
一般の人でも勤労者であれば、労金(ろうきん)のカードローンやフリーローンといったキャッシングを利用してお金を借りられる場合があります。この記事では、労金(ろうきん)と銀行の違いや、労金(ろうきん)でお金を借りる手順、注意点や基準について解説しています。労金(ろうきん)のキャッシングを検討している人は、ぜひ最後までお読みください。
労金(ろうきん)でお金を借りるには?
労金(ろうきん)とは労働金庫の略称で、多くの場合「ろうきん」と表記されます。
労金(ろうきん)は、労働金庫法に基づいて労働組合と生活協同組合(生協)の会員がお互いを助け合うことを目的として、資金を出し合い設立・事業運営をしている金融機関です。
しかし地域によって条件は若干異なりますが、主に以下の要件を満たしていれば組合員でなくても労金(ろうきん)でお金を借りることができる可能性があります。
- 150万円以上の安定した収入がある
- 対象店舗で申し込む
各要件について詳しく解説します。
150万円以上の安定した収入がある
労金(ろうきん)でお金を借りるためには、150万円以上の安定した収入があることが条件です。この条件を満たしていれば、契約社員やパート社員、自営業者もお金を借りられる可能性があります。
※参考:中央労働金庫|マイプラン
対象店舗で申し込む
労金は全国に13金庫、606店舗ありますが、利用できるのは自宅、あるいは勤務先を管轄している労金(ろうきん)に限られます。
13金庫の管轄エリアについてまとめましたので参考にしてください。
労金の種類 | 管轄エリア |
---|---|
北海道ろうきん | 北海道 |
東北ろうきん | 青森県・岩手県・宮城県・秋田県・山形県・福島県 |
中央ろうきん | 茨城県・栃木県・群馬県・埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県・山梨県 |
新潟ろうきん | 新潟県 |
長野ろうきん | 長野県 |
静岡ろうきん | 静岡県 |
北陸ろうきん | 富山県・石川県・福井県 |
東海ろうきん | 愛知県・岐阜県・三重県 |
近畿ろうきん | 滋賀県・奈良県・京都府・大阪府・和歌山県・兵庫県 |
中国ろうきん | 鳥取県・島根県・岡山県・広島県・山口県 |
四国ろうきん | 徳島県・香川県・愛媛県・高知県 |
九州ろうきん | 福岡県・佐賀県・長崎県・熊本県・大分県・宮崎県・鹿児島県 |
沖縄ろうきん | 沖縄県 |
労金(ろうきん)と銀行の違い
労金(ろうきん)と銀行は同じ金融機関のため、預金・ローンなど各種サービスについてはほとんど差がありません。しかし労金(ろうきん)はあくまでも勤労者の生活を守ることを目的としており、非営利で運用している点が、銀行と異なります。
また、労金(ろうきん)は組合に参加していると、一般勤労者よりも低金利で利用できる場合があります。
労金 | 銀行 | |
---|---|---|
運営元 |
株主 |
労働組合・生活協同組合(生協)などの団体 |
運営目的 |
非営利 |
営利 |
利用者の対象 |
・勤労者を対象に融資 ・勤労者の生活・福祉向上ニーズに応える |
・企業を中心に融資 ・企業の資金ニーズに応える |
サービス内容 |
預金・ローン |
|
借入限度額 |
500万円 |
規則なし(収入による) |
金利※ |
・団体会員の構成員3.875%~7.075% ・生協会員の組合員および同一生計家族4.055%~7.255% ・上記以外の一般勤労者5.275%~8.475% |
ー |
審査の厳しさ |
厳しい |
|
即日融資 |
不可 |
|
在籍確認 |
あり |
※労金(ろうきん)の金利は中央ろうきんの場合
労金(ろうきん)でお金を借りる手順
労金(ろうきん)でお金を借りるときは、以下の手順で進めて行きます。
労金でお金を借りる手順
- 公式ホームページから仮審査を申し込む
- 仮審査の結果が届く
- 店頭で本審査に申し込む
- 本審査通過後カード発行
各手順について詳しく見ていきましょう。
1.公式ホームページから仮審査を申し込む
まず自宅、あるいは勤務先を管轄している労金の公式ホームページ上から仮審査の申し込みをします。
仮審査の時点で必要な書類は特にありません。
入力時に必要な情報は主に以下の通りです。
仮審査に必要な情報
- 借りたお金の使い道
- 借入希望日
- 借入希望額
- 希望返済期間
- 住所
- 電話番号(携帯電話のみでも可能)
- 勤務先住所
- 勤務先の電話番号
- 年収
- ほかの借り入れの有無 など
仮審査ですが、正確な情報を入力しなければ、審査に落ちる可能性があるため注意が必要です。
後日、電話で本人確認や、申込内容の確認などが行われますが、申込日翌日より5営業日を経過しても連絡がつかない場合、申し込みが取り下げになります(北海道ろうきんの場合)。そのため、申込時に連絡のつきやすい連絡先を入力しましょう。
また、年末年始やゴールデンウィークなど連休が入ると、連絡まで日数がかかる場合があります。
2.仮審査の結果が届く
仮審査の結果はメールか電話で通知されます。仮審査にかかる期間のおおよそ1週間が目安です。
3.店頭で本審査に申し込む
仮審査を通過したあと、本審査に入りますが、労金(ろうきん)の本審査は申し込んだ店舗に訪問する必要があります。ネット申し込みもありますが、Web団体会員の組合員に限定されている場合や、Web完結で申し込める場合など、地域によって異なるため確認が必要です。
本審査で必要な書類は以下の通りです。
利用者が用意する書類 |
---|
・本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカードなど) ・収入確認資料(給与(在籍証明書)や源泉徴収票など) ・勤続年数確認資料(健康保険証の写しや給与(在籍)証明書) ・普通預金口座の届出印※ ・資金使途確認資料(売買契約書や見積書など) ※労金(ろうきん)でお金を借りるときは、申し込んだ店舗で労金(ろうきん)の普通預金口座を作る必要があります。 |
労金(ろうきん)から渡されるもの |
・借入申込書 |
4.本審査通過後カード発行
本審査に通過すると、メールで審査結果の連絡とともに、借入限度額や適用金利、注意事項などの通知が届きます。本審査の審査期間は、本審査に申し込んでから約1週間が目安です。
またカード発行は、申込日ではなく契約日から、さらに1週間~10日ほどかかります。
労金(ろうきん)でお金を借りるときの注意点
労金(ろうきん)は、一般的な銀行や消費者金融で借りる場合と異なる点があるため注意が必要です。労金(ろうきん)でお金を借りるときの注意点は以下の2つです。
労金でお金を借りるときの注意点
- 融資までに時間がかかる
- 店頭へ直接行かなければならない
それぞれ詳しく解説します。
融資までに時間がかかる
労金(ろうきん)は、仮審査と本審査でそれぞれ1週間、ローンカード発行までにさらに1週間~10日かかります。最短で翌営業日には融資ができる一般的な銀行と比べて、融資までにかなり時間がかかると考えたほうがよいでしょう。
店頭へ直接行かなければならない
労金(ろうきん)のキャッシングは地域にもよりますが、本審査で直接店頭に行かなければならない場合があります。管轄の労金(ろうきん)がWeb完結に対応していない場合、店舗が遠い人にとっては利便性が悪く感じるかもしれません。
労金(ろうきん)の審査を通過する基準
労金(ろうきん)は非営利で勤労者の生活を守ることを目的としているため、審査に落ちる心配がないと考えがちです。しかし労金(ろうきん)も、貸し倒れになればほかの組合員に悪影響を与えかねません。
そのため、一般的な金融機関と同様「金融事故の履歴がない」「他社で多額の借り入れをしていない」といった要件を満たしていなければ、審査に落ちる可能性があります。
金融事故の履歴がない
金融事故とは長期の滞納や代位弁済、強制解約、債務整理などのことです。金融事故の履歴が残っていると、本人の返済能力や信用力が著しく低下している状態と判断されるため、審査に落ちる可能性があります。
金融事故の内容にもよりますが、履歴は5年~10年残るため、融資を受けるためには期間をおいてからあらためて申し込まなければなりません。
他社で多額の借り入れをしていない
労金(ろうきん)の融資を受ける前にすでに他社で多額の借り入れをしていると、返済能力がないとみなされて審査に落ちる可能性があります。具体的にいくら借りたら多額の借り入れにあたるのか明確な基準は公開されていませんが、審査に通過する可能性を高くしたいときは、いまの借り入れを減らすことを心がけましょう。
即日&web完結で融資希望なら消費者金融系カードローン
消費者金融系カードローンならば、Web完結で即日借り入れできる場合があります。なかでも大手消費者金融であれば、申し込みから借り入れまでWebやアプリで完結し、提携コンビニATMやアプリを使った借り入れなど、方法もさまざまです。
サービス名 | 消費者金融カードローン | 銀行カードローン | 労金※1 | ||
---|---|---|---|---|---|
大手消費者金融 中小消費者金融 |
メガバンク系 ネット銀行系 |
||||
アコム、プロミス |
セントラル、フクホー |
三井住友銀行 カードローンなど | 楽天銀行、PayPay銀行、auじぶん銀行など | ||
即日融資 | 〇 |
〇 | × | × | × |
融資時間 | アコム:最短20分※ プロミス:最短20分※2 |
セントラル:- フクホー:- |
最短当日※3 | 最短即日~最短翌日 | 2週間~3週間 |
金利 | ・アコム:年3.0%~18.0% |
・セントラル:年4.8%~18.0% ・フクホー:年7.3%~18.0% |
三井住友銀行 カードローン:年1.5%~14.5% |
・楽天銀行スーパーローン:年0.95%~7.25%※ ・PayPay銀行カードローン:年1.59%~18.0% ・auじぶん銀行カードローン:年1.38%~17.4%※4 |
・団体会員の構成員:年3.875%~年7.075% ・生協会員の組合員および同一生計家族:年4.055%~年7.255% ・上記以外の一般勤労者:年5.275%~年8.475% |
借入限度額 | ・アコム:最大800万円 ・プロミス:最大500万円※5 |
・セントラル:最大300万円 ・フクホー:200万円 |
三井住友銀行 カードローン:10万~800万円 |
・楽天銀行スーパーローン:最大800万円 ・PayPay銀行カードローン:1,000万円 ・auじぶん銀行カードローン:最大800万円 |
500万円 |
※1.中央労金(ろうきん)の場合
※2.申込みの時間帯や利用する銀行によって、当日中の融資ができない場合があります。
※3.申込完了後の確認事項や、本人確認書類の提出状況によっては異なる場合もあります。
※4.表示金利は、「au限定割 誰でもコース」です。通常金利(1.48%~17.5%)、au限定割 誰でもコース(1.38%~17.4%)、au限定割 借り換えコース(0.98%~12.5%)
※5.新規契約時の融資上限:本審査により決定となります。
まとめ
労金(ろうきん)のキャッシングは上限金利が低いため利用を検討する人もいると思います。
しかし一般的な銀行系カードローンや消費者金融と比べて融資までに時間がかかる点や、店頭に直接行かなければならないケースがある点には注意が必要です。
また、非営利で勤労者の生活を守ることを目的としていますが、一般的な金融機関と同等の審査が行われます。自身の金融事故の履歴や、他社の借入額を確認して問題なければ、活用を検討してみましょう。