実際いくら準備しておけばいい?妊娠出産にかかる費用と国からもらえるお金

妊娠出産は、人生においても、家計においても、大きなターニングポイントです。安心して妊娠出産し、ゆとりをもって子育てをスタートさせるためには、具体的にどのくらいお金を準備しておいたら良いのでしょうか。

今回は、病院によって異なる妊婦検診や出産費用、国からもらえるお金、さらに、切迫早産などのトラブルがあった場合にかかる医療費など、妊娠出産にかかるお金のアレコレについて解説します。

下中 英恵

1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)

下中 英恵

資格
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者
経歴
東京都出身。2008年慶應義塾大学商学部卒業後、三菱UFJメリルリンチPB証券株式会社に入社。 富裕層向け資産運用業務に従事した後、米国ボストンにおいて、ファイナンシャルプランナーとして活動。 現在は日本東京において、資産運用・保険・税制等、多様なテーマについて、金融記事の執筆活動。
活動情報
得意分野
家計管理、資産運用、保険など

妊娠期間中に必要なお金

まずは、妊娠中にかかるお金をチェックしていきます。一般的に、女性が妊娠に気が付くのは、妊娠2~3ヶ月頃。出産予定日となる臨月まで、約7~8ヶ月間、その間に大体15回ほど妊婦検診に通うことになります。

初回の妊婦検診は、尿検査やエコー検査、血液検査などを行うのが一般的です。

妊婦検診にかかる国からの補助金制度は、妊娠確定後の妊婦検診から使えるようになるため、正常に妊娠をしているかどうかを確認する初回の妊婦検診は、すべて自費となります。

また東京都内など都市部の場合、初回妊婦検診では、大体1万円くらいかかると覚えておくとよいでしょう。

そして、無事に正常な妊娠であることが確認されると、定期的な妊婦検診に通うことになります。

自分が住んでいる地域の役所などで手続きを行うと、母子手帳と一緒に、妊婦検診の自己負担分を少なくすることができる「受診票」と呼ばれる補助券を発行してもらえます。

通っている病院や、検査内容にもよりますが、かかりつけの病院に受診票を提出することにより、1回の妊婦検診にかかる自己負担額は、無料〜5,000円ほどとなります。

妊娠から出産まで、大きなトラブルがなければ妊婦検診に必要なお金は、全部合わせて5万円から10万円くらいだと考えておきましょう。

出産費用はどのくらい?

次に、出産に必要なお金を確認していきましょう。

現在、日本では、様々な出産方法を妊婦さんが選択できるようになりました。

例えば、助産院や家の近くの個人病院、さらに自宅出産など、より自然に近い形で出産する方法や、大学病院などの大きな総合病院で自然分娩をする方法、出産時の痛みを麻酔で取り除く無痛分娩や和痛分娩などの方法があります。

一般的に、東京都内などの大都市部の病院は、出産費用が高くなる傾向があり、地域によってかかるお金が異なります。

里帰り出産をするのか、都市部で出産するのか、また、どの病院で、どのような出産方法を選択するかによって、出産費用は大きく変わってくるので、妊娠期間中に、慎重に病院選びを行う必要があります。

例えば、皇室の秋篠宮妃紀子様が長男の悠仁様を出産されたことで有名な、東京都にある「愛育病院」の場合、お母さん、赤ちゃん共に6日入院(一般室使用)で、出産費用は74万円からとなります。

さらに出産の痛みを軽減させる麻酔分娩をする場合は、プラス20万円〜25万円、個室を希望する場合、1日につき、プラス2万円〜7万円となっています。

愛育病院 出産のための入院費用のご案内

高額な出産費用に驚いてしまう方もいるかもしれませんが、出産費用は、国の制度を活用すれば、補助をしてもらうことが可能です。

出産するお母さんが健康保険に加入している場合、赤ちゃん一児につき、42万円(産科医療補償制度の対象外となる出産の場合は40.4万円)が、出産育児一時金として支給されます。

例えば、出産費用が70万円の方の場合、28万円(70万円-42万円)が自己負担額となります。

分娩費用が安い個人病院や助産院で出産すると、出産費用が42万円以内に収まることもあるので、必ず手続きを行いましょう。

出産一時金の詳細な内容や、手続き方法については、こちらの全国健康保険協会ホームページを確認してください。

全国健康保険協会 子どもが生まれたとき

妊娠・出産時のトラブルに必要なお金

妊娠出産には、絶対安心ということはなく、誰でもトラブルが起こる可能性があります。

妊娠糖尿病、妊娠高血圧症候群、切迫早産など、妊娠期間中に特別な治療が必要となったり、長期で入院しなければならないケースもあります。

万が一、長期入院となった場合、どのくらいの費用がかかるのか確認しておきましょう。

例えば、妊娠7ヶ月頃に切迫早産と診断されて、病院に入院し、臨月を迎えるまで入院したケースを考えます。
一般的に、切迫早産での入院は、医療費と食費などで、1日1万円ほどがかかります。
出産するまで入院したとすると、入院費用は、合計90万円くらいになるでしょう。

入院期間中に個室を希望したり、保険が効かない薬を使用した場合、さらに医療費がアップします。

高額療養費制度で自己負担額が減らせる

長期入院の医療費は、家計にとって大きな負担となりますが、実際は、「高額療養費制度」を活用すると、医療費の自己負担額を大幅に減らすことができます。

これは、医療機関や薬局の窓口で支払う医療費が1か月で上限額を超えた場合、その超えた額を支給してもらえる制度で、申請は、自分が加入している健康保険組合に連絡をして行います。

上限額や手続き方法は、人によって異なるので、まずは、加入している健康保険組合に連絡してみましょう。

また、確定申告を行うことで、税金の負担を減らすことができる「医療費控除制度」も利用することが可能です。

妊娠出産だけではなく、それ以外の医療費も併せて申請ができます。

実際にトラブルが起こってしまった場合は、確定申告の際に、制度を利用することを検討してみましょう。

出産時の赤ちゃんへのトラブルの場合

さらに、出産時のトラブルは、お母さんだけではなく、赤ちゃんにも起こる可能性があります。

赤ちゃんが早産となり、少し小さめに産まれてしまったり、産まれつき体にトラブルがあった場合、赤ちゃんは、NICU(新生児特定集中治療室)と呼ばれるところで、しばらく入院となることがあります。

ただし、赤ちゃんのNICUでの長期入院にかかる費用は、「未熟児養育医療保険制度」という保険制度によって、自己負担額を減らすことが可能です。

赤ちゃんが早産だった場合、この保険制度によって、自己負担はおむつ代など身の回りのお世話に必要なお金程度になります。

妊娠出産に関わる医療費で、経済的に困ってしまった場合、まずは、加入している保険制度や、地域の子育て支援課に相談してみましょう。

自己負担額を減らすことができる制度があるケースもあるので、一人で悩まないことが大切です。

まとめ

妊娠出産で、お母さんの体は大きく変化し、精神的にも不安を感じやすくなります。

そこで、事前に国の制度や、出産費用などをあらかじめ確認しておくことで、お金に関わる不安や悩みを取り除くことができますね。

これから妊娠出産を予定されている場合は、今回ご紹介した内容を参考にしながら、妊娠出産に必要なお金はいくらなのか、またどのように準備したらよいのか、ご夫婦で話し合ってみてはいかがでしょうか。

下中 英恵

1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)

下中 英恵

資格
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者
経歴
東京都出身。2008年慶應義塾大学商学部卒業後、三菱UFJメリルリンチPB証券株式会社に入社。 富裕層向け資産運用業務に従事した後、米国ボストンにおいて、ファイナンシャルプランナーとして活動。 現在は日本東京において、資産運用・保険・税制等、多様なテーマについて、金融記事の執筆活動。
活動情報
得意分野
家計管理、資産運用、保険など