口座振替は手数料がかからず、自動でサービスの利用料金や商品の購入代金が引き落とされる便利なシステムです。しかし、引き落とし口座に十分なお金が入っていなければ、残高不足で口座振替(自動引き落とし)はできません。

残高不足で口座振替ができていなくて焦ってしまった経験を持つ人も多いでしょう。

この記事ではクレジットカードの引き落としを例に、口座振替で残高不足が起きてしまった時の対処法や予防法、期日までにお金を用意できない場合の対応策を紹介します。

金子賢司

CFP(日本FP協会会員)

監修者 金子賢司の一言コメント!

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クレジットカードの引き落とし日に間に合わないと、クレジットカードでの決済ができなくなる可能性があります。公共料金や保険料の支払いをすべてクレジットカード払いにしていると、未納扱いになってしまうため注意が必要です。例えば自動車保険の保険料が未納になっている期間中に自動車事故に遭うと、保険金が支払われない可能性があるなど、クレジットカード払いがストップしてしまうと、大きなトラブルにつながりかねません。残高不足に気が付いて、すぐに支払えば、クレジットカードの利用をストップされることなく、引き続き利用できる可能性があるため、気が付いたら、まずカード会社に相談することが大切です。

口座振替が残高不足でできなかった場合の対処法

口座振替が残高不足でできなかった場合は、気がついた時点でまずクレジットカード会社に連絡しましょう。

クレジットカードは後払いの決済方式であるため、カードを利用したお金は一時的にカード会社が建て替えている状態であり、利用者はカード会社に借金していることになります。

このため、きちんと支払う意思があることを示し、誠意ある対応をすることが大切です。すぐにお金を支払えない場合も早急に連絡して、状況を伝え、支払日と支払方法を相談しましょう。

すぐにお金を支払える場合はカード会社に電話すると、どのように対応したらいいか指示してくれるため、それに従って口座振替できなかった分のお金を支払います。

口座振替できなかった分のお金を支払う方法は、おもに下記の3つです。

  • 後日再引き落とし
  • 振込用紙によりコンビニなどで支払う
  • 指定の銀行口座に振り込む

次の章では、それぞれのケースについて詳細を解説します。

後日引き落としになる場合

後日引き落としになる場合は、再引き落とし日前までに、引き落とし口座に入金しておきましょう。

一般的には支払いの案内がはがきなどでカード会社から届くため、その案内に記載の再引き落とし日と指定口座を確認して対応します。

クレジットカードによっては当日の再引き落としに間に合う場合もある

口座振替が残高不足でできなかったことに気づいたのが引き落とし日の日中で、すぐに引き落とし口座への入金が可能であれば、当日の再引き落としに間に合う可能性もあります。

カード会社では、口座振替が残高不足でできなかった場合、当日再引き落としを行っている場合や、引き落とし日には一日に何度か引き落としを実行している場合があるため、すぐに入金できた場合は当日の再引き落としに間に合うこともあるのです。

振込用紙によりコンビニなどで支払う場合

再引き落としが行われない場合は、郵送された振込用紙にてコンビニなどで支払います。期日も振込用紙に記載されているため、遅れないよう支払いしましょう。

この場合、決済手数料は利用者負担となる場合が多く、さらに遅延損害金も支払うことになる可能性もあります。

指定の銀行口座に振り込む場合

カード会社からの支払いの案内に従い、指定の銀行口座に振り込むことになる場合もあります。

このケースでは、振込手数料は利用者負担です。振込用紙によりコンビニなどで支払う場合同様、さらに遅延損害金も支払うことになる可能性もあります。

口座振替で残高不足が起こらないようにするための予防策

口座振替で残高不足が起こらないようにするためには、引き落とし日に忘れず入金するか、万が一忘れても残高不足にならないような引き落とし口座を設定するのがおすすめです。

ここでは口座振替で残高不足が起こらないようにするための予防策を紹介します。

スケジュール帳やアプリのリマインダー機能を利用する

引き落とし日を忘れないようにするには、スケジュール帳やいつも目にするカレンダーなどに、引き落とし日を必ず記入しておきましょう。

カレンダーやスケジュール帳機能のあるアプリを利用し、リマインダーを設定するのもおすすめです。直前になるとメールやアラームなどで知らせてくれるため、うっかり忘れてしまうのを予防できます。

クレジットカード会社によるお知らせ通知サービスを利用する

クレジットカード会社では、引き落とし日をメールやアプリで知らせてくれる通知サービスを提供している場合があります。

このサービスを利用し、引き落とし日の数日前にお知らせを受け取ることで、忘れてしまうのを防ぐことが可能です。

定期的に入金がある給与口座などを引き落とし口座にする

引き落とし口座は給与口座など、定期的に入金がある口座に設定しておくのがおすすめです。万が一、忘れてしまっても定期的に入金があれば、残高不足になりにくく、口座振替できなかったという状況になるのを防げます。

学生であれば、バイト代の給与口座や仕送りの入金口座などに設定しておくとよいでしょう。

引き落とし口座の通知サービスを利用する

設定している引き落とし口座の金融機関が提供する通知サービスを利用する方法もあります。

金融機関が提供する通知サービスは、

  • 事前に引き落とし日をお知らせ

  • 口座振替が残高不足でできなかった場合にメールやアプリでお知らせ

などをしてくれるサービスです。

事前にお知らせしてくれる機能は限られた金融機関のみですが、口座振替が残高不足でできなかった場合にメールやアプリでお知らせしてくれる機能は多くの金融機関が対応しています。

口座振替が残高不足でできなかった場合にすぐ気づけるため、場合によっては当日の引き落としに間に合う可能性があり、間に合わなかったとしてもすぐにクレジットカード会社に連絡できます。

金子賢司

CFP(日本FP協会会員)

監修者 金子賢司の一言コメント!

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口座の残高不足が起きる原因の大もとは、単純に貯蓄ができていないことです。頻繁に口座の残高不足が生じてしまう人は、家計の見直しをして貯蓄を作ることも意識しましょう。家計の見直しはどうしても、始めやすいので日々の食費を削ったりしてしまいがちです。しかし家計の見直しは、保険料や通信料など、一定の支払額が定期的に生じる「固定費」の見直しが効果的です。家計の見直しをすれば、口座から引き落とされる金額も減るため、さらに残高不足のリスクが下がるでしょう。

残高不足で口座振替できない状態を放置するとどうなる?

残高不足で口座振替できない状態を放置すると、制裁を受ける場合があります。気がついた時点で対応しましょう。

延滞が長期にわたりブラックリスト入りしてしまうと、ローンの審査に通りにくくなってしまいます。ここでは、残高不足で口座振替できない状態を放置すると、どのようなことが起こるのか解説します。

2度目以降はペナルティが発生する可能性がある

1度の残高不足で口座振替ができなかっただけで制裁を受けることはほとんどありませんが、2度目以降はペナルティを受けてしまう可能性があります。

具体的に発生の可能性があるペナルティは下記のとおりです。

  • 遅延損害金の発生
  • 利用限度額が下がる
  • クレジットカードの利用停止

数度に渡り、残高不足で口座振替できない状態が続くと、一般的に遅延損害金を請求されます。クレジットカードのショッピング利用の遅延損害金は上限利率14.6%で、原則としてこの利率が適用されます。

また、クレジットカード会社からは支払い能力に疑問を持たれてしまい、利用限度額が下げられてしまうこともあります。さらに利用金を支払えない状態が続くと、クレジットカードは利用停止になります。

すぐに請求された利用金を支払うことで、再びクレジットカードは利用できるようになりますが、支払えない場合は、完済するまでカードは使えないままです。

クレヒスに傷がつく恐れがある

数度にわたり残高不足で口座振替できず、利用金を支払わないまま延滞が1カ月半を超えると、クレヒス(クレジットヒストリー:信用情報)に延滞したという情報が残ってしまいます。

2カ月以内の延滞では2年間情報が信用情報機関に残るため、住宅ローンやクレジットカードを作成する際の審査通過は非常に難しくなってしまうのです。

さらに、延滞が3カ月以上もしくは61日以上にわたる場合や、遅延をくり返している場合はブラックリスト入りしてクレヒスに5年間消えない金融事故情報が残ってしまいます。

この状態になると、住宅ローンの審査やクレジットカードを作成する際の審査は通過できません。また、大手消費者金融ではお金を借りることもできなくなってしまいます。

つまり、良い条件でお金を借りることもできなくなってしまうため、そうなる前に対処しましょう。

金子賢司

CFP(日本FP協会会員)

監修者 金子賢司の一言コメント!

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クレヒスに傷がつくと、ローンやクレジットカードの審査に通るのが極めて難しくなります。基本的に5年間は、新しくローンを組んだり、クレジットカードを作ったりすることが難しくなると考えましょう。年を重ねると車や住宅購入など、大きな買い物をする機会が増えてきます。ローンやクレジットカードが利用できないと、欲しいタイミングで大きな買い物ができないなど、かなり日常生活で不便を感じるケースが増えてくるでしょう。

どうしても期日までにお金を用意できない場合の対応方法

どうしても期日までにお金が用意できない場合にも、できる対応方法があります。残高不足で口座振替できない状態を放置すると、どんどん状況が悪くなるため早急に対処しましょう。

ここでは、どうしても期日までにお金が用意できない場合の対応方法について紹介します。

ボーナス一括払い・リボ払い・分割払いに変更する

まず、クレジットカード会社に連絡して正直に状況を話し、ボーナス一括払い・リボ払い・分割払いに変更する方法があります。

これまでの利用実績に問題がなければ対応してもらえる場合がほとんどで、労力もそれほどかからず他の人に迷惑をかけることもなく、最もスマートな方法です。

ただし、ボーナス一括払い・リボ払い・分割払いに変更できたとしても、未払金がなくなったわけではないのでしっかり返済計画を立てて、支払いを実行していく必要があります。

可能であれば、なるべく繰り上げ返済することで、かかる利息手数料を減額できます。

金子賢司

CFP(日本FP協会会員)

監修者 金子賢司の一言コメント!

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リボ払いや分割払いは、毎月の支払額を抑えられるので、一旦利用し始めると何度も利用してしまいがちです。しかしリボ払いや分割払い(3回払以上)の手数料は高い傾向があり、長期的にみると大きな損失になっているかもしれません。どうしても一括で購入できないものを除いて、むやみにリボ払いや分割払いは避けましょう。お金があるときに繰り上げ返済なども活用すれば、手数料負担は抑えられます。

即日払いの日雇いの仕事をする

時間が取れる場合は、即日払いしてくれる日雇いの仕事をするのも一つの方法です。

即日でお金を受け取れるためメリットは大きいのですが、本業の仕事を持っている場合は、難しいケースが多いでしょう。できそうな仕事を見つけるのにも手間と時間がかかります。

仕事をする時間があり、うまく条件にあった仕事を見つけられた人のみ実行できる方法です。

持ち物で売却できるものを探して売る

持ち物で売却できるものを探し、リサイクルショップやアプリを利用したフリーマーケットで売る方法もあります。リサイクルショップはすぐに現金化できますが、売却価格はアプリを利用したフリーマーケットよりも低くなることが多いでしょう。

アプリを利用したフリーマーケットはすぐに売却できる保証がないため、現金化に時間がかかることもありますが、一般的にリサイクルショップよりも売却金額は高くなります。

どの程度差し迫った状況なのかによって、どちらが良いか判断して選びましょう。

質屋を利用する

価値の高いものを所有しているのであれば、質屋を利用してお金を用意することも可能です。

質屋での金利は月3.0%~8.0%程度で、融資限度額の相場は物品査定額の7割~8割程度です。貴金属や高級ブランド品の時計やバッグなどは状態にもよりますが、高額査定してもらえる可能性が高いでしょう。

質屋でお金を借りるには、運転免許証や健康保険証などの身分証が必要です。品物を持ち込み、査定してもらう必要があるものの即日でお金を融資してもらえます。

質屋の中には違法業者も存在するため、選ぶ際は全国質屋組合連合会に加入しているところを選びましょう。

家族や親族にお金を借りる

少額であれば家族や親族、友人などにお金を借りる方法もあります。きちんと返済できるのであれば、審査もいらず、利息もかからないため、手間や余計な費用をかけずにお金を用意できます。

ただし、きちんと返済しないと人間関係にひびが入ってしまったり、争いやトラブルのもとになってしまったりするため、いつまでに返済するのかしっかり計画を立てて相手に伝え、借用書などを交わしたうえで借りるようにしましょう。

生命保険の契約者貸付を利用する

生命保険の解約返戻金を担保にし、保険会社からお金を融資してもらえる制度を利用する方法もあります。

解約返戻金がある生命保険に一定期間以上加入している必要があるものの、審査なしで、かつ借入金利年2.0%~8.0%程度で借り入れ可能です。

消費者金融カードローンを利用する

支払方法が変更できない場合や自分でお金を調達できない場合、解約返戻金がある生命保険にも加入していない場合は、消費者金融カードローンを利用する方法もあります。

消費者金融カードローンは消費者金融会社が提供している融資サービスで、銀行のカードローンよりも借入金利は高くなり、審査はあるものの、最短即日借り入れが可能です。

また、一定期間無利息のサービスを行っている場合もあるため、返済計画をきちんと立てられるのであれば、手間もあまりかからず他の人に迷惑をかけることもないためおすすめの方法です。

ただし、クレヒスに記録が残るため、きちんと期日までに返済できていれば大きな問題はありませんが、返済できなくなってしまった場合はクレヒスに傷がつき、住宅ローンの審査やクレジットカードを作成する際の審査に影響を及ぼす可能性があります。

次の章では無利息期間のサービスを付帯し、比較的低金利の消費者金融カードローンを紹介します。

プロミス

プロミスはSMBCコンシューマーファイナンス株式会社が提供するカードローンサービスブランドです。

初めての利用なら最大30日間の無利息になるサービスがあり、無利息期間の起算日が初回利用日の翌日からとなっています(通常は初回契約日から)。

※30日間無利息サービスを利用するには、メールアドレス登録とweb明細利用の登録が必要となります。

上限の借り入れ金利は他の消費者金融カードローンと比較すると少し低めに設定されています。また、WEBで申し込みを完結でき、最短3分※で借り入れ可能です。

契約完了後、インターネット振込、スマホATM、提携コンビニATM、プロミスATM、電話の中から方法を選択して借り入れできます。申し込みから契約、借り入れまでスマホアプリで完結することも可能です。

スマホATMはセブン銀行ATM・ローソン銀行ATMで、プロミスカードを使わずに、スマートフォンだけで現金の借入・返済ができるサービスです。

プロミス

総合評価

  • 4.0点
実質年率 利用限度額 無利息期間
年4.5%~17.8% 最大500万円 30日間
審査時間 融資時間 お試し審査
最短3分※ 最短3分※

おすすめポイント

  • 金利が年17.8%でほかの消費者金融より低め!
  • 初回借入れの翌日から30日間は利息0円!
  • カードレスで借入も返済もできる!

※審査時間・融資時間:申込みの時間帯、利用する銀行、曜日、または本人確認書類の提出状況によって、当日中の融資ができない場合があります。
※無利息期間:30日間無利息サービスを利用するには、メールアドレス登録とWeb明細利用の登録が必要です。
※18歳・19歳の申込みについて:申込時の年齢が19歳以下の場合は、収入証明書類の提出が必須となります。高校生(定時制高校生および高等専門学校生も含む)は申し込めません。

アコム

アコムは三菱UFJフィナンシャル・グループの消費者金融業者です。初めての利用なら最大30日間の無利息になるサービスがあります。

WEBで申し込みを完結でき、最短20分※で借り入れ可能。契約完了後は24時間365日いつでも借入・返済ができて、カードレスでの借り入れもできます。

楽天銀行に口座を持っていれば最短10秒で銀行口座への振込での借り入れ可能です。その他の金融機関でも、営業時間内であれば、最短1分で振込融資が受けられます。

アコム

総合評価

  • 3.8点
実質年率 利用限度額 無利息期間
年3.0%~18.0% 最大800万円 30日間
審査時間 融資時間 お試し審査
最短20分※ 最短20分※ ◯ ※3秒診断

おすすめポイント

  • 最短20分で審査回答!来店不要!※
  • 24時間365日いつでも借入&返済できる!
  • はじめての人なら最大30日間、金利0円!

※お申込時間や審査によりご希望に添えない場合がございます。

アイフル

アイフルは全国展開している、テレビCMでおなじみの大手消費者金融です。初めての利用なら最大30日間の無利息になるサービスがあります。

WEBで申し込みを完結でき、最短18分※で審査が完了します。審査完了後、本人確認書類や場合によっては収入証明書を提出して契約完了です。

必要書類はインターネットからでも提出できます。

契約完了後、スマホアプリがあれば提携コンビニATMからでも借り入れできるようになります。銀行口座への振込で融資金を受け取ることも可能です。

アイフル

総合評価

  • 3.7点
実質年率 利用限度額 無利息期間
年3.0%~18.0% 最大800万円 30日間
審査時間 融資時間 お試し審査
最短18分※ 最短18分※ -

おすすめポイント

  • 初めてなら最大30日間無利息!
  • 会話ロボット「ぽっぽくん」に24時間相談OK!
  • 「1秒診断」で融資可能か簡易チェック可能!

※申込の状況によっては、希望に沿えない場合があります。

まとめ

口座振替が残高不足でできなかった場合は、気がついた時点でまずクレジットカード会社に連絡します。すぐにお金を支払えない場合も早急に連絡して、状況を伝え、支払日と支払方法を相談しましょう。

どうしても期日までにお金が用意できない場合にも、対応する方法があります。

支払方法をボーナス一括払いやリボ払いなどに変更したり、リサイクルショップ・フリーマーケット・質屋を利用したり、家族や親族にお金を借りたりするなどお金を用意する方法はいくつあるため、あきらめる必要はありません。

支払方法が変更できず、自分ですぐにお金用意できなかった場合は消費者金融カードローンを利用する方法もあります。

無利息期間があり、金利も良心的な消費者金融カードローンでも存在するため、返済計画をきちんと立てられるのであればおすすめの方法です。

さまざまなペナルティが発生し、最悪ブラックリスト入りしてしまう恐れがあるため、すぐにお金を支払えなくても残高不足で口座振替できない状態を放置するのはやめておきましょう。

残高不足で口座振替できなかった場合は、この記事も参考にして、自分に合った方法で早急に対応することをおすすめします。

金子 賢司

この記事の監修者

ファイナンシャルプランナー

金子 賢司さん

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