不動産担保ローンの手数料は「借入時」と「返済時」の2種類あり!金額相場も紹介

不動産担保ローンの利用を検討している方にとって、どのような費用がいくら位かかるのかということは重要な問題です。

商品を検討する上でも、どのような費用がかかるのかが分からなければ正確な比較ができないでしょう。

本稿では、そもそもどんな費用が掛かるのか、それはどれくらいの金額になるのか、いつ必要なのかなどについてご紹介します。

不動産担保ローンの手数料一覧!

不動産担保ローンに必要な手数料を説明する女性行員と手数料の多さに悩ましめな男性消費者

不動産担保ローンにかかる諸費用には、次のようなものがあります。まずは一覧表をご覧ください。

借入時に発生する諸費用・手数料 返済時に発生する諸費用・手数料
・事務手数料(事務取扱手数料)
・保証料(保証委託事務手数料)
・印紙税
・登記費用(登録免許税)
・登記費用(司法書士報酬)
【必要により発生】
・火災保険料
・不動産査定費用
・抵当権抹消費用
(司法書士報酬)
・事後謄本
・交通費
・通信費(郵送)
・一部繰上返済手数料
・全額繰上返済手数料
・金利タイプの変更手数料
・条件変更手数料
・抵当権抹消費用
(司法書士報酬)

上記の通り、不動産担保ローンの諸費用には借入時に発生するもの、返済時に発生するものに分かれます。

さらに、借入時に発生するものの中には、必ず発生する費用と、契約する条件や金融会社により発生する費用に分かれるなど、実にさまざまな種類の費用があります。

それぞれの費用の内容や相場については、次項で詳しくご説明します。

不動産担保ローン借入時に発生する手数料について

借入時に必要な手数料の確認をすすめるFP

事務手数料(事務取扱手数料)とは

事務手数料は、不動産担保ローンの取り扱い会社に支払う手数料を指します。

事務取扱手数料、契約事務手数料など、名目は金融機関によってさまざまですが、内容は同じです。

金額は金融機関によってかなり差があり、1件あたり10万円という固定形式の場合もあれば、借入金額の○%という場合もあります。相場としては、借入金額の2.0%程度が多いでしょう。

仮に、借入金額が1000万円だとすると、事務手数料率が2.0%なら20万円になります。

諸費用の中でも負担の大きい部分、かつ金融機関によって差が出る部分ですので、不動産担保ローンの商品選択時には注意が必要です。

保証料(保証委託手数料)とは

不動産担保ローンでは、人的な保証(=連帯保証人)を必要としないケースが一般的ですが、その代わりに保証会社の保証を必須条件としているものが多いです。

その保証会社に支払う費用が「保証料」です。

これも保証委託事務手数料、保証委託手数料など、名称は金融機関や保証会社によって変わりますが、実体としては同じようなものです。

保証料は借入金額に応じて料率を掛けるのが一般的ですが、相場としては2.0%程度となっています。

なお、事務手数料と保証料には相関関係がみられ、事務手数料が高い場合は保証料が不要となっていたり、反対に事務手数料が安くても保証料が高いというケースもあります。

「保証料不要!」などの文言だけで判断せずに、どういった名目の費用がいくらかかるのか、トータルのコストはいくらになるのかを冷静に確認する必要があります。

参考までに、事務手数料と保証料の料率を一部ご紹介します(手数料の名称は同じではありません)。

金融機関 事務手数料 保証料
住信SBIネット銀行 0.88% 1.32%
楽天銀行 2.20% なし(金利に含む)
三井住友トラスト
L&F
2.20% なし(金利に含む)
関西みらい銀行 5万5,000円~11万円 3万8,500円

※金額・金利は税込み表示です

印紙税とは

印紙税とは

契約書や領収書などの課税文書に対して課される税金を指します。

不動産担保ローンの場合、金融機関と「金銭消費貸借契約」を締結することになりますので、課税文書である「金銭消費貸借契約書」を作成し、借入金額に応じた印紙税を納めなければなりません。

なお、WEB契約(電子契約)の場合、課税文書の「作成」にあたらないという国税庁の見解から現時点では印紙税不要となっていますが、不動産担保ローンの取り扱い金融機関がこれに対応していませんので、実務上は避けることができない費用と考えて下さい。

今後、状況が変われば印紙税不要のローン商品が出るかもしれませんし、反対に電子契約にも印紙税が課税されるようになるかもしれません。

印紙税の金額については以下の表をご覧ください。

不動産担保ローンの契約金額 印紙税額
1万円以上~10万円以下 200円
10万円超~50万円以下 400円
50万円超~100万円以下 1,000円
100万円超~500万円以下 2,000円
500万円超~ 1,000万円以下 1万円
1,000万円超~5000万円以下 2万円
5,000万円超~1億円以下 6万円
1億円超~5億円以下 10万円

登記費用とは

不動産担保ローンでは、不動産を担保として差し入れることになります。

「担保にする」ということは、不動産登記簿に「抵当権の設定をする」ことです。抵当権を設定するときには登録免許税を納めなければなりません。

また、抵当権の設定は司法書士が行いますので、司法書士に対する報酬も必要になります。実務上は登録免許税、司法書士費用を含めて「登記費用」と呼んでいます。

司法書士報酬

抵当権設定にかかる司法書士報酬の相場は3~5万円程度です。

不動産の数(土地が複数に分かれている場合はその数、建物の数)が増えれば、それに応じて金額は上がります。

また、設定金額が大きくなれば司法書士報酬も高くなる傾向があります。

抵当権設定費用(登録免許税)

抵当権設定にかかる登録免許税は、「設定金額(借入金額)の0.4%」です。

▼不動産担保ローンの抵当権について知りたい方はこちらの記事をチェック

建物を担保にするなら火災保険料も必要

担保にする不動産が建物の場合、火災保険への加入が必要になります。

すでに火災保険に加入している場合は、新たに入りなおす必要はありませんが、金融機関によっては火災保険への「質権設定」を要求してくるケースもあります。

質権設定すると、万一火災で建物が焼失した場合、金融機関が保険金を受け取るということになります。金融機関は担保としていた建物の代わりに保険金で債権を回収するという仕組みです。

質権設定まで求めない場合でも、火災保険への加入と保険証券の写しの提出は基本的に必須です。「基本的に」と言ったのは、建物の担保価値がないと判断された場合(土地値で評価された場合等)には火災保険の有無を問われないこともあるからです。

火災保険へ新規加入する場合は、建物の種別(木造かもしくは、鉄筋コンクリート造など)、床面積、補償内容(特に水災補償を含むか否か)、地震保険の有無などによって保険料は大きく変わります。

木造住宅で水災補償あり、地震保険あり、
10年契約(地震保険は最長5年毎)の場合
25~30万円程度
鉄筋コンクリート造で水災補償なし、地震保険なし、10年契約の場合 10万円程度

上記はあくまでも参考例ですが、補償内容によって保険料が調整できることは覚えておくと良いでしょう。

ただし、実際に保険事故が起こったときに保険金が下りないと困りますので、保険料の高い安いだけで判断せず、必要な補償を適切にカバーすることが重要です。

なお、更地などの土地のみを担保とする場合は火災保険は必要ありません(そもそも加入できません)。

必要に応じて発生する費用について

不動産担保ローンの手数料一覧でご紹介したその他の「必要により発生する諸費用・手数料」についても補足でご説明します。

不動産調査費用

金融機関によっては、担保予定不動産の担保価値を査定するための費用がかかる場合があります。

この場合は、「不動産1件につき10万円」、「融資金額の0.5%」など、ローンの商品概要書に費用の記載がありますので事前に確認しましょう。

抵当権抹消費用(司法書士報酬)

担保予定不動産に別の抵当権が設定されているケースもあります。残債が残っているのであれば2番以下抵当での借入となりますので、抵当権抹消の必要はありません(正確には抹消できません)。

しかし、すでに完済し終わっているにも関わらず抵当権を抹消せずに放置している場合は、新規借入までに抵当権の抹消を求められます。

抵当権抹消にかかる司法書士報酬の相場は3~5万円程度です。ただし、抹消書類を紛失している場合は、数万円費用が余分にかかりますのでご注意ください。

事後謄本

登記手続きが完了した後(不動産担保ローンの利用であれば、抵当権設定後)に取得する登記簿謄本(登記事項証明書)を「事後謄本」、「後謄本」といいます。

手続き上取得しなければならないものではありませんが、登記手続きが正しく完了していることを確かめるために取得することもあります。

司法書士費用に含まれていることもありますので、登記手続き費用の明細を確認しましょう。

本人が法務局で書面請求する場合は、1通あたり600円です。

交通費

自分が金融機関等へ出向くときの交通費はもちろんですが、司法書士が手続き時に立会いする時にも交通費がかかります。

交通費等々の雑費に関しては、こちらが負担することもあれば、不動産担保ローンの会社が負担してくれる場合などマチマチです。まず、どちらの負担になるのか確認しておいてください。

金融機関によっては司法書士を指定してくる場合もありますが、自分で選べるときはあまり遠方の司法書士に頼まない方がいいでしょう。

通信費(郵送費)

書類の送付や、司法書士からの郵送物にかかる費用です。

状況にもよりますが、1,000円程度で収まるケースがほとんどでしょうから、資金計画に影響を与えるほどではありません。

不動産担保ローンで発生する諸費用シミュレーション

諸費用がどれくらいになるかのシュミレーションをボードで示す女性行員

実際にどれくらいの諸費用が掛かるのか、実際に手にする金額がどの程度になるのかをシミュレーションしてみましょう。

共通の条件を以下とします。

  • 事務手数料:2.2%(税込)
  • 保証料:なし
  • 登録免許税:0.4%
  • 司法書士報酬:5万円(税込)
    (3,000万円以上の場合、10万円とする)
  • 火災保険:加入済み
  • 調査費用:なし

(ケース1)借入金額100万円
事務手数料:100万円 × 2.2% =2万2,000円
登録免許税:100万円 × 0.4% =4,000円
印紙税:1,000円
司法書士報酬:5万円

合計:7万7,000円(諸費用率7.7%)
融資実行後の手取り額 100万円 - 7万7,000円 =92万3,000円

(ケース2)借入金額500万円
事務手数料:500万円 × 2.2% =11万円
登録免許税:500万円 × 0.4% =2万円
印紙税:2,000円
司法書士報酬:5万円

合計:18万2,000円(諸費用率3.64%)
融資実行後の手取り額 500万円 - 18万2,000円 =481万8,000円

(ケース3)借入金額1000万円
事務手数料:1000万円 × 2.2% =22万円
登録免許税:1000万円 × 0.4% =4万円
印紙税:1万円
司法書士報酬:5万円

合計:32万円(諸費用率3.2%)
融資実行後の手取り額 1,000万円 - 32万円 =968万円

(ケース4)借入金額5,000万円
事務手数料:5,000万円 × 2.2% =110万円
登録免許税:5,000万円 × 0.4% =20万円
印紙税:2万円
司法書士報酬:10万円

合計:142万円 (諸費用率2.84%)
融資実行後の手取り額 5,000万円 - 142万円 =4,858万円

上記のように、借入金額が大きくなるほど諸費用の占める割合が小さくなります。反対に言えば、少額の借入では諸費用の負担が大きくなるのです。

ケース1のように、100万円の借入に対して7.7万円の諸費用を払うのは経済的とは言えません。

この場合は、カードローンなどの無担保ローンの方が金利は高くてもトータルコストは抑えられる可能性が高いです。

ローン商品選択時には、金利の数字だけで判断することなく、諸費用も含めて検討する必要があるでしょう。

不動産担保ローン返済時に発生する手数料について

返済時に必要な手数料の確認をすすめるFP

一部繰上返済手数料とは

返済中に繰上げ返済をする場合、手数料が発生することがあります。

繰上げ返済には、「一部繰上げ返済」と「全部繰上げ返済(繰上げ完済)」がありますが、費用に差を設けていることもあれば、同じということもあります。

また、返済開始から何年以上経過していれば無料、何年未満なら有料返済期間に応じて料率が変わるというケースもあります。

実際の手数料規定を一部ご紹介します。

金融機関 一部繰上げ返済手数料
住信SBIネット銀行 繰上げ返済額の3.143%(税込)
楽天銀行 無料
三井住友トラストL&F 繰上げ返済する元金の3%以内
東京スター銀行 借入期間5年以内:返済元金の1.10%(税込)
借入期間5年超:返済元金の0.55%(税込)

全額繰上返済手数料とは

返済期間の満了を待たずに全額返済することを全部繰上げ返済(繰上げ完済)と言います。

こちらの手数料も調べてみましたが、以下の表のように、一部繰上返済手数料と同じです。

金融機関 全部繰上げ返済手数料
住信SBIネット銀行 繰上げ返済額の3.143%(税込)
楽天銀行 無料
三井住友トラストL&F 繰上げ返済する元金の3%以内
東京スター銀行 借入期間5年以内:返済元金の1.10%(税込)
借入期間5年超:返済元金の0.55%(税込)

金利タイプの変更手数料とは

変動金利や固定金利などの金利タイプの変更が可能な場合、変更に際して一定の手数料が必要となることがあります。

1回につき1~3万円程度が相場です。

条件変更手数料とは

金利タイプ以外にも、返済条件等を変更する場合には、同じく手数料が必要となります。

1回につき5,000円~3万円程度が相場です。

不動産担保ローン手数料を安く抑える方法はある?

費用を抑えたい男性消費者と方法の検討を示すFP

所定の費用を減額交渉することはできませんので、諸費用を少しでも安く抑えたいのであれば、商品概要書を事前に比較検討することが重要になります。

また、繰上げ返済等の予定があるのであれば、繰上げ返済手数料の比較も忘れてはなりません。ご自身の利用計画を明確にし、その上で費用を最小に抑えられる商品を選択しましょう。

一般的に不動産担保ローンはカードローンよりも金利が低いのですが、その分諸費用の負担が発生してしまいます。

借入金額によってはカードローンの方が有利になるケースもありますので、視野を広げて検討することも考えましょう。

▼不動産担保ローンの返済について詳しくはこちらの記事をチェック

まとめ

以上、不動産担保ローンの諸費用についてご紹介しました。

  • 諸費用の中で差が出るのは事務手数料、保証料である
  • 事務手数料と保証料には相関関係がみられるが、トータルの費用で比較することが大切
  • 印紙代、登記費用も必須だが、あまり差のでる部分ではない
  • 状況によっては、火災保険料、抵当権抹消費用等がかかることもある
  • 調査料の有無も事前に確認しよう
  • 繰上げ返済や条件変更の手数料も契約前に比較検討しよう

金利だけにとらわれず、トータルコストを正しく比較することが重要です。落ち着いて検討するようにしましょう。