可能な商品になっています。

その分借入金利は高めの水準になっていますが、「次の給料日までだけ借入したい」というようなケースにはピッタリでしょう。

まとめ

借入金利はさまざまな要素から決定されます。

また、取扱っている業者の職種、商品によっても大きく異なりますので、利用する際は複数の商品で比較検討するほうが良いでしょう。

この記事のポイントをまとめると、

  • 借入金利は3つの要素から決まる
  • 個人事業主、法人、サラリーマンによっても金利は異なる
  • 借入金利と審査には密接な関係性がある
  • 借入金利は商品や取り扱っている職種によっても異なるため、利用する際は複数の商品で比較検討したほうが良い

という4つです。それぞれの特徴を掴みつつ、理解を深めましょう。