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現役世代の公的年金の将来はどうなる?

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現役世代の公的年金の将来はどうなる?

あなたは公的年金と聞くとどんなイメージがあるでしょうか。

「将来、本当にもらえるのだろうか」
「保険料を払った分だけもらえるのだろうか」
「年金自体がなくなるのではないだろうか」

など、不安が尽きないでしょうか。

実は、公的年金の本来の目的は3つのリスクに備える総合保険なのです。

それは加齢による収入減で何歳まで生きるかわからない「長生き」というリスク(老齢年金)、病気やけがで「働けなくなった」ときのリスク(障害年金)、大黒柱が「亡くなった」ときのリスク(遺族年金)などに備えてくれる保険の目的を持っています。

また、マクロ経済スライドで調整されたものは、「現役世代の保険料負担が過重にならないように、将来の高齢世代の給付水準を確保するために充てられる」仕組みになっています。

上山 由紀子

1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)

上山 由紀子

資格
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)、CFP®(日本FP協会認定)
経歴
金融機関に20年勤務。 上山FP事務所開業。 金融商品を販売しない独立系FPとして活動中。 相談業務(オンライン・対面)、講演(都城市、三股町、宮崎市男女参画等)、執筆、取材協力(宮崎放送局)など。
活動情報
得意分野
家計相談、教育資金・老後資金の相談、資産運用、保険の見直し、住宅ローンなど

あなたの加入している年金を確認しましょう。

公的年金は働き方・暮らし方に応じて加入する年金が変わります。あなたはどの年金に加入していますか。下図(※1)で確認してみましょう。

いっしょに検証!公的年金

(※1)画像引用:厚生労働省:いっしょに検証!公的年金(日本の公的年金は「2階建て」)より

現役世代の加入する年金は大きく分けて3つに分かれます。

1.自営業者・大学生など

国民年金(第1号被保険者)は20歳から原則60歳までの40年間(満額)、保険料を納めます。令和2年度で保険料は毎月1万6,540円です。

そして、年金を受給するのは原則65歳から亡くなるまで、月額約6万5,000円(満額)です。基礎年金(定額)1階部分だけです。

2.会社員・公務員など

厚生年金(第2号被保険者)は就職してから退職まで月給の18.3%を納めます。ただし、半分は会社が負担してくれます。そして、年金を受給するのは原則65歳から亡くなるまでです。

モデルケースでは、月に約14万9,000円が受給できます。2階建てで基礎年金と厚生年金を合わせた金額になります。基礎年金は定額で厚生年金は賃金に比例した年金額となります。

3.専業主婦など

国民年金(第3号被保険者)は20歳から原則60歳までの40年間、配偶者として夫に扶養されている専業主婦の方です。第3号被保険者はご自身で保険料を納めずに夫の加入している第2号被保険者全体で保険料の負担をしてもらっています。

そして、年金を受給するのは原則65歳から亡くなるまで、月額約6万5,000円(満額)です。基礎年金(定額)の1階部分だけです。

働き方を変えると加入する年金が変わる

働き方を変えると加入する年金が変わります。

たとえば、20歳から30歳まで会社に勤め(第2号被保険者)、31歳から60歳まで自営業者(第1号被保険者)だったとすると、20歳から60歳までは基礎年金を40年間(満額)納めたことになり、原則65歳から亡くなるまで月額約6万5,000円を受給し、厚生年金は20歳から30歳まで保険料を納めています。

賃金に18.3%(労使折半)を乗じた金額の保険料を納めていますので、賃金に比例した金額が亡くなるまで受給されます。働き方を途中で変えていますが、トータルすると基礎年金と厚生年金を受給することになります。

あなたはどの働き方、暮らし方で、どの年金でしょうか。

今年の年金額はいくら?

毎年1月に厚生労働省から年金額改定が発表になります。(※2)令和2年度は国民年金(基礎年金満額)で月額6万5,141円です。

厚生年金はモデルケースがあり、夫が平均的な収入で40年間就業し、妻が40年間専業主婦だったという設定で夫婦二人合わせて22万724円です。

前年と比べると受給金額が増えています。現在では、国民年金(満額)で約月額6万5,000円、厚生年金と国民年金合わせてモデルケースで約22万円です。

令和2年度の新規裁定者(67 歳以下の方)の年金額の例

(※2)画像引用:厚生労働省:令和2年度の年金額改定についてお知らせします。より

高齢者が受給する年金の財源は?

現在、公的年金制度では高齢者が受給する年金は現役世代の負担によって賄う「賦課方式」です。公的年金の給付は、

「①保険料収入」
「②国庫負担」
「③積立金(元本の取り崩し及び運用収入)」

の3つの財源により賄われています。現役世代の保険料と国庫負担が財源の中心で、積立金は補助的な役割になっています。(※3)

2004年改正による年金制度における長期的な財政の枠組み

(※3)画像引用:社会保障審議会年金部会:2019年財政検証関連資料より

図①保険料収入は、厚生年金で2017年度以降は18.3%(労使折半)を上限に固定され、国民年金は月額1万7000円を上限に固定されます。
図④年金額はマクロ経済スライドを導入して自動調整する仕組みとなっています。

また、下図(※4)を見てみると「長期的な経済前提(ケースⅤ)」では、「年金別の財源の構成割合」を2020年度から2115年度までを表示しています。おおよそ、保険料から7割、国庫負担が2割、積立金が1割程度の構成になっているのが見て取れます。

年度別の財源の構成割合

(※4)画像引用:社会保障審議会年金部会:2019年財政検証関連資料より

マクロ経済スライドとは?

マクロ経済スライドとは

公的年金被保険者の減少と平均余命の伸びに基づいて、スライド調整が設定され、その分を賃金と物価の変動がプラスとなる場合に改定率から控除し、緩やかな年金の給付水準を調整する仕組みとしています。

マクロ経済スライドを実施することにより、現役世代の保険料支払いが過重にならないように将来の高齢者世代の年金の給付水準を確保するためとしています。

下図(※5)をみていただくと、働く人が増え、支える被保険者(年金保険料を納める人)が増えれば、必要な調整を行ったうえで年金額を増加することも可能になるとしています。

マクロ経済スライドによる調整の具体的な仕組み

(※5)画像引用:社会保障審議会年金部会:2019年財政検証関連資料より

支える被保険者を増やすために厚生年金(第2号被保険者)の適用拡大にかかる見直しをしています。

2022年10月に100人超規模の企業、また、2024年10月に50人超規模の企業まで適用拡大します。

なぜ、厚生年金(第2号被保険者)の拡大を進めるのか?

単に支え手を増やすためではなく、拡大される人の将来の年金額の確保も考慮されているのです。

そうすることで被保険者全体での支え合い、将来の高齢者の年金確保へも繋がることになります。

財政検証をご存知ですか?

我が国の年金制度を少なくとも5年ごとに「財政見通しの作成」「マクロ経済スライドの開始・終了年度の見通しの作成を行い、年金財政の健全性を検証する」ことを「財政検証」といいます。

言い換えれば、年金の健康診断のようなものです。5年ごとの時代の状況と将来世代の年金受給などを考慮し、

  1. 経済成長と労働参加が進むケース
  2. 経済成長と労働参加が一定程度進むケース
  3. 経済成長と労働参加が進まないケース

などに分けて検証しています。

公的年金の給付水準を示す指標、所得代替率とは?

所得代替率とは

現在、年金を受給している人の年金額が現役男子の手取り収入の何%くらいを受給しているかを表すものです。

この財政検証で使われるモデルケースは上記(※2)で示された夫婦で月額約22万円の年金額で計算されています。

2019年度の所得代替率は61.7%です。計算式は次の通りです。

所得代替率=(夫婦2人の基礎年金+夫の厚生年金)÷現役男子の手取り収入額」
61.7%=(13万円+9万円)÷35.7万円」

 
現役男子の手取り収入額35.7万円に対し、受給している夫婦2人の年金額22万円が何%になるのかを示したものです。

2019年度の財政検証では、経済成長により所得代替率がどのようになるのかをモデルケースで検証しています。

2019年財政検証結果は?

2019年度の財政検証結果は、下図(※6)のようになっています。

2019年財政検証結果

(※6)画像引用:社会保障審議会年金部会:2019(令和元年)年財政検証結果のポイントより

  1. 経済成長と労働参加が進むケース
  2. 経済成長と労働参加が一定程度進むケース
  3. 経済成長と労働参加が進まないケース

に分け、また、ケースⅠからケースⅥに細かく分けて検証しています。

経済成長と労働参加が進むケースでは、マクロ経済スライド調整後も所得代替率50%を確保していると検証結果を出しています。(経済前提は、前回よりも控えめに設定、労働供給は、前回よりも労働参加が進む前提)

では、将来の検証結果を経済成長率が0.0%のケースⅤで見てみたいと思います。

経済成長率が0.0%の場合の年金受給額の推移は?

上記(※6)の青いラインの経済成長と労働参加が一定程度進むケースで経済成長率が「0.0%」のケースⅤの場合の年金受給額と所得代替率の推移を表したものが下図(※7)になります。

2019(令和元)年財政検証の結果について

(※7)画像引用:社会保障審議会年金部会:2019(令和元年)年財政検証結果のポイントより

左端の2019年度は上記(※2)でみたモデルケースです。

2019年度は所得代替率が61.7%で年金受給額が夫婦2人で月に約22万円でした。

このモデルケースの夫婦が

物価上昇率0.8%、賃金上昇率0.8%、運用利回り2.0%、経済成長率0.0%

で5年後の2024年から2058年までの検証結果を出しています。

所得代替率が50%に到達するのが2043年です。

2043年度の現役男子の手取り収入額が41.5万円、年金受給額が20.7 万円です。

少しは年金受給額が減少しますが、2019年度の年金受給額から大幅に減少してはいません。

まとめ

将来、受給する年金など、報道で紹介されることは本当のことかもしれません。

しかし、断片的に伝えられることで違うとらえ方をされることもあると思います。

私たちの年金は共助で成り立っています。総合保険ということもお伝えしました。

また、将来の受給者のために少なくとも5年ごとの財政検証が行われ年金制度がより良い方向で継続していくことができるように考えられていることを知っていただき国民全員で支え合っていくことが大切ではないかを一人ひとりが考えるきっかけにしていただければ幸いです。

上山 由紀子

1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)

上山 由紀子

資格
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)、CFP®(日本FP協会認定)
経歴
金融機関に20年勤務。 上山FP事務所開業。 金融商品を販売しない独立系FPとして活動中。 相談業務(オンライン・対面)、講演(都城市、三股町、宮崎市男女参画等)、執筆、取材協力(宮崎放送局)など。
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