

利息制限法や貸金業法などの法律に則って貸付を受けるカードローンは、間違った方法で利用しなければ、生活が成り立たなくなるような危険性は基本的にありません。しかし、法律を無視した闇金業者から借り入れをしたり、複数社から融資を受けたりすると、ローン返済が滞ってしまう可能性があるので注意が必要です。
本記事では、カードローンの返済が滞った場合に起きることや危険な使い方を詳しく紹介します。カードローンの危険性を回避する方法も紹介するので、どのように利用すればいいのか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
カードローンの危険性とは?
カードローンとは、金融機関が個人向けに提供している融資サービスのことをいいます。
カードローンは、銀行や消費者金融、クレジットカード会社などの金融機関が、貸金業法や利息制限法といった法律に則った返済プランを立ててくれます。そのため、正しい使い方ができれば危険性は高くありません。
なかには、上限金利を超えて貸し付けしたり、審査なしで融資したりする闇金業者がいるため、「カードローン=危険」というイメージが定着していると考えられます。カードローンなどの貸付サービスを提供するには、金融庁への登録が必要となるため、危険な闇金業者を利用しないためにも金融庁に登録されているのかを確認するのがおすすめです。
なお、金融庁からの登録を受けている金融機関から借り入れをした場合であっても、複数社から貸し付けを受けたり、返済計画を立てていなかったりすると、返済が苦しくなってしまうことがあります。カードローンを利用する際はメリットだけでなく、デメリットや注意点を押さえたうえで利用しましょう。
カードローンでお金を借りるデメリット
カードローンでお金を借りる主なデメリットには、以下の3つがあります。
- カードローンでお金を借りるデメリット
- 借りすぎてしまう可能性がある
- 他のローンの審査に影響が出る可能性がある
- 借金をしている事実がバレる可能性がある
カードローンで生活が苦しくなったり、信用を失ったりするリスクを避けるためにも、どのようなデメリットがあるのかを確認しておきましょう。
借りすぎてしまう可能性がある
カードローンは、利用限度額の範囲内であれば自身の銀行口座からお金を引き出しているような感覚で、借り入れができます。そのため、お金が必要なタイミングに返済計画を立てずに利用することで、借りすぎてしまう可能性があります。
カードローンの利用限度額は、金融機関に申し込むことで減額できるので、借りすぎてしまうことに不安を感じている人は、限度額を下げておくなどの対策をしておきましょう。
他のローンの審査に影響が出る可能性がある
カードローンで借り入れをしていたり、返済が滞っていたりする場合は、他のローンの審査に影響を与える場合があります。
ローン審査では、これまでにローン返済で問題を起こしていないか、融資をしても大丈夫かを判断するために「信用情報」を確認します。信用情報とは、現在のローン残高や返済状況などの取引記録のことです。
たとえカードローンの返済が遅れていない場合であっても、他社で借り入れをしている場合は審査に影響する可能瀬があるので留意しておきましょう。
借金をしている事実がバレる可能性がある
カードローンの審査を受ける際は、申告情報に記載されている勤務先へ本当に在籍しているか確認するための「在籍確認」が実施される場合があります。また、借り入れ状況を知らせるための郵送物が自宅に届くことで、家族に借金をしている事実がバレてしまうことも考えられます。
なかには、在籍確認を行わなかったり、自宅へ郵送物を送らなかったりする金融機関もあります。勤務先や家族にバレたくない人は、どのような連絡がなされるのかを利用前に確認しておきましょう。
カードローンの返済が滞るとどうなる?
カードローンの返済が滞る主なリスクには、以下の3つが挙げられます。
- カードローンの返済が滞るリスク
- 延滞料金が発生する
- 信用情報に記録される
- 多重債務になる可能性がある
カードローンの返済が滞ると、本来の返済額より負担が増えてしまったり、ほかのローンが組めなくなったりする可能性があるので注意が必要です。
延滞料金が発生する
カードローンの返済が滞ると、ローン残高と滞納日数に応じた「延滞料金(遅延損害金)」が発生します。
延滞料金は、「ローン残高×滞納日数×365(うるう年は366日)×遅延損害金利率」で求められます。そして、遅延損害金利率は金融機関との契約書に記載されているのが一般的です。
カードローン返済の滞り期間が長くなるほど延滞料金が高くなるので、可能な限り早く返済していくことが大切です。
信用情報に記録される
カードローンの返済を滞納すると、信用情報に記録されてしまう可能性があります。
信用情報に記録されると、ほかのローン審査に影響を与えたり、クレジットカードの発行ができなかったりするデメリットがあります。ローン返済を滞納した情報は、原則として契約継続中または契約終了後から5年間登録されることになるため、カードローンを返済したからといって解消されるわけではありません。
新たなローンが組めない状況にならないためにも、カードローンの返済を滞納しないようにしましょう。
多重債務になる可能性がある
カードローンの滞納による延滞料金の発生や、信用情報への記録を避けるために、ほかの金融機関から借り入れを受けて返済する状況が考えられます。これを「多重債務」といい、返済を先延ばしにしているだけで借入額や返済額が増えてしまう危険性があります。
なかには、多重債務者を狙って「審査なし」といった甘い言葉で勧誘し、違法な貸付をする闇金業者もいるので注意が必要です。カードローンの返済が難しい場合は、ほかの金融機関から融資を受けるのではなく、借り入れをした金融機関に相談することを優先しましょう。
カードローンの危険な使い方
基本的に資金用途の制限がないカードローンは、さまざまな用途に活用できるメリットがある反面、以下のような使い方をすると返済が苦しくなる可能性があります。
- カードローンの危険な使い方
- 複数社から満額借り入れる
- 審査なし・審査が甘いにつられて申し込む
- 少額ずつ引き出す
カードローンを正しく活用するためにも、どのような使い方が危ないのかを確認しておきましょう。
複数社から満額借り入れる
カードローンを複数社から借り入れると、毎月の返済額が大きくなってしまう可能性があります。
カードローンの金利は、利息制限法によって借入額ごとの上限が以下のように決められています。
借入額 | 上限金利 |
---|---|
10万円未満 | 年20.0% |
10万円〜100万円未満 | 年18.0% |
100万円以上 | 年15.0% |
複数社でカードローンを利用している場合は、それぞれの合計額で上限金利が決定されるわけではなく、借り入れ先の利用限度額をもとに算出されるのが一般的です。そのため、複数社から借り入れをしている場合は、金利が高くなり、月々の返済額が大きくなってしまうのです。
また、カードローンの返済が苦しい時の相談先が増えてしまうので、月々の返済額を調整したり、ローン契約をまとめたりする手間がかかることも考えられるでしょう。
審査なし・審査が甘いにつられて申し込む
「審査がない」または「甘い」といった言葉で勧誘している貸付業者は「闇金業者」に該当するケースが多いので注意が必要です。闇金業者は、違法な取り立てをしたり、利息制限法を無視した金利設定をしていたりするため、生活が成り立たない状況まで追い込まれる恐れがあります。
カードローンの審査は、貸金業法によって義務付けられているので、審査なしで借り入れをすることは基本的にできません。銀行が提供しているカードローンは貸金業法の対象外ですが、一般社団法人 全国銀行協会が「お客さまの収入状況や返済能力をより正確に把握することに努める」と公表していることから、審査なしで貸付をすることはないと考えられます。
カードローンの返済に苦しまないためにも、審査が甘いことをアピールしている闇金業者から借り入れを受けないようにしましょう。
少額ずつ引き出す
カードローンは、利用限度額の範囲内であれば少額ずつ借り入れることも可能です。
必要なタイミングに借り入れができるメリットがある反面、ローン残高がいくらになっているのか、翌月の返済額がわからなくなってしまうリスクがあります。また、少額な借り入れは、すぐに返済できるという安心感から不要なお金を借り入れてしまうことも考えられます。
カードローンを利用する際は、どのようなことにいくら必要なのかを決めたうえで、計画的に活用するようにしましょう。
カードローンの危険性を回避して安全に利用する方法
カードローンの返済に苦しまないためには、正しい使い方をすることが大切です。
- カードローンをリスクなく利用する方法
- 借りたらできるだけ早く完済する
- 必ず返済計画を立てる
- 返済が苦しい時は早めに相談する
ここでは、カードローンを安全に利用するための方法を詳しく紹介します。
借りたらできるだけ早く完済する
カードローンの返済額は、借入期間と金利に応じた利息が発生するため、返済時期を早めることで下表のように総返済額を抑えられます。
借入額 | 借入期間 | 金利 | 毎月の返済額 | 総返済額 |
---|---|---|---|---|
50万円 | 6カ月 | 年14.5% | 86,892円 | 521,354円 |
50万円 | 1年 | 年14.5% | 45,011円 | 540,128円 |
50万円 | 2年 | 年14.5% | 24,124円 | 578,982円 |
※元利均等返済方式
また、お金に余裕があれば繰り上げ返済によって総返済額を抑えることも可能です。繰り上げ返済とは、毎月の返済額以上の返済をすることで、ローン残高を当初の予定より早く減らせます。総返済額を抑えるためにも、可能な限り早くローン返済を進めていきましょう。
必ず返済計画を立てる
カードローンを利用する際は、下表のような返済計画を立てることが大切です。
支払い回数 | 毎月の返済額 | 利息 |
---|---|---|
1回目 | 27,503円 | 4,500円 |
2回目 | 27,503円 | 4,154円 |
3回目 | 27,503円 | 3,804円 |
4回目 | 27,503円 | 3,449円 |
5回目 | 27,503円 | 3,088円 |
6回目 | 27,503円 | 2,722円 |
7回目 | 27,503円 | 2,350円 |
8回目 | 27,503円 | 1,973円 |
9回目 | 27,503円 | 1,590円 |
10回目 | 27,503円 | 1,201円 |
11回目 | 27,503円 | 807円 |
12回目 | 27,511円 | 406円 |
※残高スライド元利定額返済方式
返済計画を立てずに借り入れをすると、毎月の返済が苦しくなったり、想定より多くの利息を支払ったりするリスクがあります。カードローンを提供している金融機関の返済シミュレーターを活用すれば、月々の返済額や利息額、総返済額を確認できるので、借り入れ前に確認しておきましょう。
返済が苦しい時は早めに相談する
カードローンの返済が苦しくなった時は、借り入れをしている金融機関に可能な限り早く相談することが大切です。
金融機関に相談すると、月々の返済額を減額したり、返済タイミングを遅らせたりしてくれる可能性があります。事前の相談なく滞納した場合は、延滞料金を請求されるだけでなく、一括返済を求められることもあります。このような事態にならないためにも、返済が滞る前に金融機関に相談しましょう。
カードローンの危険性に関してよくある質問
ここでは、退職金の増税に関するよくある質問を紹介します。
カードローンについてよくある質問
- カードローンで借りたら住宅ローンは組めないですか?
- カードローンでお金を借りるとブラックリストに入りますか?
- 取り立てに合わないか心配です
- カードローンでお金を借りるメリットはなんですか?
- 闇金かどうかはどうすれば見分けられますか?
カードローンで借りたら住宅ローンは組めないですか?
カードローンを利用していても、住宅ローンを契約することは可能です。
しかしカードローンの借入額や返済状況によっては、ローン審査に通らなかったり、借り入れ条件に制限が発生したりするかもしれません。住宅ローン審査に通るか心配な場合は、カードローンを全額返済したうえで申し込むのがおすすめです。
カードローンでお金を借りるとブラックリストに入りますか?
カードローンを利用したからといってブラックリストに登録されることはありません。
ブラックリストに登録される主なケースは、カードローンの返済が滞ったり、債務整理をしたりといった信用情報に記録されるような「金融事故」を起こした場合です。
なお、ブラックリストというリストは存在しておらず、金融機関が信用情報機関に照会をしたうえで融資ができるかを判断することになります。
取り立てに合わないか心配です
貸金業法で「私生活若しくは業務の平穏を害するような言動をしてはならない」と規定されているため、暴力的な言葉を受けたり、自宅に押しかけられたりすることは基本的にありません。
取り立てに対して不安を感じた時は、金融庁や警察に相談しましょう。
カードローンでお金を借りるメリットはなんですか?
カードローンでお金を借りる主なメリットは、以下の通りです。
- カードローンを利用するメリット
- 必要なタイミングにお金が借りられる
- 資金用途を制限されることが基本的にない
- 保証人や担保なしで借りられるケースが多い
- 利用限度額の範囲であれば繰り返し借りられる
闇金かどうかはどうすれば見分けられますか?
闇金かどうかを見分ける際は、金融庁の貸金業者の登録を受けているかを確認しましょう。
金融庁の「登録貸金業者情報検索サービス」に会社名や代表者名などの情報を入力することで登録の有無を確認できます。登録情報がわからない場合は、財務局や都道府県に確認してみましょう。
まとめ
カードローンは、正しい方法で活用すれば、生活が苦しくなったり多重債務になったりする危険性はほとんどありません。一方、返済計画を立てずに複数者から借り入れをすると、月々の返済が滞ってしまう可能性があります。
そのような状況にならないためにも、無理のない返済計画を立てたうえでカードローンを利用するようにしましょう。