「投資資金の調達にファクタリングを利用しても良いのだろうか…」

継続的な事業成長のために「投資」は欠かせませんが、基本的に投資資金調達にファクタリングを利用するのは不適切です。

この理由としては、

  • ファクタリングは短期的なキャッシュフロー改善のための一時しのぎに過ぎない
  • 投資の観点からは長期的なスパンで資金調達するべきで、ファクタリングよりも優れた資金調達方法が他にある

といったことが挙げられます。

こちらの記事ではファクタリングが投資資金調達に不向きな理由と、どのように投資資金を調達するべきかをわかりやすく解説します。

ファクタリングは投資目的には適さない

コスパに劣る一時しのぎのファクタリングでは、最適な形での投資資金調達は実現不可能です。

ファクタリングというのは売掛債権を早期現金化することでキャッシュインを多少早めるだけの効果しかありません。

そもそもですが事業拡大へ向けた設備投資資金等の調達は「自己資金」もしくは「低金利の長期借入」が基本です。

自己資金であれば万が一の投資失敗時にも損失を計上するだけで、事業継続に致命傷とまではなりません。
また借入金であれば「長期的な資金計画」が可能ですから、少しずつ返済している間に失敗の挽回も可能でしょう。

ファクタリングとは未来のキャッシュインを「手数料を払って前倒ししているだけ」なのです。
しかもファクタリングの手数料は次に説明する通り、決して低いものではありません。

投資のための資金調達でファクタリングを選ぶべきではない決定的な2つの理由

要チェック!

  • ファクタリングは手数料が高め
  • ファクタリングはあらゆる資金調達方法の中でも「最終手段」

ファクタリングが投資資金に不向きであることが納得できる上記2つの理由を解説します。

しっかりと理解していただければ、「ファクタリングを投資資金に活用」などといった悪質な勧誘サイトに引っかかる心配がなくなります。

ファクタリングは手数料が高め

単純に考えても、年率で最大数百%ともなるファクタリング手数料に見合うような投資案件など存在しないはずです。

「買取ファクタリング」の手数料は、大手銀行系の大ロット(1億円前後)のファクタリングを除き、きわめて高額とならざるを得ない状況です。

特に2社間ファクタリングでは、最大で年率数百%ともなり、ヤミ金に匹敵するような高額手数料になりかねません。

資金調達手段 手数料もしくは金利の相場
(いずれも年率換算)
2社間ファクタリング 年20%~数百%程度
3社間ファクタリング 年10%~60%程度
銀行融資 年1%~10%程度
ビジネスローン 年3%~18%程度
カードローン 年10%~20%程度

ちなみに3社間ファクタリングであれば、2社間ファクタリングよりは手数料をだいぶ抑えることができます。

しかし手数料が比較的低いと言っても、投資の元手として利用するには疑問符がつく水準です。

また3社間ファクタリングでは売掛先に承諾を得る必要があるので、あらぬ疑いで信用が悪化するリスクも考慮するべきかもしれません。

そもそもマイナス金利時代に、一般的な買取ファクタリングの高額手数料に見合うビジネスモデルなどあるわけないのです。

ファクタリングはあらゆる資金調達方法の中でも「最終手段」

高額手数料だからといって、ファクタリングの存在意義がまったく無いとまでは言い切れません。

他の資金調達手段が尽きた場合に一時的にファクタリングを利用してピンチを凌ぐのは「あり」と言えるでしょう。

たとえば想定外の事由でキャッシュが枯渇し「黒字倒産」の危機に至った時に、一度だけファクタリングで切り抜けるといったケースです。

しかし一般的な買取ファクタリングの高額な手数料を考慮するなら、できる限り利用は回避したいところです。

本当に他の手段がないかを十分に検討した上で、どうしても無理というときだけファクタリングを「最終手段」として考えるようにしてください。

投資資金は事業活動の剰余資金から捻出するのが原則として捉えておく必要があります。

ファクタリングを検討するということはキャッシュフローがマイナスであり「自転車操業」と言える状況なわけです。

キャッシュフローに黄色信号が灯っている状態で投資をするのは、ある意味ギャンブルに近いものがあります。

ファクタリング以外の資金調達方法

基本的に事業拡大のための投資資金として真っ先に考えるべきなのは何と言っても「制度融資や助成金」です。

制度融資というのは各都道府県もしくは各市区町村が「金融機関に有利な条件で融資してもらえるように斡旋してくれる制度」のことです。

制度融資の多くは信用保証協会と提携しており、保証付き融資となることから金融機関も積極的な融資姿勢となりやすいと言えます。

たとえばファクタリングと似た制度融資の例として「東京都動産・債権担保融資(ABL)制度」があります。

不動産担保に頼らずに、最大で2億5千万円もの融資が受けられるのに加え、担保物権の評価費や保証料等の必要経費の補助制度まで完備されている、かなり魅力的な制度です。

融資金利が圧倒的に低い銀行融資

銀行などの金融機関で融資を受ける時には保証付き融資からスタートするのが王道です。

創業期にあたる中小零細企業であれば、保証付き融資の範囲で資金需要の相当部分をカバー可能となります。
ただし制度融資では「申込みから融資実行までの期間が長い」という欠点を留意せねばなりません。

制度融資の利用に時間がかかるのは以下のような理由があります。

  • 制度融資を利用するために準備する書類が多い
  • 都道府県や市区町村に斡旋を受けるための手続きが必要
  • 信用保証協会の保証手続きに時間がかかる
  • 最終的に金融機関の審査を正式に通過する必要がある

制度融資を利用するには1~2週間は見ておく必要があるので、資金需要が切迫している場合には向きません。

しかし「投資」という視点で考えるならば、本来はこの程度の準備期間は見積もっておくべきと言えるでしょう。

あまりに早急な投資判断は、間違った結果をもたらすことが多いものです。

助成金・補助金は必ずチェック

投資資金の調達で見逃せないのが、国や地方自治体、民間団体などが提供する助成金と補助金の制度です。

基本的に助成金や補助金は「給付」されるものですから、返済の必要がありません。

利用できそうな制度があるのなら、申込しないのはもったいないことです。

こちらではどのような制度があるのかだけ、ほんの一部ですが紹介しておきましょう。

  • 創業助成金(東京都中小企業振興公社)
  • 革新的事業展開設備投資支援事業(東京都中小企業振興公社)
  • ものづくり・商業・サービス生産性向上促進支援補助金(全国中小企業団体中央会)

審査が比較的柔軟で融資までのスピードが早いビジネスローン

先述の制度融資や助成金などは調達コスト的に優れているので、最優先で検討するべきものです。

しかしながら「制度に合致しない案件には利用できない」「手続きが煩雑で時間がかかる」という弱点があります。
ビジネスチャンスを活かすためにはスピード勝負のことも多々あるので、融資実行までの期間短縮が課題となるでしょう。

そのような場合には、金利は多少高めですが「ビジネスローン」の活用も視野に入れても良いかもしれません。

ビジネスローンは資金使途の縛りがほとんどなく、また審査~融資実行も数日程度と事業資金融資では最速レベルです。

投下した調達資金からのリターンが、将来的にビジネスローンの支払利息を上回る見通しであれば、検討する価値はあるかもしれません。

特に銀行系ビジネスローンの場合、決算書の評点が高くなると意外なほど金利が低くなる場合があります。

適用金利は申込してみないとわからないのが難点ですが、決算書に自信があるならチャレンジしても良いのではないでしょうか。

金融機関 商品名 限度額 金利 審査の
速さ
りそな
銀行
活動力 10万円~
500万円
年6.0%~
14.0%
非公表
→日数を要する
東京
スター
銀行
スター
ビジネス
カード
ローン
50万円~
500万円
年6.5%~
14.5%
最短5日回答
横浜
銀行
スーパー
ビジネス
ローン
100万円~
5000万円
年2.75%~ 非公表
→すばやく回答

AG

ビジネス

サポート

事業者
ローン
1万円~
1000万円

※1

年3.1%~
18.0%
最短即日
オリコ ビジネス
サポート
プラン
100万円~
1000万円
年6.0%~
15.0%

※2

非公表

※1 AGビジネスサポート
の事業者ローンは、新規取引時は上限500万円となります
※2 オリコのビジネスサポートプランの金利は、新規申込時は年8.4%~15.0%となります

まとめ

こちらの記事ではファクタリングによる投資資金調達について解説しました。
最後に、大切なポイントを振り返りましょう。

  • ファクタリングを投資資金調達に利用するのは適していない
  • 投資資金調達に不向きな理由は「高額な手数料」「一時しのぎの短期資金」の2点
  • ファクタリング以外にも制度融資・助成金・ビジネスローンといった選択肢がある

以上を理解した方は、ファクタリングが投資には向かず、他の資金調達方法を検討するべきだと納得いただけたでしょう。

ぜひファクタリング以外での適切な資金調達方法を選択するヒントを掴んでください。