もし、キャッシングやカードローンの返済が滞ってしまったら、どんなことが起こるのでしょうか?
例えば、カードローンに申し込んだ当初は安定した収入があって返済も問題なくできていたのに、なんらかの理由で職を辞することになり収入が途絶えてしまうことも考えられます。
また、複数社からの借入を重ねたため毎月の返済額が大きく膨れ上がってしまい、返すに返せないといった状況もありえます。
今の世の中、このような状況は誰にでも起こり得ることです。
では、返済ができない時、私たちはどうすれば良いのでしょうか?
返済が遅れると何が起きるのか
まず、返済日に返済ができないといった状況、つまり毎月の支払いを延滞すると起こり得る問題をいくつかピックアップしてみましょう。
遅延損害金の発生
お金を借りた人が、決められた期日までに返済を行わなかった時に発生する損害賠償金のことで、ほとんどの業者は20.0%に設定しています。
例えば、借入残高が30万円あって返済が10日遅れた場合
- 30万円×20.0%(遅延損害金利率)÷365日×10日(滞納した日数)
という計算になり、遅延損害金は16,438円となります。
計算式からもわかるように、かなり大きな金額ですし、1日でも早く返さないとさらに金額は膨らみます。
借入限度額が減らされる
延滞を繰り返すと、最悪利用を止められることもあります。
信用情報に記録が残る
延滞を放置すると、信用情報機関に情報が送られ記録に残ることになります。
この情報はほかの金融機関とも共有されるので、新たな借入ができなくなることもあります。
このように、返済が遅れるとさまざまなペナルティが課せられます。
とにかく1日でも早く返すことが、ダメージを少なくするために重要なことです。
延滞などのトラブルを避けるためにできること
誰もが返済ができない状況を想定して、カードローンやキャッシングを利用するわけではありません。
しかし延滞などのトラブルを避けるために、自分でできることはあります。
お金の流れをきちんと把握しておく
多重債務に陥った人の多くが、「知らない間に借金が膨れ上がっていた」と言います。
返済額や利息、残高や完済予定などを把握しておくと、使い過ぎにもいち早く気づくことができるので、無理のある借入自体を行わなくなります。
おまとめローンで返済の一本化
複数社から借入をしている人は、それだけで毎月の返済額が膨れ上がってしまいます。
複数社からの借入を一本化できるおまとめローンを利用すれば、返済日も一度にまとめられ精神的にも楽になります。
また、返済は長期化してしまいますが毎月の負担は軽くなります。
ただ、必ずしも金利が下がる訳でなく、かえって支払総額が大きくなってしまうこともあるので注意が必要です。
どうしても返せない時は
今月は返済ができないではなく、今後の見通しが立たず、「どうしても返せない」という時は、債務整理という手段もあります。
いきなり「自己破産」はなかなかハードルが高いと思われますが、債務整理には複数の方法があるので、そちらも一緒にご紹介します。
自己破産
裁判所に申し立てを行い、すべての返済義務を免除してもらう方法です。
メリットは大きいのですが、家や車など、お金に換えられる財産はすべて返済に充てる必要があるなど、デメリットもあります。
特定調停
簡易裁判所を間に挟み、減額や支払い方法について債権者と交渉します。
弁護士や司法書士に頼まなくても自分で申請できるので、費用も抑えることができます。
任意整理
弁護士や司法書士に依頼して、減額や支払い方法について債権者と交渉してもらう方法です。
相応の費用は掛かりますが、専門家に依頼する安心感があります。
個人再生
3年間の返済計画を立て、それが裁判所に認められれば3年後に残る借金の支払いは免除になります。
最大で10分の1にまで減るので、メリットは大きいでしょう。
これらの方法は最終手段ではありますが、このような救済措置があることを知っておけば、どうしても立ち行かない状況に陥ったとしても、最低限の生活を守ることはできます。
「どこも貸してくれなかった」といって、闇金のような違法業者を頼ってしまえば、自分だけでなく、家族にまで迷惑がかかってしまいます。
債務整理に関しては、無料で相談を行っている機関もあるので、まずは相談をしてみましょう。
「返済ができない」という状況を作り出さないことの大切さは、おわかりいただけたかと思います。
もし今、少しでも返済を負担に感じるようなことがあれば、早急に家計や返済プランを見直しましょう。
また、返済のために借入をしているという人は、すでに多重債務に陥っていることだと認識する必要があります。
本来、キャッシングやカードローンは私たちの生活を助ける便利なもの。
返済が負担になって体を壊したり、精神的に追い詰められたりすることがあってはいけません。
収支のバランスをよく考え、無理のない範囲で利用するようこころがけましょう。