不動産担保ローンは即日融資できるの?できる限り早く資金を調達する方法は?

まとまった資金が急に必要になったとき、どのような方法があるでしょうか。

必要な金額にもよりますが、借入額や金利、返済期間の長さなどの条件を考えると、不動産担保ローンを利用したいと考える方も多いでしょう。

では、不動産担保ローンは即日融資に対応しているのでしょうか。また、カードローンの即日融資との相違点はあるのでしょうか。

本稿では、即日融資に対応している不動産担保ローンをご紹介したうえで、利用する前に知っておくべき注意点などについて解説します。

即日融資に対応してくれる不動産担保ローン

即日融資対応の不動産ローン業者を中高年消費者に紹介するFP

不動産担保ローンの取扱業者で、即日融資に対応してくれるのは以下の4つの業者です。

  • 日宝
  • トラストホールディングス
  • ユニバーサルコーポレーション:アイアイ個人向け不動産担保ローン
  • 三鷹産業:不動産担保ローン

それぞれの業者のデータを見てみましょう。

日宝

融資金額 50万円~5億円
金利(年率) 4.0%~9.9%
返済期間 1カ月~30年
資金使途 自由
融資までの期間 当日から1週間以内での融資可能

法人・個人を問わず利用可能な不動産担保ローン。

トラストホールディングス

融資金額 100万円~10億円 ※10億円以上は要相談。
金利(年率) 3.45%~7.45%
返済期間 1カ月~30年
資金使途 自由
融資までの期間 最短即日での融資も可能

借地権、底地権、共有持分、第二・第三抵当でも相談可能。

ユニバーサルコーポレーション:アイアイ個人向け不動産担保ローン

融資金額 最高5,000万円
金利(年率) 4.0%~10.95%
返済期間 最長35年以内
資金使途 自由
融資までの期間 最短即日での融資も可能

日本全国対応可能。最短3時間で審査、融資まで最短10分とスピーディな対応。

三鷹産業:不動産担保ローン

融資金額 50万円~1億円
金利(年率) 5.0%~15.0%
返済期間 10年以内
資金使途 自由
融資までの期間 最短即日での融資も可能

抵当順位も問わず、契約時の調査手数料、事務手数料、解約手数料など一切不要(登記費用はかかります)。

来店が難しい人向けに、ご希望の時間・場所に配達してもらうことも可能です。

不動産担保ローンで即日融資が難しい理由

不動産担保ローンの即日融資できる評価の難しさを説明するFPと青ざめる中高年消費者

上記で紹介した不動産担保ローン取扱業者は即日融資に対応していますが、逆に言えばそれ以外の業者はそもそも即日融資が出来ないということになります。

また、即日融資に対応している業者であっても、申込時間や担保不動産の内容、状況などによっては審査に日数を要することもあります。

では、なぜ不動産担保ローンの審査には時間がかかるのでしょうか。

不動産担保ローンとカードローンの最大の相違点は、前者では「担保とする不動産の評価」が必要だということです。

カードローンの場合、年収や勤続年数、勤務形態、現在の借り入れ額や過去の返済履歴など、個人に関わる要素をスコアリング評価して貸し出し可能額を決めています。

各項目にあらかじめ点数配分がされていますので、その人の総合点数を割り出せばすぐに貸し出しの可否や金額が決められるというシンプルな仕組みです。

一方、不動産の担保評価はそういうわけにはいきません。土地の大きさや形状はもちろん、間口の広さ、接道の向き、前面道路が公道か私道か、また道路種別は何か、隣地との越境の有無、建物の構造や築年数、など、注意すべき点はいくつもあります。

不動産は個別性の強い資産であるがゆえに、審査は慎重に行われるのです。現地調査を必須としている業者も多いですが、不動産は現地を確認しないことには正確な調査ができないからでしょう。

ということは、現地調査をするために必然的に時間がかかってしまうということになります。これが不動産担保ローンの審査が遅い最大の理由だと言えます。

また、カードローンと比較して貸出金額が大きくなる分、より慎重かつ丁寧な審査をしているということも言えます。

いずれにせよ「不動産の評価」というワンステップが増える分、審査に時間がかかると考えておいてください。

絶対に即日で融資を受けたいなら消費者金融カードローンを選択

不動産担保ローンの審査に時間がかかることは前項でご説明した通りです。望ましいのは時間的に余裕を持って申し込みをするということですが、そうも言っていられない状況もあるものです。

切迫した状況で、即日融資に対応している不動産担保ローンの利用を検討するのも一つの方法ですが、確実性に乏しいということは念頭に置いておかねばなりません。

担保目的の不動産によっては、より慎重な調査を必要とするケースもあるでしょう。また、調査に必要な書類に不備がある場合などは審査以前の段階で止まってしまうこともあります。

どうしても急ぎでお金が必要な場合は、よりスピーディに融資を受けられる消費者金融カードローンを利用するという選択肢もあります。

カードローンは無担保の融資ですので、審査にかかる時間が圧倒的に短く、最短20分程度で融資を受けることも可能です。

消費者金融カードローン 融資限度額 金利
プロミス 最大500万円※ 年4.5%~17.8%
アコム 最大800万円 年3.0%~18.0%
アイフル 最大800万円 年3.0%~18.0%
レイク 最大500万円 年4.5%~18.0%
SMBCモビット 最大800万円 年3.0%~18.0%

※新規契約時の融資上限:本審査により決定となります。

上記は消費者金融系カードローンの一例です。

不動産担保ローンと違い、融資の限度額が低く、金利が高めに設定されています。これは、カードローンが無担保ローンであるがゆえのデメリットです。

また、融資限度額はあくまでも最大金額の表示であって、必ずしもすべての人が限度額まで利用できるというものではありません。

消費者金融系カードローンは総量規制の対象ですので、借入限度額は「年収の3分の1」となります。仮に年収が500万円だとすると、最大借入可能額は約166万円となります。

不動産担保ローンの利用検討者にとって、カードローンの借入限度額は十分でないと感じられるかもしれません。

カードローンの最大の利点は、資金調達までのスピードが速いという点ですので、一旦つなぎ融資としてカードローンを利用し、並行して不動産担保ローンの審査を進めるのも一つの方法ではないでしょうか。

不動産担保ローンで即日融資を受けるための注意点

即日融資を受けるための注意点を項目で説明する女性行員

不動産担保ローンで即日融資を受けるために注意すべきことは、当然ですが即日融資に対応している業者を選ぶということです。

その上で、審査がスムーズに進むように事前に準備をしておくことが必須でしょう。具体的には、下記の点に注意する必要があります。

即日融資を受けるための注意点
  • 申込みに必要な事項(本人情報、勤務先情報など)をあらかじめ揃えておく
  • 必要書類を準備しておく(別項でご説明します)
  • アップロードする写真データは鮮明なものを用意する
  • なるべく早い時間に申し込む

申込は可能な限り早く!

すでにご説明した通りですが、不動産担保ローンの審査には時間がかかります。「最短1時間」などの謳い文句があっても、現実的にはそれ以上にかかると考えておいた方が良いでしょう。

カードローンの審査では勤務先への在籍確認が行われますが、不動産担保ローンの場合、それ以外に不動産の評価のために審査担当者から電話連絡や、現地調査を含めた面談を求められることもあります。

そこで審査に必要な情報や担保不動産に関することなどを聞取り調査されますので、的確に受け答えができるかどうかによっても審査スピードに影響します。

また、審査が当日中に完了したとしても、実際の入金はローン事業者や金融機関の営業時間にも左右されます。

融資金の送金手続きや、着金確認まで当日中に希望するのであれば、少しでも早い時間に申し込みをすることが重要でしょう。

必要書類の準備は完璧に

不動産担保ローンの審査をスムーズに進めるために、必要書類を事前に準備しておくことが重要です。

不動産担保ローン事業者によって多少の違いはありますが、おおよそ以下のような書類が必要になります。

申込者本人にかかわる書類

属性 必要書類
個人(会社員・公務員)
  • 身分証明書(運転免許証・健康保険証・パスポートなど)
  • 収入証明書(源泉徴収票、住民税決定通知書など)
  • 印鑑証明書
  • 返済予定表(ほかの借入がある場合)
個人事業主
  • 身分証明書(運転免許証・健康保険証・パスポートなど)
  • 収入証明書(確定申告書など)
  • 印鑑証明書
  • 返済予定表(ほかの借入がある場合)
法人
  • 履歴事項証明書(法人登記簿謄本)
  • 定款
  • 決算申告書
  • 法人の印鑑証明書
  • 代表者の身分証明書(運転免許証・健康保険証・パスポートなど)
  • 代表者の印鑑証明書
  • 返済予定表(ほかの借入がある場合)

※保険者番号、被保険者記号・番号、通院歴、臓器提供意思確認欄に記載がある場合はマスキングしてお送りください。

担保不動産に関わる書類

書類の名称 入手先 備考
登記事項証明書(登記簿謄本)土地・建物分 法務局
公図 法務局
地積測量図 法務局 ない場合もある
建物図面 法務局 ない場合もある
間取り図 購入時の資料など
評価証明書 市役所・区役所
住宅地図
登記識別情報通知書
(権利証)

上記はあくまでも一例であり、基本的な書類を記載してあります。

申込者本人に関するものとしては、本人確認書類と収入証明、申込者が法人なら法人の登記簿謄本と決算書が必須です。

また法人の場合は代表者が連帯保証人になる必要があるケースがほとんどですので、代表者に関する書類も必要となります。

不動産に関する書類のうち、評価証明書以外は基本的に法務局で取得することができます。

建物図面や地積測量図などは物件によってそもそも存在しないこともありますので、ない場合はないと申告しましょう。

間取り図は手元に購入時の資料などが残っていればいいのですが、ない場合はその旨を申し出てください。電話でのヒアリングで済む場合もあれば、現地調査時に作成してもらうこともあります。

評価証明書は市役所、区役所などで取得できますが、自治体によっては毎年4月に来る固定資産税の納付書に課税明細書が同封されていることもあります。

この場合は課税明細書で代用することもできますので、手元にあるかどうか事前に確認しましょう。

なお、赤字で記載した書類(印鑑証明書、登記識別情報通知書(権利証))は、審査時点では必要ありませんが、審査後の契約時点で必要です。

とくに権利証は日常使用するものではないので、どこに保管しているか分からないという方も少なくありません。

即日融資を希望するのであれば、すぐに提出できるようにあらかじめ準備しておきましょう。

即日融資対応の不動産担保ローンのデメリットも確認

即日融資対応できる不動産担保ローンのデメリットの確認を促すFP

即日融資対応の不動産担保ローンにもデメリットはあります。

審査が早いということは、審査する側の立場から見ると、担保不動産の価値を短時間で評価しないといけないことになります。当然、貸し倒れのリスクを避けなければなりませんので、担保価値を低めに見積もることになります。

もしも住宅ローンなど別の借入が残っていた場合、評価額よりも借入残高が大きい場合には不動産担保ローンの利用が難しいと言われることもあります。

このように、評価額は実際の借入可能額に大きく影響しますので、場合によっては致命的なデメリットになることもあるのです。

また、ゆっくりと比較検討する余地がない状況のなかで、金利の面でも不利な条件を突き付けられることもあるでしょう。

借入額が1000万円、返済期間が20年として、金利9.0%と10.0%で比較しても、支払い利息は約156万円も差が出ます。

借入金額が大きくなればなるほど、また返済期間が長ければ長いほど、金利の負担がより重くのしかかってきますので、この点には注意が必要です。

まとめ

不動産担保ローンで即日融資を希望するのは、業者が限られ、かなりハードルが高いと言えます。

さらに、即日融資に対応しているローン商品であっても、必ずしも当日中に資金が確保できるとは限りません。必要書類でつまづいたり、不動産評価で手間取ったりと、想定以上に時間がかかることも十分考えられますので、やはりある程度余裕をもって申し込むに越したことは無いでしょう。

また不動産担保ローンの場合には、通常のカードローンなどと異なり「担保とする不動産を評価する」時間が必要です。

この不動産評価には現地調査を必要とすることも多く、即日のうちに評価するのは難しいといえます。

不動産担保ローンで即日融資を行う場合、担保となる不動産の評価が低めになってしまったり、融資する際の金利が高くなってしまったりというリスクがあることも知っておいてください。

不動産担保ローンは即日融資に不向きであることは否めませんが、準備次第で速やかに融資を受けられる商品もあります。

限られた時間の中でもより有利な選択肢を選ぶようにしてください。