事業を運営している方にとって、資金調達は悩ましい課題ですよね。公的融資であれば低コストで調達可能であるものの、多くの経営者はすでに活用しているか、審査の厳しさに躊躇しているケースが多いでしょう。
そこで候補として、メガバンク三菱UFJ銀行の提供するビジネスローン「融活力」を検討している方も多いのではないでしょうか。三菱UFJ銀行が提供する融活力は、最高融資額5,000万円の大型ビジネスローンです。当記事では、
- 三菱UFJ銀行「融活力」の概要と特徴
- 三菱UFJ銀行ビジネスローン融活力と他社商品の比較
- 三菱UFJ銀行ビジネスローン融活力のメリット・デメリット
- 融活力の審査基準
- メインバンクが三菱UFJ銀行じゃなくても大丈夫なのか
- 融資までの流れ
など、三菱UFJ銀行ビジネスローン融活力について詳しく触れていきます。
融活力に関する情報はインターネット上にも少ないので、検討中の方はぜひ参考になさってくださいね。
三菱UFJ銀行のビジネスローン「融活力」とは?
三菱UFJ銀行ビジネスローン「融活力」とは、法人向けの融資商品です。
公的融資とは異なり、銀行独自が提供しているサービスになっていますね。
このような背景から、公的融資よりも金利が少し高めに設定されています。融活力の特徴、メリット・デメリットについて触れていきましょう。
特徴
三菱UFJ銀行ビジネスローン融活力の特徴を簡単にまとめると、下記のようなポイントがあります。
三菱UFJ銀行ビジネスローン融活力の特徴
- 融資限度額5,000万円
- 金利年2.1%~9.0%(変動金利)
- 税理士会や商工会議所等の提携先から利用すると優遇金利が適用される
- 事業性資金に利用可能
- 法人のみが対象
- 借入期間は最長5年(三菱UFJ銀行との取引が1年未満の場合最長3年)
- 原則無担保、第三者による保証も不要
三菱UFJ銀行ビジネスローン融活力の大きな特徴として、「最高融資限度額5,000万円まで」「原則無担保、第三者による保証不要」という2つがあります。これらは経営者にとって大きなメリットですし、検討する価値のある点でしょう。
また、税理士会や商工会議所等の提携先から申し込みを行うことで、金利の優遇を受けることも可能です。顧問税理士が該当税理士会に加入しているのであれば、優先的に金利優遇制度を活用しましょう。
他社商品との比較で分かるメリット・デメリット
三菱UFJ銀行ビジネスローン融活力を検討している方が気になる点として、「他社商品と比較してメリットはあるのか?」という疑問がありますよね。
確かに、事業性資金は金額も大きいですし、よりメリットの大きいサービスを利用したいという意見は当然でしょう。
そこで、三菱UFJ銀行ビジネスローン融活力と同じく事業性資金向けの商品である、「りそなビジネスローン活動力」と比較した上で、三菱UFJ銀行ビジネスローン融活力のメリット・デメリットを解説していきたいと思います。
※2022年5月10日現在の各社商品データに基づく
三菱UFJ銀行ビジネスローン融活力とりそなビジネスローン活動力の比較 | |||
---|---|---|---|
商品名 | 三菱UFJ銀行ビジネスローン融活力 | りそなビジネスローン活動力 | |
融資限度額 | 5,000万円 | 10万円以上500万円以下 | |
金利 | 年2.1%~9.0%(変動金利) ※通常より年0.25%優遇 |
年6.0%、年10.0%、年14.0% ※いずれも保証料を含む |
|
対象者 | 法人 | ・個人事業主 ・法人 |
|
融資までの時間 | 1カ月程度 | 数日~1週間程度 |
上記表をもとに、三菱UFJ銀行ビジネスローン融活力のメリット・デメリットを解説すると、下記のようなポイントがあります。
他社と比較した上でわかる三菱UFJ銀行ビジネスローン融活力のメリット・デメリット
- メリット
- 融資限度額が5,000万円までとかなり大型なので、高額な事業性資金にも活用できる
- 金利が低い
- デメリット
- 個人事業主は対象外
- 融資までの時間が長い
三菱UFJ銀行ビジネスローン融活力の大きなメリットは、「融資限度額が大きいので高額な事業性資金にも対応可能」「金利が低い」という2つですね。これらのメリットは経営者としても重要で、かつ他社商品より優れているポイントだといえるでしょう。
対してデメリットは、「個人事業主は対象外」「融資までの時間が長い」という点ですね。三菱UFJ銀行ビジネスローン融活力は法人のみを対象とした商品なので、個人事業主の方は利用できません。また、比較対象としたりそなビジネスローン活動力の融資時間が1週間程度なのに対し、三菱UFJ銀行ビジネスローン融活力の融資時間は1カ月程度とかなり長めです。
これらのデメリットは、ビジネスローンを検討している方にとっては大きな懸念点でしょう。
三菱UFJ銀行ビジネスローンの審査基準
「三菱UFJ銀行ビジネスローン融活力を検討している」という場合に、やはり気になるのが審査基準ですよね。一般的には銀行融資の審査は厳しいとされていますから、不安を感じている方も多いかもしれません。三菱UFJ銀行ビジネスローン融活力の審査基準について解説します。
申し込みの条件
三菱UFJ銀行ビジネスローン融活力の申し込み条件は、下記のとおりです。
三菱UFJ銀行ビジネスローン融活力の申し込み条件
- 業歴2年以上、確定した決算書2期分を提出可能な法人
- 最新決算期において、債務超過(貸借対照表の資本の部、または純資産の部がマイナスでないこと)
- 申し込み時点で税金の未納がないこと
- 三菱UFJ銀行の最寄り受付窓口に来店可能なこと
上記4つのポイントを全て満たす方が、三菱UFJ銀行ビジネスローン融活力の申し込み対象者です。検討中の方は、しっかりと事前に確認しておいてくださいね。
審査で重視されているポイント
三菱UFJ銀行ビジネスローン融活力の審査で重視されているポイントを簡単にまとめると、下記のようになります。
三菱UFJ銀行ビジネスローン融活力の審査で重視されているポイント
- 事業状況に問題がないかどうか(過大な赤字に陥っていないか)
- 信用を担保できる業績があるかどうか
- 税金未納がないかどうか
- 安定した利益を出せているかどうか
三菱UFJ銀行ビジネスローン融活力の審査では、「この企業に融資を行ってもしっかり返済してもらえるかどうか」という目線でチェックが行われます。
したがって、審査の時点で通年赤字に陥っていたり、事業を取り巻く外部状況(市場等)が芳しくなかったりなど、事業状況に問題が生じている場合は、審査に通過できない可能性が高いです。逆に言えば、何年も安定した利益を積み上げているような企業であれば、スムーズに資金調達することができるでしょう。
ご自身の事業を客観的に見て問題がないかどうか、しっかりチェックしておいてくださいね。
審査にかかる期間
三菱UFJ銀行ビジネスローン融活力はかなり大型の融資商品なので、審査にかかる時間も長めです。審査時間は事業状況や手続きをスムーズに進められるかなどによって多少異なりますが、おおよそ1カ月少々の時間を要する形になります。したがって、「今すぐに資金を調達したい」というケースには不向きでしょう。
早々に資金を調達したい方は、ノンバンク系ビジネスローンの「AGビジネスサポート」や「オリックスVIPローンカードBUSINESS」など、融資スピードに特化したサービスを優先的に検討するようになさってください。
メインバンクが三菱UFJ銀行でなくても大丈夫?
「メインバンクが三菱UFJ銀行でなくても大丈夫だろうか…?」と感じている方もいらっしゃるかもしれませんが、メインバンクが三菱UFJ銀行以外でも融資は可能です。
ただし、メインバンクでなかったとしても三菱UFJ銀行との取引には自行の法人口座が必要になりますので、注意してください。取引年数が1年未満の場合は最長借入期間が3年までと少し短くなりますので、こちらも覚えておいてくださいね。
融資までの流れ
三菱UFJ銀行ビジネスローン融活力の利用を決定したら、実際に申し込み手続きへと進みます。三菱UFJ銀行ビジネスローン融活力の融資までの流れをご説明していきましょう。
仮申し込みから契約までの流れ
2022年5月10日現在、三菱UFJ銀行ビジネスローン融活力は電話または店頭窓口のみの受付となっています。
ただ、いきなり店頭窓口に行ったとしても申し込みの受付はできず、再度電話で手続きを進める必要がありますので、直接電話で申し込みするほうがよりスムーズでしょう。申し込みする際の電話窓口は下記のとおりです。
【ビジネスローン「融活力」コール】
0120-250-587
上記の電話窓口から、審査を申請する形で手続きは開始となります。仮申し込みから契約までの流れをまとめると、以下のような手順になっています。
三菱UFJ銀行ビジネスローン融活力の契約までの流れ
- 電話窓口から申し込みを申請する
- 仮申し込み手続きの受付
- 郵送で申し込み書類が届く
- 申し込み書類に情報を記載の上、返送
- ビジネスローンの部署から事業状況確認調査の日程すり合わせ連絡が入る
- 事業状況確認調査の実施、必要書類の提示
- 情報を精査した後、審査結果の連絡が入る
- 必要書類を持参の上、最寄りの三菱UFJ銀行窓口で契約手続き
- 融資実行
三菱UFJ銀行ビジネスローン融活力の手続きは、このように進行します。
注意点として、三菱UFJ銀行ビジネスローン融活力の審査では、現状の事業状況を確認するため、現地での調査も実施されます。
したがって、審査~融資までにはかなりの日数を要しますので、注意してくださいね。
必要書類
三菱UFJ銀行ビジネスローン融活力を申し込みする際に必要な書類は下記のとおりです。
三菱UFJ銀行ビジネスローン融活力の必要書類
- 確定した決算書2期分
- 法人代表者の本人確認書類(運転免許証、パスポート等)
法人での融資なので、決算書を提出する必要があります。申し込みを検討されている方は、必ず事前に準備しておきましょう。
融資までにかかる期間
三菱UFJ銀行ビジネスローン融活力の融資までにかかる時間は、おおよそ「1カ月少々」です。
ただし、事業状況や手続きのスムーズさ等によって多少異なります。融資金額が高額な分、手続きに要する時間もそれなりに長いです。しっかりと時間を取って対応するようにしましょう。
月々の返済方法
三菱UFJ銀行ビジネスローン融活力で融資を受けられた後は、返済を行います。三菱UFJ銀行ビジネスローン融活力の返済方法について触れていきますね。
返済期日
三菱UFJ銀行ビジネスローン融活力の返済期日は、銀行担当者と相談の上決定します。返済頻度は毎月1回で、借入額に応じた利息額も併せて返済していきます。
返済方法の種類
三菱UFJ銀行ビジネスローン融活力の返済方法は「口座引落し」です。引き落とし先の口座は三菱UFJ銀行の法人口座で、ATM等から直接返済することはできません。ただし、臨時的な繰上げ返済は事前申請の上、銀行振込で対応可能となっています。事前に申請することなく好きなタイミングで臨時返済できるわけではないので、覚えておいてくださいね。
一括返済は可能?
当然ながら、三菱UFJ銀行ビジネスローン融活力を一括で返済することも可能です。ただし、この際の一括返済は毎月の返済に併せて行うものであり、借入期間終了月まで毎月の返済をスキップすることはできませんので注意してください。あくまでも、「期限前一括返済」のみが利用可能となります。
まとめ
三菱UFJ銀行ビジネスローン融活力に関する情報はインターネット上でも散見されますが、新しい商品内容に関する情報はかなり少ないです。中には古い商品内容のまま記載されているものもあるので、注意が必要です。
三菱UFJ銀行ビジネスローン融活力は資金調達に悩む経営者にとって、かなり気になる商品だと思います。確かに、融資限度額の5,000万円は多用途に対応できる額ですし、金利面でもかなり良心的な数値設定になっています。
しかしながらその反面、融資までに現地事業状況調査が必要になったり、来店の必要があったりなど、融資までに要する日数はかなり長めです。利用する場合はあらかじめ長めの日数を想定しておき、できる限りスムーズに融資を受けられるよう必要書類もしっかり準備しておきましょう。
三菱UFJ銀行ビジネスローン融活力を利用する際は必ず詳細な返済計画を立てた上で、無理のない範囲で活用なさってくださいね。