就職活動は、人生の大きな転機。
その一方で、企業面接の交通費や宿泊費がかさみ、アルバイト時間を減らすことで収入が減少し、経済的なプレッシャーを抱える人も少なくありません。そんな中、計画的にカードローンを活用し、経済的な不安を乗り越えて内定を勝ち取った一人の大学生がいます。今回は、借入をどう活用し、どのように返済を進めたのか、その具体的な体験談を紹介します。
田坂 悠馬さん(仮名・21歳・男性)
神奈川県横浜市に住む21歳の大学生(当時)。家族の支援を受けながら、アルバイト収入を頼りに学生生活を送っていました。
大学生活は順調に進んでいましたが、いよいよ迎えた就職活動では、企業面接のたびに交通費や宿泊費がかさみ、アルバイト時間を削らざるを得ない状況に直面。「やりたい仕事を見つけるためには費用がかかる」と理解しつつも、収入減とのバランスが取れず、経済的な不安を抱えるようになります。そんな状況でカードローンを活用した体験談です。
- 職業:学生(当時)
- 居住地:神奈川県横浜市
- 家族構成:独身
- 年収:120万円
- 借金合計額:10万円
- 借入先の会社名:アコム
- 借入件数:消費者金融1件
- 利用時期:2016年6月~2017年4月
※この記事は、ナビナビキャッシング編集部が実施したインタビューを基に作成しています。
就職活動はお金がかかる
大学生活も順調に進み、3年が経過して4年生となった時、本格的に就職活動を始める時期を迎えました。
それまでも、情報収集をはじめとして色々な形で就職活動を進めてきましたが、これからは面接を中心として、さまざまな企業へと直接訪れることになります。
就職活動に時間が取られてしまうので、これまで週4回働いていたファミレスのアルバイトを、これを機に週2回に減らすことにしました。
収入は減ってしまいますが、「仕送りも多少はもらっているしこれからは遊んでいる暇もなくなるので大丈夫かな」とその時は思っていました。
就職活動をしていくうちに、意外とお金がかかることがわかりました。
まず、会社を回るための交通費が意外に高く、普段行かないようなところまで行くこともあるので、電車代が片道1,000円を超えてしまうことも。
また、面接に遅れそうになった時にタクシーを使うこともあったため、交通費が予想外にかかってしまったのです。
また、就職活動用にスーツも買ったのですが、歩くことも多く、混雑している電車に乗ると、暑い時期には汗をかいてしまいます。
汗をかいたスーツをそのまま次の日にも着るわけにいかず、スーツをもう一着買うことにしました。
当初は安いスーツを買う予定でしたが、あまりに安いと印象が良くないかもしれないと考え、奮発して5万円ほどのスーツを購入。
かなり痛い出費でしたが、やむを得ません。
ファイナンシャルプランナーのアドバイス
令和に時代が変わっても就職活動で「リクルートスーツ」に身を固めるのは変わりがなさそうですね。
みんなが同じ格好をするのが良いのか悪いのかは置いておくとして、リクルートスーツや革靴などの準備にお金がかかるのは事実です。
また往復の交通費を負担してくれる企業など、ほとんどありません。
これから就職活動を迎える学生は、就職活動費について考えておくと、本番であわてなくて済むでしょう。
2025年卒学生が6月12日時点で就職活動に使用した金額は、平均して8万4,434円と、2024年卒から1,529円増加しました。使用した金額の内訳を見ると、「交通費」「公務員試験対策費」「スキルアップ費用」などの項目で、前年に比べて平均金額が増加しました。
※引用元:【2025年卒就職活動TOPIC】 就職活動全体の費用は微増。コロナ禍前と比べると約3割減 | 就職みらい研究所
取り急ぎお金を得るためには
出費が予想以上に嵩んだため、両親に頼んで、仕送りを増やしてもらうことが頭をよぎりました。
ですが、それはどうしてもできません。というのも、両親は地元で就職して欲しいと以前から言っていたからです。
地元では仕事の選択肢が少なく、自分の希望する業界で働けそうにないため、私はできるなら首都圏で就職したいと思っていました。
仮に、「就職活動でお金が足りないから仕送りを増やしてほしい」などと両親に話をしたら、これを幸いと、「必ず地元で仕事を紹介するから帰ってこい」と言われてしまうでしょう。
それを断ったら、これまで送ってもらっていた仕送りもストップしてしまうかもしれない…と考えると、両親に金銭的な援助をお願いすることはできなかったのです。
これまでのところは何とかなっているとはいえ、このままだといずれお金が足りなくなることは明白です。
どうにかしないといけないとは思ったのですが、アルバイトを増やしてしまうと就職活動をする時間が削られてしまいます。
私はあまり器用なタイプではないため、アルバイトに精を出しつつ就職活動も頑張る、ということはできないだろうと思いました。
また、面接日が急に決まることも考えられます。
そうなると、バイトのシフトを変更してもらう必要があるため、周りに迷惑をかけてしまうでしょう。
地元での就職を希望する両親からの圧力を回避しつつ、バイト先にも迷惑をかけず、取り急ぎお金を得る方法はないだろうか…
そう考えた私は、内定がもらえるまでの間と割り切って、足りないお金に関してはカードローンを利用することにしました。
ファイナンシャルプランナーのアドバイス
親に不義理を感じて、お金の援助を頼みづらいというのは、上京した学生のあるあるパターンかもしれません。
しかし一般的な親心としては親に内緒で借金を背負うよりも、正直に事情を話してくれたほうが良いと思っているものでしょう。
借金返済で行き詰まって、親子関係が完全に破綻するようなことのないように気をつけたいものです。
どうやって利用するか
といっても、カードローンの利用は未経験です。
果たして学生でも貸してもらえるのか、借りた場合はどのくらいで返済すればいいのか、取り立てなどは来ないのか、実家に知られることはないかなど、不安な点は色々とありました。
そのため、まずはカードローンについて調べるところから始めました。
調べたところ、カードローンを利用できる年齢は、どこの会社でもほぼ20歳以上となっているので、年齢的には問題なし。
毎月定期的に収入があることが条件なので、学生であってもアルバイトなどをしていれば貸してくれるようです。
その代わり、学生に対してはほぼ10万円が上限となるのは間違いない、ということもわかりました。
また、審査があるそうですが、その際はアルバイト先に電話が入り、確かに勤務しているか確認するそうです。
自宅への連絡や実家への確認などの電話をすることはまずなく、もしも返済が遅れた場合でも取り立てなどが来るわけではないようです。
返済が遅れた場合は、まず電話で返済忘れを伝え、それから数日以内に返済されていなければもう一度連絡と返済意志の確認、いつ返済できるかなどを聞かれることになるので、取り立ても行われないようだ、ということがわかりました。
保証人なども不要なので、実家に何らかの連絡が行くことはないでしょう。
さらに、返済シミュレーションを使い、毎月どの程度の返済額になるのかを計算。
その結果、10万円借りた場合でも、毎月の返済額は1万円以下で済むことが分かり、毎月1万円ずつ返済していけば問題ないだろうと思ったのです。
利息は1年間で18%くらいになるらしく、途中で返済していった分だけ利息も減ることになるので、10万円借りて毎月1万円ずつ返済していけば、総額11万円ほどで返済は完了することになるようです。
ファイナンシャルプランナーのアドバイス
学生がカードローンを利用するのは、本来おすすめできるものではありません。
社会人となってきちんと給料をもらい始めてから、計画的に利用するのがベターです。
最初から学生不可としているカードローンもあるほどで、利用できる場合でも審査は厳しいのは覚悟する必要があります。
いずれにしても、やむを得ない理由がある場合に限り、最終手段として必要最小限の借入に限って検討するようにしてください。
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カードローンの利用と就職活動
これなら自分にも無理なく利用できそうだと考えたところ、ふと気になることが頭に浮かびました。
それは、「就職活動をするうえで何かしら悪影響はないか」ということです。
面接などで印象は悪くなかったのに、借金があるせいで内定を出してもらえない、ということになってしまうと本末転倒です。
そこで、カードローンの利用と就職活動について調べてみることに。
すると、銀行系やカードローン会社への就職は不利になるかもしれない、という意見もありましたが、よく調べてみると、採用にあたり、採用予定者がカードローンを利用しているかどうかを企業側が信用情報機関にいちいち確認することはない、ということがわかりました。
もしも企業が就職活動中の学生の情報を問い合わせるようなことがあれば、その記録が残り、むやみに情報開示を請求したことになってしまいます。
これは、企業にとってマイナスとなるため、心配はいらない、ということでした。
このように、利用にあたり事前に色々なことを調べましたが、返済さえ滞らなければカードローンを利用しても就職活動に不利になることはないことがわかりました。
そこで、思い切ってカードローンを利用することにしたのです。
ファイナンシャルプランナーのアドバイス
企業側が信用情報まで調べることはないというのは、表向きは確かにそうなのでしょう。
しかし金融機関など信用情報に触れられる企業が、裏で調査していないとまでは断言できません。
たとえば銀行では借金を抱えた行員が不祥事を起こすリスクを恐れているのは間違いありません。
ネットの情報や記事は、あくまでも表向きの理由から憶測で書かれているものが大半ですから、あまり鵜呑みにし過ぎないようにしましょう。
世の中そこまで単純なものではありません。
カード会社選び
カードローンの会社は色々とありますが、今回はその中でもアコムを利用することに。
理由は、CMを見たことがある有名な会社であったことと、30日間無利息期間を行っていることを知ったからです。
もしも審査などで借りられなくなった場合は、また別の会社に申し込めばいいと思い、とりあえずアコムの自動契約機である“むじんくん”に入ってみることにしました。
中は思っていたよりもきれいでした。
入った途端に入口が自動的に施錠され、少々びっくりしたのですが、申し込みの最中にほかの人が入ってくるのも困るので、確かに施錠は必要だな、と納得。
申し込み手続きは完全に機械で行われるのかと思ったのですが、実際にはオペレーターの方が見ているようで、操作方法がわからない時などはオペレーターに聞くことができるようです。
しかし、直接顔を合わせることはなく、身分証明書などは機械で読み取ったものを、オペレーターが確認しているようでした。
なお、オペレーターは、住所や電話番号、提出した身分証明書に記載された写真と申し込み者の顔が同じかどうかを確認するみたいです。
ファイナンシャルプランナーのアドバイス
カードローンの自動契約機は無人ではあるのですが、遠隔カメラで担当者がリアルタイムにチェックしています。
いつでも相談できる気軽さがある反面、身だしなみや受け答えをチェックされることに注意が必要です。
大手消費者金融からお金を借りる方法
契約完了
このようにして手続きを進めたところ、30分程で審査が終了。
すると、契約内容を確認する紙が出てきたので、その内容を確認してモニターに表示された“了解”ボタンを選ぶと、数分でカードが発行されました。
契約書にもかかれていましたが、限度額10万円で年利18%という契約です。
これで、ATMを利用して10万円まで借りられます。
ちなみに、ATMはアコム専用のATMもありますが、コンビニのATMでも借入と返済の利用ができます。
申し込みが完了したので、早速契約機の隣にあったアコムの専用ATMから生活費として3万円を借りました。
そして、金銭的に余裕ができたので、横浜や東京都内の企業だけではなく、少し足を延ばし、埼玉県や千葉県の企業にも応募することに。
気持ちに余裕ができたためか、または応募先の選択肢が広がったせいかは分かりませんが、その後の就職活動では面接でも手ごたえを感じることが増えました。
そうこうするうちに、10月には本命の職種で応募した企業1社を含めて3社から内定をもらうことができたのです。
もちろん、本命だった企業の内定を受けることにして、ほかの企業の内定についてはお断りさせていただきました。
ファイナンシャルプランナーのアドバイス
大手消費者金融5社では、基本的に「最短20分~30分で審査回答」といったスピード審査に対応しています。
ただしあくまで「最短」のケースであり、審査内容や混雑具合によってはさらに時間が必要となる場合もあるので気をつけてください。
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返済と限度額の増額
内定をもらうまでの間、生活費以外にかかる交通費などは、基本的にカードローンで借りてまかなっていました。
返済は行っていましたが、返しては借り、返しては借り…という状態が続いたため、利息だけが積み重なった結果、10月には限度額いっぱいまで借りることになってしまいました。
これではまずい、何とかしなければ…と思っていたところに無事に内定をもらえたため、10月からはアルバイトの時間を増やし、返済に励むことに。
月2万円ほどを返済に回すことで、徐々に借入残額を減らすことができました。
一度、年末に実家に帰るための交通費を再び借りましたが、そちらも新入社員として入社した4月に、3月分のアルバイト代を使って完済。
4月になってから、仕事用のスーツを買うためにまた5万円ほど借りることになるかもしれないとも思ったのですが、幸いにも両親から就職祝いをもらい、再びの借入はありませんでした。
こうやって無事完済できましたが、社会人になった後、また急にお金が必要になることがあるかもしれないので、アコムのカードはそのまま手元に残しています。
ついでに、アコムのホームページから勤務先を変更し、正社員になったという事を登録したところ、数日後にアコムから連絡が。
無事完済したことと、正社員になったことで、利用枠の増額が可能になったようです。
そのため、とりあえず限度額を20万円に増やしてもらいました。
今回、就職活動が上手くいって複数社から内定をもらうことができたのは、カードローンを上手く活用することでアルバイトの時間を増やさずに済んだおかげだと思っています。
今後何かあった時には、また助けてもらうことになるかもしれません。
ファイナンシャルプランナーのアドバイス
カードローンはATMから貯金を下ろすように簡単にお金を借りられる便利さがあります。
しかし「つい借りてしまい」いつまでも返済が終わらないワナに気をつけましょう。
上記のように限度額いっぱいで苦労した経験があるのに、限度額を気軽に20万円へ増額しているのは「危険な徴候」と言えます。
これからカードローンを利用しようと考えている人へ
私の場合、就職活動に必要なお金を借りるためにカードローンを利用したのですが、結果的には良かったと思います。
本来であれば、アルバイト代で必要なお金を稼がなければならないところを、カードローンでまかなうことができたため、就職活動に集中することができました。
器用に立ち回れない自分の性格を考えても、やはりカードローンを利用してよかったと思います。
就職活動は思うよりお金がかかります。
あの時、もっとたくさん貯金をしておけばよかったなぁと思うこともありますが、カードローンを利用したこと自体は後悔していません。
良い社会勉強になったと思います。
私の場合はお金の面で親を頼ることができない事情があったため、カードローンを利用しましたが、もしも私と同様、お金の面で親を頼ることができないのであれば、カードローンを利用するという選択肢も残しておいてもいいと思います。
ファイナンシャルプランナーのアドバイス
繰り返しになりますが、上記の例はあくまでも「結果オーライ」ということを強調しておきたいと思います。
就職活動という前向きな理由でのカードローンの理由は、一定の評価はできますが、学生が高金利のカードローンに頼るのは誰にでもおすすめできるわけではありません。
特に親に内緒の借金というのは、想像以上にメンタルに負担がかかるものです。
読者のみなさまにおかれては、慎重かつ適切な判断をするように心がけてください。
著者情報
ナビナビキャッシング編集部
日々の生活のなかで生まれる「まよい」に対して、ひとりひとりが良い選択をするために、キャッシングやカードローン、消費者金融など、お金を借りることに関する様々な情報を提供します。数あるサービスの中から、あなたに合った大手銀行や消費者金融のカードローンを選ぶお手伝いをします。