複数のローンを抱えている場合、どれから優先的に返すべきか迷う人も多いでしょう。実は優先順位のつけ方によって、返済総額や返済にかかる期間が変わります。

そのため、ベストな優先順位のつけかたを知っておくだけでも、返済の負担を減らせるんです。

この記事では、ローン返済時の優先順位についてご紹介します。

この記事でわかること

  • ローンは金利の高いものを優先的に返すのがおすすめ
  • 担保付きのものや少額ローンも優先しよう
  • 借金を早く返すためのコツは5つ

ローン返済は金利の高いものから優先的に返済すること

ローン返済で重要なのは、金利の高いものから優先的に返済することです。正しい優先順位をつければ、利息の負担を最小限に抑え、効率的に返済できます。

金利を含めた「優先的に返済すべき借金の種類」は以下のとおりです。

  • 金利の高いもの
  • 担保が取られているもの
  • 借入額が少額のもの

なるべく返済額が安く、精神的にも負担が少ない順序で返すのがベストですよね。それぞれの内容について、わかりやすく解説していきます。

1.金利の高いもの

まず返済すべきは、金利の高いローンです。金利が高い借金は、返済期間が長引くほど利息の負担が大きくなり、借金の総返済額が膨れ上がってしまいます。

では同じ金額の借金でも、金利の違いによってどれだけの差が生まれるのでしょうか?たとえば、50万円の借金を1年半で返済する場合、金利3%と15%では、以下のように返済総額が変わります。

金利 返済総額
年3.0% 51万1,959円
年15.0% 56万1,463円

1年半で約5万円の差が生まれることになりますね。返済期間がより長引けば、金額の差はさらに大きくなってしまいます。

返済総額が減れば、完済までの期間も短縮できます。高金利の借金を完済すれば開放感も得られそうですね。

そのため、金利が高いものはなるべく早く返済してしまいましょう。ただし、ほかのローンの返済が滞らないことが前提です。

2.担保が取られているもの

次に優先すべきは、担保が取られているローンです。担保付きローンを優先すべき理由は、返済が滞った場合、担保として提供した資産を失ってしまう可能性があるからです。

担保とは、ローン返済の保証として債権者(お金を貸す側)に提供する資産のことを指します。もしも返済が滞っても、債権者はその担保を売却して、未返済分の借金を回収できるようになっています。

担保の例としては以下のようなものが挙げられます。

  • 不動産:土地や建物
  • 有価証券:株式や債券
  • 動産:車両や事業用機械など
  • 人的担保:保証人や連帯保証人が借り手の代わりに返済義務を負う

どれも失ったら大きな痛手となる資産ですね。特に人的担保は、自分以外の人にも大きな負担をかけてしまう可能性があります。

担保が取られている借金は優先順位を高めにし、確実に返済しましょう。

3.借入額が少額なもの

借入額が少額の借金も、優先的に返済するのがおすすめです。

少額であれば比較的短期間で完済できるため、達成感を得やすく、ほかの借金返済へのモチベーション向上に繋がります。また借入先が減ることで、管理の手間も軽減されます。

完済した分の返済資金をほかの借金に充てれば、より素早く完済できるでしょう。

多額の借金を長期にわたってずっと返済するのは、精神的にも負担が大きいです。もしすぐに完済できそうな借金があるなら、そちらを優先してみるのもおすすめです。

ただし金利が高いローンを後回しにしてしまうと、返済総額が膨らんでしまいます。ほかの借金の金利や金額を考慮しつつ、優先順位を決めてみましょう。

ローン返済の優先順位をつける際の注意点

金利の高いものから返済するのが基本ですが、優先順位を決める際にはいくつか注意すべき点があります。

  • 住宅ローンは優先順位を下げてもよい
  • 消費者金融とクレジットカードのリボ払いも金利で優先順位を決める

どちらもつい、これからご紹介する内容と逆のことをしてしまいがちです。特にリボ払いは「借金」というイメージが湧きにくいかもしれませんが、優先順位を決める上では借金として考えるのが大切です。

住宅ローンは優先順位を下げてもよい

住宅ローンに関しては、優先順位を上げる必要はそこまでありません。住宅ローンは元金が大きく完済に時間がかかるため、ほかの借入から返済していくほうが結果的に効率がよいケースも多いからです。

また、住宅ローンの金利はほかのローンと比べても比較的低めに設定されることが多いです。そのため無理に優先順位を上げてもメリットが小さいでしょう。

住宅ローンは繰上げ返済すべき?

しかし経済的に余裕がある場合、住宅ローンを早めに完済してしまいたいと考える人も多いですよね。その場合、住宅ローン控除の期間が終了しているのであれば、繰上げ返済を検討してもよいでしょう

住宅ローン控除とは、年末時点の住宅ローン残高の0.7%が最大13年間、所得税から控除される制度です。返済期間が10年以上ある住宅ローンに適用されます。

住宅ローン控除が適用される期間中は、繰上げ返済をせず控除を受けたほうが支払総額が少なく済む可能性があります。

メリット デメリット
住宅ローンの繰上げ返済をする より早く住宅ローンの返済から解放される 住宅ローン控除額が小さくなる
住宅ローンの繰上げ返済をしない 住宅ローン控除を長く受けられる 住宅ローンの返済からなかなか解放されない

上記のようなメリット・デメリットを比較した上で検討してみるのがおすすめです。

消費者金融とクレジットカードのリボ払いも金利で決める

消費者金融とクレジットカードのリボ払いも、金利の高いほうを優先して返済するのがおすすめです。

特に重要なのは、クレジットカードのリボ払いも借金として考える点です。

リボ払いは、利用額に関係なく毎月一定の金額を支払う方法。一見便利に見えますが、実際は「先に借金をし、毎月一定額を返済していく」という状態と変わりありません。

特にリボ払いは金利が高く設定されていることが多いです。そのためリボ払いも「借金」とみなし、優先順位を高めに設定しておいたほうが、返済額をより抑えられるでしょう。

優先順位の付け方のシミュレーション

どのような優先順位で借金を返済するべきか、事例をもとにシミュレーションしてみましょう。金利の違いによってどれだけ返済総額に差が生まれるのか、具体的な数字で確認できるよう2つの例をご用意しました。

事例1

まず1つ目の例として、以下のケースについて考えてみましょう。

借入額 利率
A社 20万円 18.0%
B社 30万円 10.0%

毎月3万円ずつ返済していくと仮定した場合、金利が高いA社から返済したほうが返済総額が小さくなります。

返済総額
A社から返済 54万6,804円
B社から返済 56万5,029円

金利が高いA社から返済することで、利息負担を約2万円抑えられることがわかりますね。特に借入額の差が小さいのであれば、金利が高いほうを優先させるのがおすすめです。

ただし借入金額の差によっては、金利よりも「小さい借入額の借金」を優先させたほうがよいでしょう。

事例2

2つ目の例として、以下の借入先に対し毎月10万円返済していくとします。

借入額 利率
A社 20万円 15.0%
B社 100万円 18.0%

上記の場合、より高金利なB社に先に返済したほうが返済総額は8,000円程度安く済みます。

返済総額
A社から返済 133万3,068円
B社から返済 132万5,530円

ただし、毎月10万円ずつ返済するのであれば、A社は3~4か月で完済できます。先にA社の返済を終わらせてしまったほうが精神的負担が大きく軽減されると感じる場合は、借入金額が少ないA社を優先するのもひとつの手です。

複数の借金を早く返すためのコツ

複数の借金を抱えている場合、返済の管理やモチベーションの維持が難しいと感じる人も多いですよね。

複数の借金があっても、なるべく早く、そして確実に借金を返済していくための「5つのコツ」についてご紹介していきます。

  • ほかから借入しない
  • 収支表を作り返済計画をたてる
  • 毎月の返済額を少しでも増やせるか検討する
  • 借入中の借金の金利を見直す
  • 副業や転職などで収入を増やす

重要なのは、現状を正確に把握し、無理のない返済計画をたてることです。 また返済に充てられるお金を増やしたり返済総額を削ったりすれば、その分返済期間も短縮できます。

それぞれのコツについて、より詳しくご紹介していきます。

ほかから借入しない

早く借金を返し終わりたいなら、まずは借入を増やさないのが最も重要です。

借金を返すための借金をすれば、返済のためのお金を手軽に確保できます。また返済期限が伸びるため、つい新たな借金に手を伸ばしたくなってしまうでしょう。

しかし長期的に考えると、状況をさらに悪化させる可能性があります。返済中に借入をしてしまうと、借金が雪だるま式に膨らんでしまう可能性があるからです。

たとえば、A社への返済のためにB社から10万円借りるとします。本来はA社に10万円返すだけで済みますが、B社から借りた場合、10万円だけでなくB社への利息も返さなければなりません。結果として、借金返済額が増加してしまいます。

借金を早く返済するためには、新規借入を避け、現状を把握した上で計画的に返済を進めることが重要です。

収支表を作り返済計画をたてる

確実に、そして効率よく返済したいのであれば、収支表と返済計画を作ってみるのがおすすめです。

収支表とは、自身の収入や支出の金額をまとめた表のことです。収支表に加えて返済計画を作成することで、無理なく効率的に返済を進められます。

まず、自身の収入や支出をすべてひとつの表にまとめましょう。具体的には、以下のような項目を集計していきます。

項目 内容
収入 給与、ボーナス、副収入など、すべての収入源を具体的に記入
支出 家賃、光熱費、食費、通信費、娯楽費、交際費など、考えられる支出をすべて書き出す
収支の差額を算出する 収入ー支出 = 自由に使えるお金

支出をまとめる際は、固定費と変動費に分けてまとめるのがおすすめです。

  • 固定費:毎月ほぼ一定の金額がかかる費用。家賃や光熱費、通信費、保険料、サブスク費用など
  • 変動費:月によって金額が変わる費用。食費や交通費、服飾費、交際費など

2つに分けて記録しておけば、支出を見直しやすくなります。

収支をまとめたら、その内容をもとに返済計画を作成していきましょう。

  • 借金の詳細を把握する:各借入先、借入残高、金利、毎月の返済額をすべてリストアップ
  • 収支表から返済可能額を算出する:収支表で計算した毎月の収支から、借金返済に充てられる金額を算出
  • 返済の優先順位を決める:記事前半で紹介した内容を考慮し、どの借金から返済していくか決める
  • 返済シミュレーションを行う:返済シミュレーションサイトなどを活用し、毎月の返済額や返済期間を設定し、完済までの期間や利息額を計算
  • 返済計画を定期的に見直す:収入や支出、金利の変動などに応じて、返済計画を定期的に見直し、必要があれば修正

どの借入先に対し、どのようなペースで、いつまでに返済するかを決めましょう

特に重要なのは、計画表をたてる最初の段階で、漏らすことなくすべての借入先をリストアップすること。もし「忘れている借入があるのではないか」と不安な人は、 信用情報機関に開示請求してみましょう。

毎月の返済額を少しでも増やせるか検討する

借金をより早く返したいのであれば、毎月の返済額を少しでも増やしてみるのが効果的です。

毎月の返済額を増やせば、返済期間を短縮し、早く返し終えられます。支払う利息の総額も減らせるため、 経済的にもメリットがありますね。

毎月の返済額を増やすためには、まずは支出を見直してみましょう。携帯電話料金やサブスクリプションサービスの費用といった固定費を見直してみれば、効率的に支出を減らせます。また食費を節約したり、買い物を控えたりして変動費を抑えるのもおすすめです。

ボーナスのような臨時収入があった場合も、できるだけ借金返済に充てれば、返済期間を短縮できますね。

借入中の借金の金利を見直す

借入中の借金の金利を見直すことも、複数の借金を早く返すための有効なコツです。もし金利を下げられれば、返済総額が減るため、より早く完済できるでしょう。

借金の金利を見直す方法は、主に以下の2つです。

方法 内容 メリット デメリット
カードローンの借り換え より低いローンに借り換える
  • より低い金利で借入できる可能性がある
  • 審査に通らない場合がある
おまとめローン 複数の借金をひとつにまとめる
  • 高金利の借入があっても、より低い金利にまとめられる
  • 複数の借金をまとめて管理しやすくなる。
  • 審査に通らない場合がある
  • おまとめローンの返済中は新たな借入ができない。

既存の借金を、より金利の低い別の借入先に変更したりまとめたりして、金利を見直すことも可能です。それぞれの方法について、わかりやすく解説します。

カードローンの借り換えをする

カードローンの借り換えとは、現在利用しているローンよりも金利の低いローンに乗り換えることです。

もし返済中の借金よりも金利の低いカードローンへ乗り換えれば、利息支払額を減らせます。返済総額が減る分、より短い期間で返済できるでしょう。

借り換えにおすすめなカードローンには、アイフルの借り換え専用ローン「かりかえMAX」があります。

上限金利が17.5%に設定されていますが、多くの消費者金融の上限金利が18%で設定されているため、より低い金利で借り換えできる可能性が高いです。

さらに最大30日の無利息期間が設けられているため、返済金額をより抑えられるでしょう。

またアイフルなら最短18分で審査が完了します。最短即日で利用可能であるため、「借り換えをしよう」と考えたその日から低金利のローンに切り替えられる可能性もあります。

申込みはオンラインで完結。場所や時間を問わずに利用手続きを始められます。

「金利はなるべく抑えたい、かつ素早く借り換えがしたい」と考えている人には特におすすめです。

アイフルがおすすめな人の特徴
  • なるべく低金利な消費者金融を利用したい人
  • スピーディーに借り換えをしたい人
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※申込の状況によっては希望にそえない場合があります。

おまとめローンを活用し借金を一本化する

おまとめローンとは、複数の借入先からの借金をひとつの借入先にまとめるローンのことです。

すでにある借金よりも低金利のローンにまとめられれば、利息負担を軽減できます。また複数あった返済先がひとつになるため、管理も簡単になりますね。

しかし、おまとめローンには注意点もあります。おまとめローンを利用する場合、完済するまでは新たな借入が制限されます。急いでお金を用意したくても、借金ができなくなるため注意が必要です。

また、必ずしも返済中の借金よりも低金利になるとは限りません。特に、おまとめローンよりも低金利な借入も一緒にまとめる場合は、返済総額が増えてしまう可能性があります。そのため、シミュレーションなどで返済総額を確認してから判断することが重要です。

副業や転職などで収入を増やす

もし副業や転職によって収入を増やせれば、その分を返済に回すことでより早く返済できます。

なるべく早く確実に収入を増やすなら、副業がおすすめです。クラウドソーシングサイトを利用すれば、ライターや翻訳など、自宅でもできる仕事を見つけられます。

また「Uber Eats配達員」や「出前館配達員」のように、特別なスキルを必要とせずすぐに始められる仕事を探してみるのもよいでしょう。

転職は、収入アップを期待できる一方、時間や労力がかかります。しかし大きく収入が増やせれば、返済の負担を一気に軽減できるでしょう。

焦らず、無理のない範囲で収入を増やせないか検討してみましょう。

まとめ

複数のローンを抱えている場合、以下のようなローンを優先的に返済するのがおすすめです。

  • 金利が高いもの
  • 担保が取られているもの
  • 借入額が少額なもの

またいくつか借金を抱えているのであれば、返済計画を立てたほうがスムーズに返済できる可能性が高いです。返済が苦しいときはつい追加で借入をしたくなりますが、余計に返済総額が膨らんでしまうため避けましょう。