「もし大切に貯めた貯金を、急な事情で使わざるを得なくなったらどうしますか?」
夢だった海外旅行を目前に、やむを得ず貯金を取り崩すことになったら、多くの人が葛藤するでしょう。今回紹介するのは、旅行を諦めたくない思いから、キャッシングを活用した一人の女性の体験談です。計画的な返済を通じて得た教訓を語っていただきました。
野田 愛実さん(仮名・24歳・女性)
岡山県倉敷市に暮らす24歳の事務職の会社員。独身で、一人暮らしをしながら、年収240万円で生活しています。
大学を卒業して間もなく社会人生活をスタートしたばかりの頃、家計はカツカツで、旅行のために貯めていたわずかな貯金を家族の急な事情で使う必要に迫られました。「一生に一度は行きたい」と憧れていた海外旅行を諦めたくない気持ちから、やむなくクレジットカードのキャッシングを利用することを決断した体験談です。
- 職業:会社員(事務職)
- 居住地:岡山県倉敷市
- 家族構成:独身
- 年収:240万円
- 借金合計額:20万円
- 借入先の会社名:楽天カード(VISA)
- 借入件数:1件
- 利用時期:2009年7月~2012年9月
※この記事は、ナビナビキャッシング編集部が実施したインタビューを基に作成しています。
憧れのオーストラリア旅行・・・楽しみにしていたのに
短大を卒業してから4年目のこと。
当時、とある会社の事務職として働いていた私は、どうしても行きたい所がありました。
それはオーストラリアです。
短大のころ、友人とオーストラリア旅行のパンフレットを見ながら、グレートバリアリーフやエアーズロックなどの雄大な自然の風景、シドニーのオペラハウスやハーバーブリッジなどの名所、そして何よりも、コアラを抱っこしてみたいと思い、いつか一緒に行こうと話していたのです。
そして社会人となってからは、オーストラリアにいつか行くことを夢見て少しずつ貯金をし、何とか50万円ほど貯めることができました。
しかし、英会話が苦手な私が一人でオーストラリアに行くのは、やはり不安です。
そんな中、短大時代に同じくオーストラリアに行きたいと話していた友人が結婚することに。
挙式は翌年になってからですが、結婚した後は、独身時代のように気軽に旅行することもできなくなるでしょう。
「昔話していたこと、覚えてる?結婚前にオーストラリア旅行に行きたいんだけど、一緒に行かない?」
彼女にそう誘われた私は、同じことを考えていたため二つ返事でその誘いを受けました。
しかし、自身の仕事の都合や彼女の都合もあって、実際に行くのは、誘われた時から4カ月後の9月となりました。
当時、私はパスポートを持っていませんでしたので、旅行前にパスポートの申請をしなくてはなりません。
友人も結婚式の打ち合わせで忙しい中、時間を作って二人で旅行の計画を話し合い、オーストラリアでの予定を決めました。
6月には旅行会社に申し込み、会社にも7月に有給の申請を出したのですが、7月末に問題が起こりました。
実家にいる父が、入院することになったのです。
ファイナンシャルプランナーのアドバイス
オーストラリアは時差もほとんどなく、大自然も満喫できる人気の旅行先ですね。
日本製の車もたくさん走っているような親日国なので、不快な思いをするリスクも少ないでしょう。
上記の例では憧れの海外旅行ということウキウキでしたが、そういう時に限って緊急事態が起こるのは「あるある」なのかもしれませんね。
父の入院でお金を貸すことに
私の家は自営業で、父は電気工事関係の仕事を営んでいました。
子供は私一人で、その私が社会人となったのを機に、父は仕事の量を減らし、そう遠くない将来のリタイアを視野に入れ、趣味の時間を増やすようにしていたようです。
それでも、生活には不自由しない程度の収入があったのですが、前年に家のリフォームをしたことで貯金が激減。
リフォーム代の一部はローンを組んでいたようで、その支払いがあったことに加え、車のリース料や仕事で使う機材を購入した際のローンの支払いと、結構な支出がある状態でした。
そんな中で父が入院するとなると、収入がストップしてしまいます。
幸い、病気は大したものではなく、1カ月ほどで退院でき、後遺症なども残らないだろうということでした。
ですが、いかんせんその月の支払いはしなければなりません。
さらに、入院費や生活費など、色々なことにお金が必要になります。
心配になった私は、8月の最初の土日に実家へと帰り、父の見舞いをした後で母に生活のことを聞いてみました。
最初は私に心配をかけまいと母も強がっていたのですが、貯金なら多少はあるから足りなければ教えて、という話をしたところ、どうしても30万円ほど足りなくなりそうだと言ったので、その30万円を私が出すことに。
本当に大丈夫なの?としきりに心配する母に「大丈夫」と笑って答えたものの、9月のオーストラリア旅行では、旅費と小遣いなど合計40万円を予算として考えていました。
母に30万円を貸した後、残った貯金は20万円…オーストラリア旅行の予算には20万円ほど足りません。
しかし、心配性の母にはそんなことは言えず。
かといって今更旅行をキャンセルしようにもキャンセル料が発生してしまいます。
何より、独身最後の旅行だと楽しみにしている友人のことを思うと、今更旅行を中止するなんてできません。
そこで、これまでは使ったことがなかったクレジットカードのキャッシングを利用することにしました。
ファイナンシャルプランナーのアドバイス
育ての親が困っている時に「なんとかしてあげたい」という気持ちになるのは、当然のことかもしれません。
とはいえ夢の実現のために貯めておいた貯金を差し出すのは、本当に親孝行だなあと感心してしまいます。
育ての親への恩返しとして、とても良いお金の使い方だったのではないでしょうか。
初めてのキャッシング
楽天市場というネット通販を以前利用した際に、そこで使えるクレジットカードとして楽天カードを作っていたのですが、「確かこれにはキャッシング機能も付いていたはず…」ということを思い出しました。
早速確認してみると、私のカードには、30万円のキャッシング枠がありました。
金利は、年利18.0%となっていましたが、それがどの位のものなのかは、その時はよく分かりませんでした。
とりあえず、お金が必要です。ATMからお金を借りるか、ネットから申し込んで銀行口座に入金してもらうかのどちらかを選べるということだったので、銀行口座に振り込んでもらうことに。
ネットからの申し込みでも、数分で振り込んでもらえるということだったのですが、さすがにそこまで急いではいません。
ATMで何かあっても恥ずかしいので、銀行口座に振り込んでもらうことにしました。
返済は、毎月一定額を返済するリボ払いと、一括返済のどちらかを選ぶことができたのですが、来月返済できるものでもないのでリボ払いにして、毎月2万円を返済することにしました。
この条件で20万円を借りると、本当に10分もたたないうちに銀行口座へと振り込まれていて、無事に旅行代金の支払いは間に合いました。
これをきっかけに、あらためてクレジットカードの利用について調べてみると、このカードで海外での支払いも対応しているということが分かりました。
しかも、わざわざ現地の通貨に両替しなくても引き落としは日本円で大丈夫ということだったので、旅行先での支払いにもカードを利用しようと考えました。
このように紆余曲折ありましたが、どうにか旅行に必要なお金を用意することができ、いよいよ楽しみにしていた旅行の日がやってきたのです。
ファイナンシャルプランナーのアドバイス
旅行代金の支払いにはクレジットカードを利用できることが大半です。
上記のケースではキャッシングを利用していますが、クレジットカードの分割払いを検討しても良かったのかもしれません。
分割回数などの条件にもよりますが、リボ払いのキャッシングよりも良い条件で利用できる場合が多いでしょう。
お金を借りた後の金利についてもっと詳しく
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旅行先でも使えたカード
オーストラリア旅行は、想像以上に楽しいものとなりました。
行きたかったところにも行くことができ、間近でカンガルーを見て、憧れだったコアラの抱っこもできて大満足。
一緒に行った友人も終始楽しそうにしていて、結婚してからも旅行に行けるようならまた来たいね、と二人で笑い合い、旅行は終わりを迎えたのでした。
現地での買い物は、予想以上にクレジットカードを利用できる所が多く、お土産の購入などもクレジットカードで済ませていました。
クレジットカードから20万円借りていたので、ショッピングできるのは残り10万円なんじゃないかと思っていたのですが、旅行中にカードが使えなくなることもなく、また、旅行中に日本円からオーストラリアドルへの両替をする必要もなく、買い物を十分に楽しむことができたのです。
実際にいくら使っていたのか、帰国してからあらためて確認してみると、クレジットカードで買い物した金額は何と20万円を超えていました。
限度額を超えているのになぜ?と思い楽天カードを調べてみると、私が限度額30万円だと思っていたのが実はキャッシングだけの限度額であり、ショッピング枠が別にあったのです。
ショッピング枠は100万円もありました。
私はキャッシングを利用したため、ショッピングに利用できる枠はその分減っていましたが、それでも旅行前には80万円近く枠が残っていて、今回の旅行で使った分で60万円を切るくらいまで減ったものの、まだショッピングに使えるということを初めて知ったのです。
しかし困ったのが、来月からの支払いです。
このままでは翌月の支払いがショッピングの20万円とキャッシング返済の2万円で合計22万円以上となってしまいます。
旅行の予算のうち、5万円が手元に残っていたものの、22万円には到底足りません。
どうにかならないかと調べてみると、後でリボ払いに変更することが可能だと分かりました。
そこで、ショッピングについてもリボ払いにすぐに変更。
このリボ払いは、一括で変更することができるうえ、今後ショッピングでカード払いをした場合、自動的にリボ払いを選んだことにできるのです。
さらに、買い物に使えるポイントが5,000円分もらえるということだったので、その手続きもしました。
こうして、ショッピングの分は毎月1万5千円を支払うことに。
キャッシングについては、毎月2万円の支払いは少々負担になると思い、支払額を1万円に減らしました。
これらの手続きはすべてネット上で簡単に行えます。
私はおよそ40万円の借金を抱え、毎月2万5千円ずつ返済していくこととなったのです。
ファイナンシャルプランナーのアドバイス
クレジットカード会社の多くでは上記のように「リボ払い」サービスを利用することができます。
むしろ通常の支払いよりもリボ払いを勧められることが多いぐらいかもしれません。
リボ払いは上記の例のように毎月の返済額を少なく抑えることができる反面、返済がなかなか進まないと感じることも多いので注意が必要です。
進まない返済
これで「あとは返済するだけ!」と考えていた私ですが、友人の結婚式の予定をすっかり忘れていました。
欠席するわけにいかず、また、それまでにご祝儀など結婚式にかかる費用を貯金できるはずもなく、結局またキャッシングに頼ることに…。
ご祝儀と、結婚式に着ていく服など合計で10万円近く必要です。
結局、キャッシングの限度額いっぱいまで借りることになり、借金は総額で50万円を超えることになってしまったのです。
当初考えていたよりも借金が大きくなってしまいましたが、「とりあえず返済を続けていけば、いつかは返すことができるだろう」と軽く考えていました。
ですが、実際に返済を行って感じるのは、毎月の返済額の2万5千円が結構な負担になるということです。
これまで4年かけて貯めていたのと同じ金額を、今度はさらに短い期間で貯めるようなものです。
しかも、貯金とは違い、返済のための2万5千円なので手元に残るわけではありません。
そう考えると、どうにもやる気が起きにくく、あまり積極的に節約もできません。
結局、返済を数カ月続けては、ストレス発散にリボ払いでショッピングやキャッシングをしてしまうということを繰り返し、総額がなかなか減りませんでした。
そんな生活を続けたある日、ネット上にリボ払いのシミュレーションがあるのを見つけました。
何とはなしにそれを使ってみると、毎月2万5千円ずつ返済した場合は合計24回支払うことになり、支払い総額は約60万円になるということがわかりました。
およそ2年間支払いが続き、しかも、借りた額よりも10万円も多く返済しなくてはいけないという事実を知り、私は愕然としました。
自分の想像よりも利息が大きかったからです。
このシミュレーションを利用したことで、今のままでは利息ばかりを支払うことになり、借金がなかなか減らないとようやく自覚した私は、そこからは徹底した節制を行おうと心に誓ったのでした。
節約生活スタート
それまで、自炊をさぼって外食することがたびたびあったのですが、これを機に自炊を再開。
元々料理は苦手ではないので、休日に日持ちのするおかずをまとめて作り置きしたり、会社にはお弁当を持参したりすることにしました。
また、会社帰りにスーパーに寄っては、特売品や割引の食材を中心に購入し、お肉などは小分けにして冷凍しておくことでいつでも使えるよう工夫しました。
他にも、生活の中での無駄遣いを切り詰めていくことで、毎月3万円ほど余剰資金ができるように。
そこで私は、そのうちの5千円をいざという時のための貯金に回し、残りはすべて毎月の返済のために使いました。
これまで、ギリギリの生活で返済を続けていたのが、こうすることで、無理なく返済できるようになったのです。
そして、この生活を始めてから2年が過ぎ、最初の借入から3年以上が経過して、ようやく借金の返済が終わりました。
借金の返済のため、節約生活をしていたある日、会社の男性社員が私のお弁当を見て興味を持ち、話しかけてきたのです。
それがきっかけで、その人と交際することになりました。
彼には借金のことは内緒にしていたのですが、借金の返済が終わった今、ばれることを心配せずにお付き合いしていくことができるのが嬉しいです。
これからキャッシングの利用を考えている人へ
友人との旅行と父の入院がきっかけで借金をすることになり、その後返済で大変な思いをしましたが、私自身は後悔していません。
ただ、旅行先で買い物をし過ぎたことは、反省しています。
クレジットカードは便利なのですが、使っても財布の中身が減らない分、利用した金額の把握が大変です。
家計簿アプリなどを利用しながら、「今月はいくら使ったのか」ということをしっかり確認するなど工夫した方が良いと思います。
特に、財布の紐が緩みがちな旅行先などでは、十分に注意することをお勧めします。
ファイナンシャルプランナーのアドバイス
友人とのかけがえのない楽しい時間というのは、まさにプライスレスですよね。
人生を豊かにするために、必要なところに思い切ってお金を使うことは決して悪い選択ではないでしょう。
ただし自分が何にどのくらいのお金を使っているのか、どのくらいの利息を払っているのかくらいは把握しておく必要があります。
また使いすぎが心配な場合は、あえて限度額を絞っておくことも可能です。
クレジットカードは上手に使えば便利です。しかし使い方を誤ると非常にもったいないことになりがちなので、気をつけるようにしたいものですね。
著者情報
ナビナビキャッシング編集部
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