私たちは日々の暮らしの中でお金を遣っていますが、それ以外に将来必要になるお金や万一の際に必要になるお金もあります。

お金が必要なときに必要な額を用意するには、あらかじめ貯蓄するか借りるしかありません。
ローンは状況によっては家計の負担が大きく、できれば貯蓄を重視したいもの。

では他の人はどれくらい貯蓄をしているものなのでしょうか?
またこれから何にどれくらいのお金を用意しておけばよいのでしょうか?

うらのまさこ

日本FP協会認定CFP®

うらのまさこ

資格
日本FP協会認定CFP®、1級FP技能士、宅地建物取引士、日本学生支援機構認定スカラシップ・アドバイザー(2019年10月認定)
経歴
大阪生まれ奈良育ち、愛知県在住のFP。現在大学生の息子の母でもあります。 大手不動産会社にて新築マンション販売・仲介・市場調査に6年間従事後、専業主婦に。 その後生命保険見直しをきっかけにお金の大切さに目覚め、2005年に独立。 講演・執筆・相談活動を通じて、複雑なお金のしくみを教えたり、夢・目標・ ライフプラン実現のためのお金の使い方、貯め方、 増やし方、万一の際の備え方などをお伝えしています。
活動情報
得意分野
ライフプランニングと資金計画・金融資産運用・リスクと保険

一般的にどれくらい貯めている?

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和元年)」によると、金融資産を保有している世帯の年齢別資産額は以下のとおりです。

世帯主年齢 資産額平均 資産額中央値
20歳代 220万円 165万円
30歳代 640万円 355万円
40歳代 880万円 550万円
50歳代 1574万円 1000万円

一方、約2割は貯蓄していないそうです。

彼らの9割は老後に不安を感じ、「年金・保険や金融資産など老後資金の不足」が最大の不安要因だと、また主に家計を支えている人が年金を受給する時期にいくら金融資産があればよいかとの問いに最低1974万円と回答しています。

年金だけでは足りない【老後費】、実際いくら不足?

年金制度基礎調査(老齢年金受給者実態調査)平成28年によると65歳以上の世帯支出

夫婦で月24.4万円(年換算約293万円)
男性単身で月17.3万円(同208万円)
女性単身で月14.3万円(同172万円)

となっています。
次に、収入の核となる公的年金の平均年間受給額を見てみましょう。
自営業を中心に働いていたケース

男性109.4万円、女性88万円

に対し、正社員中心のケースは、国民年金に厚生年金等が上乗せされるため額が増え、

男性209.8万円、女性137.5万円

となっています。

自営業世帯では年100万円程度を目安に、別にお金が必要だということがわかります。

また、昨年の金融庁の報告書「高齢社会における資産形成・管理」では、老後資金2000万円不足が話題になりました。

夫65歳以上妻60歳以上の無職の夫婦をモデルに、
年金を約19万円受給していても家計は月約5万円の赤字になり、
累計すると30年間で2千万円もの資金の取り崩しになる

という内容でした。

正社員+無職またはパート勤務だった世帯であればこのようなイメージでしょうか。

しかしながら上記の数字は現在のもの。
今後は「長寿化」「単身世帯の増加」「認知症の人の増加」によって、税や社会保障の負担増に加え、社会保障制度の縮小も考えられます。

働き盛りの間の家計管理と資産形成、リタイア後の資産の延命、完全リタイアの後ろ倒し、そして健康寿命を延ばす、といった自助努力が安心の老後には大切。

そのためには、まず確定拠出年金やNISA、つみたてNISAといった、国が後押しする税制優遇の資産形成制度を活用してみるとよいでしょう。

買ったほうがいいの?それとも借りたほうがいいの?【住居費】

2019年度フラット35利用者調査によると、マイホーム購入の所要資金は全国規模で見て、

マンション:4521万円
土地付注文住宅:4257万円
建売住宅:3494万円
注文住宅:3454万円
中古マンション:3110万円
中古戸建:2574万円

となっています。

一方、ローンの月の返済額はそれぞれ、12.1万円、11.71万円、9.8万円、9.33万円、8.83万円、7.6万円です。

家賃を支払うくらいなら同額のローンを返済して購入した方がトク

と考える方は多いかもしれませんが、注意すべき点もあります。

まず購入時に頭金以外に数百万円もの費用が、またおおむね10年ごとに100万円程度は維持費用がかかるということです。

また不動産は今後減価するもの、と考えておいた方が無難でしょう。

人口減少、地域格差の拡大、自然災害リスク、さらに今年はコロナ禍での生活様式の変化、と不動産を取り巻く環境は不透明です。
購入の際には長期で住むことを前提に、特に実家を相続する可能性がある方は相続税の面からも購入すべきかどうか、検討しましょう。
 

【教育費】はいつから何で準備すべき?

文科省平成30年度子供の学習費調査によると、学習費総額は幼稚園から高校まで全て公立でも500万円以上かかっています。

高校は現在授業料無償化により、私立でも負担軽減される家庭が多いですが、小学校・中学校は私立の場合公立に比べ年間100万円程度かそれ以上多く見ておく必要があります。

大学費用については、生命保険文化センターの資料では、最安の国立において4年間で約524万円、私立文系で約663万円、私立理系で約809万円、となっています。

専門学校は私立理系並みと考えてよいでしょう。
下宿の場合はさらに月6~8万円程度かかるようなイメージです。

また受験時にもお金がかかることを忘れてはいけません。
全国大学生協連合会の調査では、入学した学校の入学金や下宿に要する費用を除いても約60万円かかっています。

進学費用=子ども(学資)保険

で、というイメージが根付いていますが、中には払込保険料総額より受け取る保険金のほうが少ない、という元本割れ商品もあります。

保険で貯蓄をすることが非常に難しい超低金利の今、世帯主の死亡保障は別に加入し、学費は誕生を機に、10年以上時間をかけて投資信託といった元本変動型の金融商品で積み立てる、という方法もあります。

おすすめは前述のつみたてNISAです。
進学時期に資金的に厳しいようであれば、奨学金や教育ローンなど検討してみるのもよいでしょう。

いついくら準備すればいいの?のお役立ちツール

まず「ライフイベント表」を作ってみましょう。
今年度から1年毎にあなたやご家族の年齢を書き、その年度のイベントと予算(かかる費用)を記入していきます。例えば、

2020年度
太郎40歳 花子40歳 一郎13歳 私立中学入学 60万円
2021年度
太郎41歳 花子41歳 一郎14歳 車の買い替え 200万円

という感じです。

ほかに、家のメンテナンス、大型家電買い替え(5~10年毎)、親や子どもにかかる費用など、目安として10万円以上かかりそうなものを思いつくまま記入していってください。
あなたとご家族の将来とお金のイメージができてくると思います。

余力があれば「キャッシュフロー表」にも挑戦すると、家計の収支や資産残高の推移も見える化することができます。

筆者が所属する日本FP協会ウェブサイト内「便利ツールで家計チェック」では、上記ツールをPDFやExcel版で無料提供しています。

ぜひご活用ください。

キャッシュフロー表に「お金を色分け」してみましょう。

「遣う」「貯める」「増やす」「備える」と書いてある、4つの袋を想像してみてください。
お給料が入った時点で、お金をいずれかの袋に入れます。

たとえば40万円入ったとして、ふだんの生活費に20万円かかるとします。
その場合は20万円は「遣う」の袋に入れます。

医療保障や死亡保障などの保険に加入している場合は、そのお金は「備える」の袋に入れます。

車の買い替えや家のリフォームなどを予定していて、お金が必要になる時期が近い場合は「貯める」の袋。

働き盛りの方で、子どもの進学や老後資金など、目安として10年以上お金を使う時期が来ない場合は「増やす」の袋です。

「遣う」の袋=普通預金口座
「貯める」の袋=定期預金
「増やす」の袋=投資信託

といったように、手元にあるお金を用途別に金融商品も変えて管理していくと、すっきり整理できます。

うらのまさこ

日本FP協会認定CFP®

うらのまさこ

資格
日本FP協会認定CFP®、1級FP技能士、宅地建物取引士、日本学生支援機構認定スカラシップ・アドバイザー(2019年10月認定)
経歴
大阪生まれ奈良育ち、愛知県在住のFP。現在大学生の息子の母でもあります。 大手不動産会社にて新築マンション販売・仲介・市場調査に6年間従事後、専業主婦に。 その後生命保険見直しをきっかけにお金の大切さに目覚め、2005年に独立。 講演・執筆・相談活動を通じて、複雑なお金のしくみを教えたり、夢・目標・ ライフプラン実現のためのお金の使い方、貯め方、 増やし方、万一の際の備え方などをお伝えしています。
活動情報
得意分野
ライフプランニングと資金計画・金融資産運用・リスクと保険