【キャッシング体験談】リボ払いの落とし穴…気づけば借金50万円のリアル

「リボ払いって、どれくらいリスクがあるんだろう?」

便利さに惹かれて選んだはずのリボ払いが、気づけば借金を膨らませ、生活を圧迫する結果になることもあります。今回は、キャンペーンをきっかけにリボ払いを始め、50万円の借金を抱えた一人の会社員が、どのように返済に向き合い、生活を立て直したかをお伝えします。その過程で学んだ教訓は、計画的な借入と返済の大切さを再確認するきっかけとなるはずです。

この体験談を教えてくれた人

藤井 光輝さん(仮名・32歳・男性)

青森県青森市に暮らす32歳。独身で一人暮らしをしています。会社員として働きながら、月収はおよそ25万円。

20代前半、友人との旅行や趣味に没頭していた頃、楽天カードのキャンペーンに惹かれ、初めてリボ払いを利用。「支払いが楽になる」と感じていた当時の決断が、予想以上に重い負担となり、やがて生活全体に影響を及ぼすことに。リボ払いの仕組みや利息の怖さを深く理解していなかったことが、大きな苦労につながった経験を振り返ります。

  • 職業:会社員
  • 居住地:青森県青森市
  • 家族構成:独身
  • 年収:300万円
  • 借金合計額:50万円
  • 借入先の会社名:楽天カード
  • 借入件数:クレジットカード1件
  • 利用時期:2013年5月~2016年6月

※この記事は、ナビナビキャッシング編集部が実施したインタビューを基に作成しています。

便利な楽天カードを発行して

楽天カードの自動リボ払いの設定のままにしていた

宮城県出身で、会社員として働いていた私はある日、転勤で青森市に行くこととなりました。

それをきっかけに、これまでクレジットカードなどはあまり持っていなかったのですが、東北楽天イーグルスを応援する意味も込めて楽天カードを発行して買い物などに利用することにしました。

ちょうど新規発行キャンペーンをやっていて、楽天で使えるポイントを多めにもらえるというのも大きかったのです。

楽天カードでは、さまざまなキャンペーンを常時展開しています。

その中には、買い物をしてもらえるポイントが3倍以上にもなるというものも多く、よくチェックしてはエントリーしていました。

中でもよく見かけるのが、リボ払いについてのキャンペーンです。

毎月の支払いを自動的にリボ払いにする「自動でリボ払い」や、いったん支払いをした後でそれをリボ払いに変更する「後からリボ払い」などがあるのですが、私はその中でも「自動リボ払い」のキャンペーンにエントリーしていました。

しかし、最初にリボ払いの設定をする時、毎月2万円と設定していて、それを超えるだけの金額を利用したことがなかったので特に気にすることはありませんでした。

また、楽天カードの支払いは銀行引き落としなのですが、その銀行引き落としも給料口座からの引き落としで、特に毎月いくら引き落とされているのかチェックすることもありませんでした。

その口座で余った分をそのまま貯金するような使い方をしていたこともあり、リボ払いだろうが一括払いだろうが変わらない、という意識しかなかったのです。

この使い方が、後で大変なことになるとは思いませんでした。

ファイナンシャルプランナーのアドバイス

武藤 英次
監修者:
武藤 英次

「リボ払い」をクレジットカード会社がキャンペーンなどで勧めてくることが多くなっています。

なぜそんなにリボ払いを勧めるのかと言えば、リボ払いを利用してもらったほうがクレジットカード会社は儲かるからです。

クレジットカード会社が儲かるとすると、どこからその儲けが出てくるのでしょうか?

答えはズバリ、利用者が支払う利息(手数料)なのです。キャンペーンで付与されるポイントなどのサービスを差し引いても、じつは支払利息の方がはるかに多く、損をしがちなことに注意してください。

大きな買い物をすることに!しかし支払いが?

壊れたテレビを購入に向かった売り場

そんなある日、これまで使っていたテレビが壊れてしまいました。

その2年前から地デジに完全移行したのですが、私はそれ以前に買ったテレビに地デジチューナーを繋げて使っていました。

そしてレコーダーも、古いレコーダーに同じく地デジチューナーを繋げていたのですが、今回のテレビの故障をきっかけにどちらも地デジ対応のものに買い替えることにしました。

当時はプラズマテレビがすっかりと衰退し、液晶テレビ一択となっていたためそれほど悩むことはなく、これまで使っていたメーカーのものを選んでレコーダーも同じメーカーにしておきました。

テレビの価格もかなり下がっていたので、これまでよりも大型のものを選び、テレビ台も一緒に買うことにしました。

支払いは合計で20万円を超え、支払いには楽天カードを提示しました。

これだけでも2,000円分のポイントがもらえる上、先日キャンペーンのお知らせがあってこの電器店での支払いについてはポイントが1.5倍となるため、合計で3,000ポイントがもらえることになるのです。

そのポイントを使って、楽天市場で何かおいしいお酒でも探してみようかと楽しみにして、この日の買い物は終了しました。

一応、帰りに口座の残高を確認してみると、しっかりと30万円以上の残高があったので、支払いも問題ないことが確認できました。

数日後に、楽天カードの支払日があったのですが、この時点ではまだテレビの支払い分は登録されていないので一応残高だけを確認して、まだ引き落とされていないことを確認しました。

その時点で、来月に引き落とされるんだろうなということを思いましたが、それ以上は特に何も気にすることなく終わりました。

そして、そのままいつも通りに生活し、楽天カードでの買い物については気にしていなかったのです。

それから3カ月ほどが経過して、今度は車が故障しました。

この修理費で25万円ほどかかることがわかり、口座の残高を確認すると30万円近くありました。

意外と残っていたな、と少し違和感を覚えたのですが、修理費の支払いもクレジットカードが使えるということだったのでせっかくだから楽天カードで支払うことにしました。

これが、リボ払いで長く苦しむことになる原因となったのです。

ファイナンシャルプランナーのアドバイス

武藤 英次
監修者:
武藤 英次

「クレジットカードのリボ払いは、毎月の最小支払金額が少なく設定されているのが大きな特徴です。

たとえば上記のケースの「楽天カードのリボ払い」の場合、20万円までの利用(リボ残高)なら毎月の最小支払い金額は、わずか3,000円です。

20万円を超えても5万円増えるごとに支払いが1,000円増えるだけですから、支払額はあまり増えないことがわかります。

ショッピングリボお支払いコースについて
毎月の最低のお支払金額は、毎月末時点のご利用残高に応じて以下の表の通り変動いたします。

ご利用残高~20万円まで:リボお支払いコース金額3,000円
ご利用残高20万円超~:リボお支払いコース金額4,000円
※~残高5万円増すごとに1,000円ずつ加算

(引用元:ショッピングリボ払い返済シミュレーション|楽天カード

気付くとリボ払いに!

その翌月、楽天カードの引き落とし日が過ぎて先日の修理代を思い出し、きちんと引き落とされているかを確認すると2万円ほどしか引き落とされていませんでした。

それどころか、ここ数カ月の引き落とし額は毎月2万円になっています。

何かがおかしいと思った私は、今まで気にしたことがなかった楽天カードのアプリを開き、支払いについて確認してみました。

すると、毎月の支払いがリボ払いとなっていて、そこには40万円以上のリボ残高と高額な手数料が記載されていたのです。

2万円のうち、手数料だけで5,000円近く取られているため、実際の支払額よりもかなり高くなっていました。

しかし、この時点では私もよくわかっていなかったので、リボ払いから一括払いに変更してもらえばいいかな?と軽く考えていました。

しかし、よく考えると現在の口座の残高は、リボ払いの残高よりも少ないため、一括で支払うことはできません。

そこで気づいたのが、先日の口座の残高はすでにテレビの分が引かれていたと思っていたのが、実はこうしてリボ払いになっていたので引かれていなかったのだ、ということです。

これではリボ払いを続けるしかありません。

こうして、リボ払いとの長い付き合いが始まったのです。

長引く返済と積み重なる手数料

長引くリボ払いの支払いと手数料のお金

このことが分かった後も、高額の支払いではないものの折に触れて楽天カードでの支払いを利用することはありました。

NHKの受信料や、電気代などもクレジットカード払いにできることを知ったので、そのあたりの支払いも楽天カードにまとめてポイントをもらうことにしたのです。

しかし、ここで私が気付いていなかった「自動リボ払い」の設定が牙をむきます。

あれこれと支払いを楽天カードにまとめたせいで、どんどんとリボ残高が増えていくことになり、その金額に応じて手数料も高額になっていったのです。

こうしてリボ残高が再び50万円を超えたあたりで、再び明細をチェックした私はさすがにおかしいと感じました。

リボ払いを選択した覚えがないのに、リボ残高が増えていくのでカード会社に問い合わせてみたところ、実は自動リボ設定されていることに気付いたのです。

これでは手数料がかさむ一方なので、とりあえず自動リボ設定は解除してもらうことにしました。

ついでに、これまでのリボ払いの分についても相談してみたのですが、リボ払いから一回払いに変更することはできず、またリボ払いの手数料についてもどうにもならないということでした。

ただし、リボ払いの金額を変更することはできるということなので、せめて金額は今の2万円から4万円に変更してもらい、少しでも手数料が少なく済むようにしました。

これなら、14回支払うとリボ払いの支払いは終わるそうです。

合計で6万円ほどの手数料を取られることになってしまいますが、これはどうしようもありません。

たかだか数千ポイントをもらうために、6万円を損することになるとは思いませんでしたが、これ以降はリボ払いについても理解したので、買い物をし過ぎた時などは一部の支払いをリボ払いにすることで支払いの金額を調整するようになり、1回払いとリボ払いを区別するようになったことでリボ払いの金額も月1万円に変更しました。

ただし、手数料のことを考えて、リボ残高は10万円を超えないように気を付けています。

ファイナンシャルプランナーのアドバイス

武藤 英次
監修者:
武藤 英次

「上記の例では、かなり高額の引き落としがなかったことで「どうも様子がおかしい」と気がつくことが出来たようですね。

せめてもう少し早い段階で気づけば傷も少なくて済んだのでしょうが、まだ致命傷まで行かなかったのは不幸中の幸いでした。

このように「リボ払いをしていることに気が付かない」もしくは「リボ払いの仕組みを理解しないまま利用している」というかたが想像以上に多くいるので注意したいところです。

無駄にリボ払いをしないために~リボ払いを検討している方へ~

楽天カードだけではなく、多くのクレジットカードではリボ払いを利用して欲しいために、さまざまな特典などを用意しています。

しかし、支払いの用意ができるのにリボ払いを選ぶのは、手数料をただ無駄に支払うだけとなります。

それを避けるためには、いくつかの点に注意しましょう。

まず、カードを新規に申し込む際には、自動リボサービスなどの選択に注意してください。

ここで自動リボに申し込んでしまうと、すべての支払いが勝手にリボ払いとなってしまいます。

リボ払いは、後から自分で選ぶことができるので、わざわざここで申し込む必要はないのです。

続いて、リボ払いに変更するキャンペーンにも注意しましょう。

こうしたキャンペーンはチェックしたほうがいいのですが、リボ払いについてはあくまでも、自分がリボ払いに変更したいと思ったものがあるときに、ついでにキャンペーンに申し込むべきものです。

間違っても、キャンペーンの特典欲しさにリボ払いへと変更することがないようにしましょう。

どうしてもというなら、キャンペーンの要件を満たした後には自動リボ払いなどを解除したほうがいいでしょう。

また、支払うことができる金額に余裕がある月は、リボ払いの増額返済などを利用しましょう。

ボーナスをもらった時など、余裕がある時にはその月だけリボ払いの返済額を増額することもできるので、それに申し込めば支払いが終わるまでの期間も短くなるうえ、手数料も減らすことができます。

いずれ支払いに使われるからと、ただ口座に入れておくだけではもったいないので、積極的に返済に回したほうがいいでしょう。

また、もしも全額返済できるだけのお金がある時は、迷わず一括返済を選びましょう。

そのお金を惜しんでリボ払いを継続しても、ただ手数料が無駄になるだけです。

毎月の支払額も、余裕がある時は増額してなるべく多めに支払うべきです。

残高が多いのに、毎月1万円しか支払わないような設定だとほとんどが手数料として消えることになってしまいます。

無駄な支払いを減らすためにも、残高に合わせて支払額を増やすようにしてください。

誤解しないでほしいのは、リボ払いそのものは別に悪いものではありません。

毎月の支払い金額を一定に出来るので支払いの調整も簡単ですし、家計の管理もしやすくなると思います。

また、使いすぎてしまった時も簡単に支払い金額を抑えることが可能です。

ただ、リボ残高を増やし過ぎるとそれだけ手数料が増えていくので、結局損をしてしまうことになるという事を覚えておかなくてはいけません。

リボ払いは便利なものですが、調子に乗って使うと手痛いしっぺ返しが待っています。

そのことを忘れずに、賢くリボ払いを活用していきましょう。

ファイナンシャルプランナーのアドバイス

武藤 英次
監修者:
武藤 英次

「クレジットカードのショッピングは、支払方法にかかわらず「借金の一種」と考えておく必要があります。(※法律上の厳密な話はここでは置いておきます)

特にリボ払いについては、毎月の支払額が少なく抑えられているため、使えば使うほどに「借金」が雪だるま式に増えていきやすいのです。

万が一リボ払いの悪循環にハマってしまった場合、抜け出すのに有効な手段は「無駄遣いをストップ」&「可能な限り前倒しで返済(支払い)」することがメインとなります。

著者情報

ナビナビキャッシング編集部
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武藤 英次

この記事の監修者

ファイナンシャルプランナー

武藤 英次さん