50代でお金がない方必見!今日から間に合う貯蓄術を教えます
武藤 英次

この記事の執筆者

ファイナンシャルプランナー

武藤 英次さん

今の50代は子供時代に高度成長期を体感し、大人になってからはバブル崩壊やリーマンショックを味わうなど、激動の時代を過ごした世代です。

また、定年退職を目前に控えている年代でもあります。

退職金と年金で老後を過ごせると考えているかもしれませんが、やはり貯蓄がない状態で老後を迎えるのはリスクが大きいものです。

現時点でお金がないと不安を感じている50代の方へ、以下のような項目について解説します。

要チェック!

  • 今の50代のお財布が厳しい理由とは
  • 貯金がない50代が「貯金体質」になるための方法
  • 貯金ゼロから100万円貯めるのにおすすめのサービス
  • 100万円貯まった後の資産運用方法

これらを理解していただくことで、無理やガマンをせずに貯金ができる方法を実践できるようになります。

今の50代のお財布はとっても厳しい

バブル経済崩壊前の50代といえば、年功序列の給与体制で収入は右肩上がり。住宅ローンもほぼ完済し、子供も成人を迎え自立しているなど、経済的に余裕がある印象でした。

しかし今の50代は、以下のような状況が増えつつあります。

  • 晩婚化もあり、子供は大学受験~進学を迎えている
  • 晩婚化で住宅購入が遅くなり、住宅ローンの残高が半分以上残っている
  • 終身雇用や年功序列が崩れ、将来の収入に不安を抱える
  • 未婚者が増え、子供もいないので将来的な生活に不安

大手に就職していれば安泰、会社に所属していればお給料は自然と増えるという状況ではなく、支出は増えるのに収入は増えないという、支出と収入の両面で非常に厳しい局面を迎えている方が増えてきています。

実際に金融広報中央委員会の公表している「家計の金融行動に関する世論調査(二人以上世帯調査)令和元年」のデータによると、世帯主が50歳代の世帯のうち21.8%もの高い割合で「金融資産なし」だそうです。

今日からでも何かしら手を打つ必要があります。

「貯蓄額の目標」より「貯蓄体質になる」ことが大切

最近ではライフスタイルや価値観の多様化で、あえて結婚を選択しない人も増えてきています。今の時代、男性でも女性でも生涯独身は珍しいことではありません。

ただ50代を迎えるころには「老いの影」が感じられることが徐々に増え、急に将来が不安になる方も多くなってきます。

特に女性の場合には更年期を迎える頃合いも相まって、メンタル的に不安定な時期になりがちです。

貯金がないとなると、なおさら不安な気持ちになるのは理解できます。それでは一体どのくらい貯蓄をすれば安心できるのでしょうか。

ネットで検索してみると「50代独身女性の平均貯蓄額は1,200万円」や、「中央値で考えれば実態は100万円あまり」などいろいろと出てきます。

これらのネットに並ぶ金額は政府統計などを基にしているので、根拠のない数字というわけではありません。

しかし結論を言ってしまえば平均貯蓄額などに注目してみたところで、あなたに本当に必要な貯蓄額は決められないということになります。

もし仮に「1,000万円が必要だ」と急に言われたとしても、今から貯めるにしても目標が遠すぎて何をするべきか分からなくなってしまうのではないでしょうか。

貯蓄の目標額を立てるのはまったくの無意味とまでは言いませんが、まずは「貯金できるライフスタイル」を確立することに集中してみるのがおすすめです。

ただしまったく目安がないとイメージが難しい面もありますので、参考としてタイプ別の必要貯蓄金額の目安とおすすめの貯蓄方法をまとめて先に紹介します。

タイプ 必要貯蓄の目安 おすすめ貯蓄方法
既婚者サラリーマン 1,000万円 定期積金や積み立てNISAなど
既婚者自営業 2,500万円 定期積金やiDeCoなど
独身サラリーマン 700万円 積み立てNISAなど
独身自営業 1,500万円 iDeCoなどの年金型商品

また、以下の要素により必要貯蓄額は大きく変動します。あくまでも参考値として考えてください。

  • 定年退職後の仕事の有無
  • 退職金支給の有無、金額
  • 受給できる年金の支給予定額
  • 配偶者の年齢や収入の有無
  • 住宅ローンなどの借金の有無、残債額
  • 持ち家か賃貸か
  • 両親の介護負担や遺産の有無

既婚者の場合は世帯全体で考える必要があるので、必要貯蓄は多めに見積もっておくのが安全です。

また家族がいると「万が一」の事態が起きる確率がアップするので、定期積金などの現金化しやすい貯蓄方法をベースとしてください。

独身の場合には、さらに年齢を重ねてからの老後に定期的な収入があるのが理想です。途中で引き出すのではなく、しっかりと運用して殖やしながら資産形成するのがおすすめです。

一度「貯金体質」が身についてしまえば、後はそれほど苦労せずとも自然にお金が貯まるようになるものです。

次の項目で解説する「お金を貯める鉄則」を実践していくことで、無理なく継続して貯蓄ができるようになります。

貯金がない50代が「貯金体質」になるための3つの鉄則

貯金がないからと言って人生を悲観することはありませんが、少しでも貯金ができたら心にゆとりを持てるのではないでしょうか。

貯金は宝くじに当選するといった幸運に恵まれない限り、残念ながら魔法のような劇的な方法はありません。

しかし下記の3つの方法を実践するだけで、多くの方は少しずつでも貯金できるようになります。

  • ムダな支出を減らす
  • 収入を増やす
  • 貯金できたお金を殖やす

「ムダ遣いする余裕もないくらいだから、今さら節約なんてムリ」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし今までの節約の常識から目先を変えてみると、案外と節約ポイントが見えてくる場合もあります。

片付けコンサルタントによる「ときめき」の断捨離が注目されたのは記憶に新しいところですが、実は支出に関しても断捨離がとても有効です。

不要な支出を断舎離することで、家計支出のうち3割程度をスリム化できた事例もあるほどです。いきなり3割は難しくとも1割程度支出が減らせたなら、家計収支の改善効果は非常に大きいですよね。

こちらでは実際にどのようにして支出の断舎離をすれば良いのかについて、誰にでもわかりやすく解説します。

はじめに失敗しやすい節約パターンをチェック

最初に止めておくべき「失敗節約パターン」を確認しておきましょう。

なぜ失敗してしまうのかを明らかにしておくことで、より良い節約方法を理解しやすくなります。

ちなみに一般的に節約というと「目に見えるもの」から手につけるのが普通かもしれません。たとえば以下のような節約はイメージしやすく、お手軽に始められる印象があります。

失敗がお約束のお手軽節約例
  • 食材の質を1ランク下げる
  • 晩酌のビールや発泡酒などを1本減らす、もしくは止める
  • つけっぱなしの照明やテレビなどをこまめに消す
  • お風呂のお湯の量を減らす
  • シャワーの時間を短く済ます
  • 暖房の設定を1度下げる、冷房を1度上げる

どれも節約につながるのは間違いなさそうですし、今すぐ始められる手軽さがあります。しかし上記のような節約は継続的な努力と、ちょっとしたガマンが必要です。

とくに食事の質を下げたり嗜好品をガマンしたりは幸福度を下げてしまい、節約モチベーション維持が難しくなります。

例えば「食事制限ダイエット」は短期的には効果が出やすいですが、反動でリバウンドしやすいですよね。

節約も同じことで、ガマンと努力が必要な節約は一時的には効果があるものの、どうしても挫折するパターンが多くなります。

失敗パターンに陥らないためには、次に解説する「自動的な節約」を身につけることが有効です。

成功しやすいパターンは「自動的な節約」

ガマンが必要な節約が失敗しやすいのに対し、「自動的な節約」は成功の確率がかなり高くなります。

ずばり目をつけるべきは「無意識に自動で支払われているお金」です。

「自動的な節約?そんな都合の良い話などあるわけない」と思われるかもしれませんが、ほとんどの家庭で実行できるネタは見つかります。

通帳を記帳してみて「なんでこんなにお金がないのか?」と思うことは、誰でも経験があることでしょう。

通帳からの自動引落しは支払っている感覚が薄いのでムダに気付きにくく、無意識に家計を脅かす危険な存在です。

おサイフに穴が空いているのと同じようなものですから、すぐにでも穴をふさぐ必要があります。

たとえば以下のようなものが、無意識に支払われる(余分な)お金にあたります。

  • 過剰な保険契約
  • 高額なキャリア携帯電話料金
  • 消費電力の高すぎる古いエアコンや冷蔵庫
  • 余剰な電力契約(アンペア)
  • 高金利の住宅ローンの高額な支払利息

これらは実行するまでに少々手間やお金がかかるため、やろうと思ってもやらない人が多くいます。

しかし一度やってしまえば、あとは自動的に節約できてしまうところが見逃せないポイントです。

また、どれも生活の質をほとんど下げずに節約できるものですから、途中で挫折する心配がありません。

最初はめんどうに感じても一つ実行するごとに明らかに支出が減るので、面白いようにやる気が湧いてきます。

例えるなら旧型スマホの機種変更のようなもので、手続きが面倒だけども変えてみたら最高に快適だったという感じです。

比較的効果が高い「自動的な節約」の具体例としては以下のようなものがあります。

節約ジャンル 節約方法 ワンポイント解説
契約の見直し ネット型自動車保険への乗り換え ネット型は比較的廉価なのに、顧客満足度は高い
過剰な保険の見直しや解約 健康保険があるので、意外と自己負担額は少なくても大丈夫
住宅ローンの借り換え 今まで一度も借り換えしていないなら、他銀行への借り換えで金利が下がる可能性あり
電力契約の見直し 契約アンペアの引き下げや「電力自由化」を活用
格安SIMに乗り換える 携帯キャリアよりも低価格なサービスが多い
節電 LED照明に取り替える 使用時間が長いリビングなどを中心に交換すると効果的
古いエアコンや冷蔵庫を買い替え 初期費用がかかるものの、電気代が下がることで数年以内に元が取れることも
電力消費の大きな暖房家電を見直す オイルヒーター、電気カーペット、電気ポットを止めてみる※エアコンが最も電気代が安い
不要サービスを解約 新聞を止める ネットニュースでも情報収集は十分可能
固定電話を解約する 携帯を持っているなら固定電話がなくても困らないことがほとんど
利用していない定額アプリやサービスを解約 通帳やクレジットカードの明細をチェックして、忘れている年会費や月額料金が引き落とされていないかを確認

一つひとつは月額にすれば数千円ほどの節約でも、10項目集まれば数万円の節約になります。

年間で考えれば数十万円の節約になりますし、10年後には節約額が数百万円にも達するわけです。

目の前のビールやちょっとした自分へのご褒美をガマンするよりも、まずは「自動的な節約」を試してみてください。

ガマンしないでお金が貯まるなら「やってみようか」という気持ちになるのではないでしょうか。

自動的な節約が身につくと自然とほかのムダ使いも減る

いくつかの自動的な節約を実行して軌道に乗ると、少しずつ貯金ができるようになります。

貯金が溜まってくると不思議なもので、もっと貯金がしたくなってくるものです。

すると自然と価値がある本当に必要なものだけを買うようになり、支出の感覚が研ぎ澄まされていきます。

このように自動的な節約だけにとどまらず、さまざまな方向へ相乗効果も期待できるのです。

収入を増やすためには

50代であれば、転職して収入を増やす……という人もいるかもしれませんが、ほとんどの人はそのままの年収をキープしていくと思います。

大幅に収入を増やすのは決して簡単ではありませんが、今の収入に多少のプラスをする程度であれば、意外とハードルは低いものです。

手軽に始められる副業

かつては副業を禁じる会社が大多数でしたが、近年では働き方改革の浸透もあって副業を許可するムードが広がりつつあります。

もちろん最初から数十万円かせぐというのは難しいですが、毎月の収入に数万円をプラスといったレベルなら、比較的手軽に実現できるでしょう。

お手軽な副業の代表例として、以下のようなものが挙げられます。

副業タイプ 副業の種類 ワンポイント解説
在宅系 クラウドソーシング 「ランサーズ」「クラウドワークス」「ココナラ」といったクラウドソーシングサイトで、手軽な仕事をインターネット上で受注可能
・飲食店やサービスの利用体験談を書く。
・アンケートに回答する
・ライティング(ブログ用記事などの執筆)
軽作業 簡単なものほど単価は低めだが、慣れるにつれてスピードアップできることが多い。
特技や趣味を活かした作業なら楽しみながらできるのでおすすめ。
・シール貼り
・ガチャガチャのカプセル詰め
・ポケットティッシュの広告封入
・各種袋詰め
・商品のバリ取りや汚れチェック
・アクセサリー組み立て
・宛名書き
アクティブ系 配達業 運転免許やバイクの免許などを持っていれば、バイク便や配達などの仕事を受けることが可能。
スマホアプリを活用したフードデリバリー代行サービス
(Uber Eatsなど)で、好きな時間に気に入った配達だけを請け負うこともできる。
雨の日など、競合の少ない時間帯を狙うことで効率的に稼ぐ人もいる。
チラシ投函 指定された地区の各家庭の郵便受けにチラシを投函する「歩合制」の仕事。
単価は高くないが、コツをつかむことで意外とまとまった報酬を得られることも。
デスクワークの方が運動不足解消を兼ねた働き方として密かな人気がある

本業が技術職であれば、大きな収入を得てフリーランスとして独立する方もいます。

しかし合わない副業やブラックな副業を選んでしまうと、消耗するばかりでまともに稼げないということになりかねません。

副業で成功するには、やはり「好き」や「得意」な分野で頑張るのが一番でしょう。

「お金が欲しい…」という状態から抜け出すための11の行動」では数ある副業の一部しか紹介できませんが、興味を持たれたなら副業を探してみてはいかがでしょうか。

いずれにしても自分の得意分野を見極めて、最適な副業を選ぶことが大切です。

中身のない高額な「情報商材」に注意

「毎日10分だけ!50万円稼ぐ方法教えます!」といった言葉で副業ノウハウを売りつける悪質なネット業者をよく見かけます。

そんなオイシイ話などあるわけないのですが、お金の話となると冷静に考えられなくなることは意外と多いようです。

数十万円も払い込んでみても、ほとんど役に立たないような文章を渡されて終わりといったことになりかねません。

副業の情報商材詐欺には十分に気をつけてください。

贈与税の減免制度を活用

高度経済成長とバブル経済期を過ごした今の50代の両親世代は、豊かな資産を築いていることも少なくありません。

世界トップレベルの長寿大国となった日本では、70~80歳代の両親はまだまだ壮健というケースは珍しくありませんが、そろそろ遺産(相続税)のことに関しても考えなくてはいけません。

また生前贈与となると、相続よりも厳しい贈与税が課される印象が強く、なかなか踏み切れないパターンも多いでしょう。

しかし教育資金や住宅資金など、一部の贈与に関しては非課税や大幅な控除などの制度があります。

たとえば両親から孫への教育資金の援助では、いろんな条件はあるものの、最大1,500万円もの非課税枠が用意されています。

孫世代へと1世代飛ばして贈与できるので、相続対策としても有効です。

上記の制度が利用できるのは令和3年3月31日までの教育資金贈与となっていますので、検討されるなら早めの行動が必要となってきます。

かわいい孫への教育資金を非課税で贈与できるとなれば、比較的お願いしやすくなるのではないでしょうか。

貯金が0の人は、まずは100万円を貯めるのがスタートライン

現時点で貯金がない、あるいは極めて少ないような場合には、ある程度まとまった金額を貯金するところから始める必要があります。

先に解説した節約や収入アップで家計にゆとりができても、貯金ができなければ意味がありません。

こちらでは家計に余裕ができた分を確実に貯金する方法について解説します。

100万円を達成するには定期積金がベスト

結論から言ってしまうと、最初の目標としては100万円を設定するのがおすすめです。

100万円は達成感が感じられる上、万が一の備えとしても一定の評価ができる金額だからです。
もちろん、各自の状況に応じて50万円や200万円といった目標に調整してください。

100万円を貯める方法で、一番おすすめなのが「定期積金」です。

時代遅れに感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、これ以上にシンプルで確実な方法はありません!

定期積金とは

毎月決められた金額を積み立てていく定期的な預金のことで、通帳から毎月指定日に一定のお金が自動引き落としでつみたて貯金できます。

契約時に引き落とし金額と積立月数を設定できるので、目標金額の達成時期が事前に確定可能です。

たとえば100万円を3年間で積み立てたいなら、毎月2万8,000円を積み立てれば3年で100万8,000円貯まります。

目標期間&達成期間別の毎月必要な積み立て金額

達成期間 積立目標金額
50万円 100万円 200万円
3年 1万4,000円 2万8,000円 5万6,000円
4年 1万1,000円 2万1,000円 4万2,000円
5年 9,000円 1万7,000円 3万4,000円

100万円というと手が届かない金額に感じてしまう方も多いかもしれませんが、コツコツと積み立てることで意外とハードルは下がることがわかります。

また定期積金には以下のような4つのメリットがあります。

定期積金の4つのメリット
  • 自動的に預金から引き落としで積み立てできるので、手間を掛けずに着実に貯まる
  • 通帳に余分なお金が残らないことで、ムダ使いしなくなる
  • 目標がはっきり見えるので、前向きな気持で頑張りやすい
  • いざという時には中途解約して現金化できるので、万が一の際の備えとしても有効

定期積金は元本保証ですし、シンプルな預金サービスですから誰にでも安心しておすすめできます。

ただし定期積金にも以下のような3つの注意ポイントがあります。

定期積金の3つのデメリット
  • 金利が極めて低いので、利息にはまったく期待できない
  • 金額を欲張りすぎると途中で挫折しやすい
  • 中途解約してもほとんど損しないので、ある程度の継続の意思の強さが求められる

定期積金は現金化しやすいので、万が一にお金が必要になった時にすぐに使えるというメリットとなります。

中途解約すると、ペナルティーとして受取利息が減らされるものの、元々の利息が微々たるものですから、ほとんどダメージが感じられません。

また、中途解約グセがついてしまうと定期積金の意味が無くなってしまうので、本当に必要な時以外は解約しない強い意思も大切です。

100万円超の預金があるなら資産運用をスタート!

上記の方法で100万円が貯まったら、定期積金の次の段階に移行しましょう。

定期積金は元手のお金を貯めるのには最適ですが、利息がほとんど0のため資産運用の役には立ちません。

そして、資産運用には貯まった100万円を利用するのではありません。

100万円はいざという時に備えてそのまま定期預金などで確保しておき、定期積金のために充てていた毎月の掛金を投資に回すスタイルがおすすめです。

定期積金の代わりとなる投資商品としておすすめなのが、つみたてNISAや確定型確定拠出年金のiDeCo(イデコ)といった制度です。

どちらも定期積金のように毎月一定額を積み立てますが、投資信託などで資産運用する点が定期積金と大きく異なります。

また「所得控除」や「運用益非課税」など、国が認める優遇制度が利用できるのが大きな魅力です。

元本保証にこだわらずある程度は積極運用するべき

つみたてNISAやiDeCoの投資先には元本保証のものもありますが、リターンがほとんど期待できないので、あまりおすすめはできません。

元本保証がないことを絶対避けたいという方が日本では意外なほど多いのですが、多少はリスクを取らないと有効な資産運用は事実上不可能と思ったほうが良いでしょう。

積み立て型の投資商品は毎月一定額を小分けに投資する(ドルコスト平均法)ということだけで、リスクを抑制する効果があります。

また投資先もアクティブ過ぎない、リスクがある程度抑えられた商品を選べば、そこまで心配しなくてもOKです。

投資への熱中しすぎに気を付けて

投資で成果が出始めると、どんどん投資にお金を回したくなるものです。

しかし日常生活の中で、いつまとまったお金が必要になるかわかりません。

たとえばiDeCoでは一度駆け込んだ掛け金は、原則として期日が到来するまでは一切引き出しができません。

普通預金や定期預金など、いつでも現金化できる資産として100万円程度はキープしておくことをおすすめします。

まとめ

こちらの記事では、お金のない50代ができる対策を中心に解説しました。最後にもう一度、大切なポイントを振り返ります。

  • その人の環境やタイプでおすすめの貯金方法は異なる。まずは「貯金体質」になることは重要
  • 貯金体質になるための鉄則は「支出を減らす」「収入を増やす」「貯金を殖やす」の3つ
  • ガマンする節約は失敗しやすく、自動的な節約が成功の秘訣
  • 貯金が0円の方は定期積金で100万円を貯めるところからスタート
  • 100万円貯まったら、いよいよ資産運用にチャレンジ

これらのことを理解していただくことで、貯金ゼロの状態からどのようにお金を貯めるべきかイメージできるようになったことでしょう。

漠然とした不安がつのる世代だからこそ、正しい方法でしっかりと貯金をできる体制を作り、お金がないという事態が起こらないようにしてください。

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