恐らく人が生きていく上で、マイホームに次いで高い買い物が車ではないでしょうか。
現金一括で購入できればそれが一番の理想なのでしょうが、現実問題なかなかそうはいきません。
多くの人がなんらかの方法でローン契約を結んで車を購入しています。
車のローンにはいくつかの種類がありますが、新車を購入する際に販売店でおすすめされるのは、一般的なマイカーローン(ディーラーローン)です。
ただし、最近では、残価設定ローンを提案されることも増えてきました。
残価設定ローンは、「月々○千円から購入できる!」、「新車が半額で購入できる!」などの触れ込みで、ここ数年注目を集めています。
そこで今回は、残価設定ローンがマイカーローンよりもお得か否か、それぞれの特徴、メリットやデメリットを比較しながら、詳しく検証していきたいと思います。
▶マイカーローンの選び方についてはこちら
残価設定ローンの特徴
近ごろは注目を集めているといえども、まだまだ馴染みの薄い残価設定ローン。
その仕組みについて詳しく知ることで、普通のマイカーローンとの違いもおのずと見えてくるはずです。
そもそも残価設定ローンって何?
残価設定ローンとは、車の購入価格からローン終了時に想定される車の買取り額(残価)をあらかじめ差し引き、その金額でローンを組む契約のことです。
つまり、残価設定プラン36回ローンで200万円の新車を購入し、3年後の買取り額が100万円と設定されているなら、
200万円(購入額)- 100万円(残価)= 100万円(実際にローンを組む金額)
という計算になり、200万円の車を実質100万円のローンで購入できることになります。
ですから、月々の支払額も数千円にも抑えることが可能なのです。
そして順調に返済が終われば、
- 新たに残価設定ローンを組み、新車に乗り換える
- 販売店に返却する
- 残価を支払って車を自分のものにする
この3つの中から、どうするかを選ぶことになります。
マイカーローンと残価設定ローンそれぞれのメリット、デメリット
普通のマイカーローンと残価設定ローン、どちらがよりお得なのかを見極めるためには、それぞれのメリット、デメリットについて知る必要があります。
- 残価設定ローンのメリット
-
- 月々の支払いを抑えられる
- 頭金ゼロ・ボーナスゼロで購入できる
- 簡単に次の車へ乗り換えられる
- 買取り価格を保証してもらえる
- 普通のマイカーローンのメリット
-
- ローンを短期間で終わらせられる
- 支払総額を抑えられる
- 自分の車にできる満足感
- 好きなようにカスタムできる
- 違うメーカーの車にも乗り換えがしやすい
残価設定ローンのメリット
月々の支払いを抑えられる
月々3千円~なんていうプランもあります。
あまり車にお金をかけられない人でも、これなら気軽にマイカーを持つことができます。
頭金ゼロ・ボーナスゼロで購入できる
支払い期間を長期に設定すれば、月々の負担を軽くすることができます。
簡単に次の車へ乗り換えられる
ローン期間が終了後、また新たに残価設定ローンを組めば、同じように月々の支払いを抑えながら新車を購入することができます。
買取り価格を保証してもらえる
中古車買い取りの査定額は変動するものですが、残価設定ローンならローン期間終了時の買取り価格は最初から保証されています。
普通のマイカーローンのメリット
ローンを短期間で終わらせられる
頭金やボーナス払いを設定することによって、短期間で支払いを終えることができます。
支払総額を抑えられる
残価設定プランの支払い回数によっては、普通のローンがお得なこともあります。
自分の車にできる満足感
ローンを完済すれば、その時点で所有権を自分のものにできます。
好きなようにカスタムできる
買取りを前提としていないので、好きなようにカスタムしても問題ありません。
違うメーカーの車にも乗り換えがしやすい
残価設定のような縛りがないので、好きなメーカーの車にも乗り換えられ、その際に下取り車として利用できます。
残価設定ローンのデメリット
- 残価設定ローンのデメリット
-
- 利用できる車種が限られている
- ローン期間終了時の選択は待ったなし
- 残価に対しても利息が発生する
- 走行距離に制限がある
- 引き取りを拒否されることも
- 普通のマイカーローンのデメリット
-
- 月々の負担が大きい
- 車検やメンテナンスなどの金銭的負担
- 頭金がゼロだと厳しい
利用できる車種が限られている
車種やグレードによっては利用できないことがあります。
ローン期間終了時の選択は待ったなし
ローン期間が終了すれば、「乗り換え・売却・買取り」この3つの内1つを選択しなくてはなりません。
事情があろうともその時期は動かせないので、前もって準備をしておく必要があります。
残価に対しても利息が発生する
残価に対しても利息は発生しますが、買取りを選択し再度ローンを組み直した場合も同様です。
これでは二重に利息を支払うのと変わりません。
走行距離に制限がある
月に1000km以内など走行距離にも制限が設けられており、超過するとローン終了時に追加料金が発生します。
引き取りを拒否されることも
事故などで車体に損傷があると引き取りを拒否されることもあります。
自分でカスタマイズした場合も同様です。
普通のマイカーローンのデメリット
月々の負担が大きい
頭金やボーナス払いを設定しないと、月々の支払いはかなり厳しくなってしまいます。
車検やメンテナンスなどの金銭的負担
定期的にまとまったお金を用意する必要があります。
頭金がゼロだと厳しい
金額が大きいので、頭金ゼロのフルローンだと審査が厳しいこともあります。
普通のマイカーローンと残価設定ローンには、これだけのメリット、デメリットがあります。
マイカーローンと残価設定ローン、結局どちらがお得なのか
普通のマイカーローンと残価設定ローン、どちらがよりお得なのか?その答えはケースバイケースとしか言いようがありません。
なぜなら、あなたのライフプランと、車への接し方に寄り添える購入方法こそが、より相応しい購入方法だからです。
とはいえ、自動車ローンについてこれだけ知識を得ておけば、実際にローンを検討する際にも安心して交渉できるでしょう。