300万円もの借金を抱えていると、返済に不安を感じるものです。しかし、計画的に返済に取り組めば、自力で完済することも不可能ではありません。

本記事では、300万円の借金を自力で返済する方法や、返済を成功させるためのコツについて詳しく解説します。借金返済に悩む方はぜひ参考にしてください。

300万円の借金を返すには何年かかる?

300万円を借り入れた場合、どの程度返済にかかるのか気になることでしょう。ここでは、月々の返済額別に返済にかかる期間の目安を紹介します。

  • 月々の返済額5万円の場合:9年4か月
  • 月々の返済額6万円の場合:6年7か月
  • 月々の返済額7万円の場合:5年2か月
  • 月々の返済額10万円の場合:3年2か月

月々の返済額が5万円の場合と10万円の場合を比較すると、月々の返済額が5万円のほうが支払負担が少なく感じられるかもしれません。しかし、利息の総額を比べてみると、毎月5万円ずつ返済していくほうが約180万円も多く利息を支払うことになるのです。

利息の総額をできるだけ抑えたいのであれば、月々の返済額を増やしたり、資金に余裕ができたときに繰り上げ返済したりするなど、無理のない範囲で早めに返済することをおすすめします。

※シミュレーションは「長野ろうきんのシミュレーション」を使用しています。

月々の返済額5万円の場合

金利15%で300万円を借り入れて、毎月5万円を返済する場合、返済にかかる期間は9年4か月です。返済総額は5,579,717円で、利息総額は2,579,717円となります。

残高は返済回数に応じて、以下のように推移します。

返済回数 ローン残高
23回 2,669,271円
46回 2,229,162円
69回 1,643,503円
92回 864,156円
112回 0円

月々の返済額6万円の場合

金利15%で300万円を借り入れて、毎月6万円を返済する場合、返済にかかる期間は6年7か月です。返済総額は4,737,295円で、利息総額は1,737,295円となります。

残高は返済回数に応じて、以下のように推移します。

返済回数 ローン残高
16回 2,604,189円
32回 2,121,345円
48回 1,532,327円
64回 813,794円
79回 0円

月々の返済額7万円の場合

金利15%で300万円を借り入れて、毎月7万円を返済する場合、返済にかかる期間は5年2か月です。返済総額は4,323,461円で、利息総額は1,323,461円となります。

残高は返済回数に応じて、以下のように推移します。

返済回数 ローン残高
13回 2,544,309円
26回 2,008,748円
39回 1,379,324円
52回 639,585円
62回 0円

月々の返済額10万円の場合

金利15%で300万円を借り入れて、毎月10万円を返済する場合、返済にかかる期間は3年2か月です。返済総額は3,783,534円で、利息総額は783,534円となります。

残高は返済回数に応じて、以下のように推移します。

返済回数 ローン残高
8回 2,477,564円
16回 1,900,541円
24回 1,263,226円
32回 559,321円
38回 0円

手取り20万円で300万円の借金の返済はできる?

手取り20万円の収入があれば、300万円の借金を返済することは無理ではありませんただし、300万円の借金ともなると、毎月の返済額は4万円を超えてくるため、16万円以内に支出を抑えられなければ返済は難しいでしょう。

たとえば、「2022年(令和4年) 家計の概要」では、一人暮らしの毎月の支出平均は160,919円となっています。平均通りに生活していれば、毎月4万円を超える返済額は支払えないため、返済が難しいといえます。

【1人暮らし世帯における毎月の支出平均】
名称 支出額平均
食費 約35,000円
住居 約36,500円
水道・光熱費 約9,000円
家具・家事用品 約3,500円
約8,000円
保険・医療 約5,500円
交通費・通信費 約21,000円
教養・娯楽 約22,500円
その他 約20,000円
合計 約161,000円

※参照:2022年(令和4年) 家計の概要

仮20万円の手取りで300万円を返済するためには、教養・娯楽費やその他の支出を減らして4万円以上を確保する必要があるでしょう。

なお、アイフルの場合は300万円の借入をしていると、毎月4万6,000円の支払いが必要になるため、自力で返すためにはそれ以上の額を捻出しなければいけません。

※参照:ご返済一覧表|アイフル

>300万円の借金を自力でうまく返すためのコツはこちら

300万円の借金を半年で返済することはできる?

300万円を借入した方のなかには、半年で完済したいと考える方もいるかもしれません。また、アスペクト社から出版された『元お笑い芸人34歳借金300万円を半年で返済した方法』という本を読んで、「自分も半年で返済できるかも」と思う人もいるでしょう。

しかし、半年で300万円もの借金を完済するのは簡単なことではありません。そもそも、半年で返済できるほどの収入を得ている人はかなり少ないです。単純計算で毎月50万円は返済に充てないといけませんし、50万円以上の収入を得るのが難しいことは容易に分かることかと思います。

仮にアイフルで300万円を借りて半年で返済しようとした場合、金利が年15.0%だと毎月52万3,000円は返済しないと半年で完済できません。

参照:ご返済シミュレーション|アイフル

つまり、収入によっては半年で返済できる可能性はありますが、現実的とはいえないでしょう。

300万円の借金を自力で返済するためにまずやること

300万円の借金を自力で返済するために、まずやるべきことは以下の2つです。

  • 現時点での借入状況を把握する
  • 返済計画を立てる

300万円の借金を返済するためには、まず現時点の借入状況を把握しましょう。どこからいくら借りているのか把握できたら、次は返済計画を立てます。金融機関の公式サイトでは返済シミュレーションツールを提供しているため、うまく活用して返済回数や毎月の返済額を決めましょう。

現時点での借入状況を把握する

返済計画を立てる前に、まず現在の借入状況を正確に把握することが大切です。借入状況が曖昧だと、返済が滞ってしまい、延滞金の発生する可能性があります。そうなると、完済までに長い時間がかかってしまい、総支払額も高くなってしまうのです。

借入状況を把握するために、借入先、借入額、金利、返済期日など、借り入れに関する情報を整理しましょう。借入先が多くて、どこからいくら借りているのかわからない場合は、信用情報機関に情報開示を請求することで、金融機関との契約内容や支払状況を確認できます。

返済計画を立てる

現状を把握できたら、次は返済計画を立てましょう。返済計画とは、毎月の返済額や返済期間を具体的に決めたものです。

計画を立てることで、いつまでに完済できるのかといった返済の見通しが立ちます。また、計画通りに返済が進んでいるかどうかを確認し、必要に応じて軌道修正することも可能です。

返済計画を立てる際は、各金融機関が提供しているシミュレーションツールを活用するのがおすすめです。借入金額や金利、返済回数などを入力すると、毎月の支払額を明らかにできます。

300万円の借金を自力でうまく返すためのコツ

ここでは、300万円の借金を自力でうまく返すためのコツを紹介します。

  • 毎月支出を減らして返済額を増やす
  • 借入先が複数ある場合は債務整理を検討する
  • カードローンの借り換えをする
  • おまとめローンを活用し借金を一本化する
  • 新たな借り入れをしない

300万円の借金を返済するには、毎月の返済額を増やし、資金に余裕のあるタイミングで繰り上げ返済することがおすすめです。それにより、完済までにかかる期間が短くなり、総支払額も抑えられます。

また、カードローンの借り換えやおまとめローンの利用もおすすめです。低金利が適用されれば、利息総額を抑えられるため、現在利用しているカードローンよりも低金利の借換ローンやおまとめローンがないか、確認してみるとよいでしょう。

毎月支出を減らして返済額を増やす

借金を自力で確実に返済していくためには、支出を減らしてその分を返済額にあてて増やす方法が最も取り組みやすい方法です。返済期間が長くなればなるほど、完済までにかかる利息は増えるため、その分負担が増えますし自力での返済が困難になります。

支出を減らすには、通信費を格安SIMによって削減する方法や外食、コンビニを減らして無駄な出費を減らす方法などがあります。食費を削るのは精神的にきつくなりやすいデメリットがあるためおすすめはできませんが、借金を自力で確実に返済したい気持ちがある場合には検討しましょう。

支出の削減が難しい場合には、副業などによって収入を上げて返済額を挙げるというのもおすすめです。職を探すなどの負担はありますが、支出を減らすよりかは返済額を増やしやすいでしょう。

借入先が複数ある場合は債務整理を検討する

債務整理とは、借金の返済が困難になった場合に、法律に基づいて借金を減額や、返済方法の見直しをする手続きの総称です。主な債務整理の方法には、以下の3つがあります。

  • 任意整理
  • 個人再生
  • 自己破産

個人再生と自己破産は裁判所を通して手続きが必要となり、場合によっては財産の差押えが実行されます。そのため、まずは任意整理を検討するのがおすすめで、任意整理をするためには弁護士や司法書士への相談が一般的です。

任意整理は債権者(お金を貸した側)と交渉して、借金の減額や返済期間の延長などを合意する手続きになります。借金がすべてなくなるわけではありませんが、利息分をカットして元金だけにしてもらうなどの交渉ができるため、結果的に自力での返済が可能です。

ただし、金融事故として信用情報機関には登録されてしまうため、これから住宅ローンなどの利用を検討している人はよく考えてから債務整理をしましょう。

カードローンの借り換えをする

カードローンの借り換えとは、新たにカードローンを契約し、そこから借りたお金を使って現在利用中のカードローンの借金を返済することです。借り換え先のカードローンは、現在のカードローンよりも金利が低いものを選ぶことで利息の総支払額を抑えられます。

そんな借り換えにおすすめのカードローンは以下の2つであるため、借り換えで借金をうまく返済してきたい人はこのなかから選ぶとよいでしょう。

「アイフル」

アイフルでは、「かりかえMAX」という商品を提供しています。金利は年3.0%~年17.5%で、融資限度額は最大800万円です。

申し込みから契約までWebで完結する上に、Web契約なら自宅に郵送物が届きません。そのため、家族に内緒で利用したいという方におすすめです。

アイフルがおすすめな人の特徴
  • 年17.5%を超える金利で他社から借り入れをしている
  • 他社からの借入額が300万円を超えている
  • 家族に利用をバレたくない

アイフル

総合評価

  • 3.7点
実質年率 利用限度額 無利息期間
年3.0%~18.0% 最大800万円 30日間
審査時間 融資時間 お試し審査
最短18分※ 最短18分※ -

おすすめポイント

  • 初めてなら最大30日間無利息!
  • 会話ロボット「ぽっぽくん」に24時間相談OK!
  • 「1秒診断」で融資可能か簡易チェック可能!

※申込の状況によっては、希望に沿えない場合があります。

アイフルについては「アイフルの申し込みと審査」で詳しくご紹介しています。

「プロミス」

プロミスでは、最大300万円を借りられる「おまとめローン(借換用ローン)」を提供しています。金利は、年6.3%~年17.8%です。

プロミスでは、インターネット返済や口座振替、スマホATMなど、7種類の返済方法を用意しています。なかでも、SMBCグループ共通のポイントであるVポイントを活用して返済できる点が特徴です。Vポイントは、プロミスアプリへのログインや返済によっても貯められるため、お得に借換ローンを利用できます。

プロミスがおすすめな人の特徴
  • 他社からの借入額が300万円以内である
  • 年17.8%を超える金利で他社から借り入れしている
  • 普段からVポイントを貯めている

プロミス

総合評価

  • 4.0点
実質年率 利用限度額 無利息期間
年4.5%~17.8% 最大500万円 30日間
審査時間 融資時間 お試し審査
最短3分※ 最短3分※

おすすめポイント

  • 金利が年17.8%でほかの消費者金融より低め!
  • 初回借入れの翌日から30日間は利息0円!
  • カードレスで借入も返済もできる!

※審査時間・融資時間:申込みの時間帯、利用する銀行、曜日、または本人確認書類の提出状況によって、当日中の融資ができない場合があります。
※無利息期間:30日間無利息サービスを利用するには、メールアドレス登録とWeb明細利用の登録が必要です。
※18歳・19歳の申込みについて:申込時の年齢が19歳以下の場合は、収入証明書類の提出が必須となります。高校生(定時制高校生および高等専門学校生も含む)は申し込めません。

プロミスについては「プロミスの審査と借り方」で詳しくご紹介しています。

おまとめローンを活用し借金を一本化する

おまとめローンとは、新たにカードローンを契約し、現在利用している複数のカードローンの借金を返済することです。複数の借り入れをまとめることで、低金利の適用されるケースが多く、利息を抑えられます。さらに、借入先がひとつになり、返済管理も簡単になる点も魅力です。

おまとめローンと混同しやすいものに、借り換えがあります。他社からの借り入れで利用中のカードローンを完済するという点では共通していますが、借り換えは1社から1社に乗り換えるのに対し、おまとめローンは複数社から1社に乗り換える点で異なります。

新たな借り入れをしない

借金の返済は計画的に行うことが大切です。しかし、予期せぬ出来事により、とある月の返済が難しくなることがあるかもしれません。そのような場合、他社から1か月分の返済額を借りて乗り切ろうとする人もいるでしょう。

たとえば、A社に元金と利息を含めた10万円を返済する必要のあるケースを考えてみます。ある月の返済が難しくなり、B社から10万円を借り入れてA社に返済したとしましょう。

この場合、一時的にはA社への期日までの返済はできますが、B社に新たに10万円の借金が追加されることになります。この10万円の借金には利息が発生するため、長期的に見ると返済負担が増えてしまいます。さらに、借入先が増えることで、債務の管理も複雑になってしまうのです。

そのため、一時的な返済の難しさを他社からの借り入れで乗り切ることは、おすすめしません。

300万円の借金を半年で返したくても絶対にやってはいけないこと

先述したように、300万円の借金を半年で返済するには毎月約50万円を支払わなければいけません。50万円の資金を毎月調達するのは難しいことから、無理やりにでも調達する方法を検討する人も出てくるでしょう。

たとえば、ヤミ金や違法バイトなどが悪い例として挙げられますが、これらは絶対にやってはいけないことの代表例です。そもそも借金を返済したいのにヤミ金を利用して返済するのは本末転倒ですし、むしろ被害が増大するだけです。ヤミ金のような高金利貸しの業者を利用すると、300万円に対する利息は従来借りていた商品よりもさらに増加します。

また、違法バイトも絶対にやってはいけません。違法バイトとは、法律や社会のルールに違反する行為を伴うアルバイトのことです。高額な報酬が貰える可能性が高いですが、違法な内容や労働条件で働くことを強要され、犯罪に加担させられる可能性や、心身に危害が及ぶ可能性が発生します。

どうしても半年で返済しなければいけない理由がある場合には、消費者金融のカスタマーセンターや弁護士などの専門家に相談してみることをおすすめします。法律を守っていない貸金業者や違法バイトを利用すること自体、「百害あって一利なし」であるため、絶対にやらないようにしましょう。

まとめ

300万円の借金を自力で返済するためには、まず正確に借入状況を把握し、具体的な返済計画を立てることが重要です。金融機関の公式サイトでは返済シミュレーションツールを提供しているため、無理のない返済計画を立てましょう。

返済を進める上では、毎月の返済額を増やしたり、低金利のカードローンに借り換えたりするのがおすすめです。返済が難しい場合は、債務整理について弁護士に相談するのもひとつの手です。借金返済は長期戦になりますが、あきらめずに取り組んでいきましょう。